値は尺度水準に基づく.計算機で扱う場合にはそれに数値を当てはめる.
#尺度水準
尺度水準は,以下の4つに分類されるとされている.
- 名義尺度 :性別など
- 順序尺度 :好き嫌いなど
- 間隔尺度(差尺度) :テストの点数など
- 比例尺度(比尺度) :身長など
数値だけ見ればどの尺度の値も定義域も解像度も同じ(比例尺度は負にならないとも書かれるのをよく見るが、、、)だが,尺度水準とは,謂わば定義域内の数値への「当てはめるときの思想」である.
それぞれの尺度は,次のように説明されることが多い.「演算」は,それぞれの尺度水準の元の数値どうしの演算,「意味がある」とは,演算結果が同じ尺度水準,または下位の尺度水準で説明できる,いろんな元による演算結果を同じ意味の中で捉えることができるということである.
-
名義尺度:原点に対する区別に意味がある.
許される二項演算は,(名義演算) = { ≠} -
順序尺度:原点に対する大小関係に意味がある.競べることができる.
許される二項演算は,(順序演算) = {(名義演算), >} -
間隔尺度:原点に対する差に意味がある.差で違いを説明出来る.較べることができる.
許される二項演算は,(間隔演算) = {(順序演算), -} -
比例尺度:原点に対する比に意味がある,比で違いを説明できる.比べることができる.
許される二項演算は,(比例演算) = {(間隔演算), /}
比について
割り算で表されるものはその特性に注意しないといけない
- proportion/fraction/割合/歩合/分画/度合/N分率/比率/percentile: 分子が分母に含まれる.確率. 範囲[0,1]
- ratio/比: 分子が分母に含まれない.オッズ.
- rate/率: 分母と分子は異なる次元(異なる単位).
比例尺度は,このうち「比」である.
比率・割合や率は,間隔(感覚)尺度,
#なんとなくイメージできそうなこと(僕の勝手な仮説)
- 名義尺度の変数はカテゴリカル分布に従う。
- 順序尺度の変数は一様分布,ベータ分布に従いがち.
- 間隔尺度の変数は感覚的な心理物理量で正規分布に従いがち。
- 比例尺度はmks系単位をもち純然たる物理量で、ウェバーフェヒナー的に感覚量と対数の関係にあるから、正規分布に従うであろう間隔尺度に変換することをかんがえれば、こちらは対数正規分布に従いがち。
#「比例尺度は負にならない」は
比例尺度の変数は絶対単位を持ち、それは言い換えれば測定した量が単位量の何倍かを示した値である。それ以上でもそれ以下でもない。ゼロ倍の測定量は現実世界では「無」であり実在しないし、負倍の測定量は現実世界では有り得ないが、数値上はあってよい。ゼロは無を表す値、負は逆方向の値としてあってよい、
と思う。