目次
自己紹介といきさつ
どうも。ビザ芸人のKentaです。Twitter → @hellokenta_ja
ちなみに、AtsuEigoさんのYoutubeにもアメリカでの就職に関して出演しているので、こちらもどうぞ。 -> https://www.youtube.com/watch?v=JSm3g5vNlJ4&list=FLNqyR1brVG5wCJvwSzMXQvA
この2年半で
- NYの会社に就職し家族で移住
- アメリカ国内で転職活動し、SFの会社に転職
- ビザ取り直しになり帰国
- これまでに計3種類のアメリカビザを申請・取得
をしました。
こんな感じのギャグのような人生を送っている、まさにビザ芸人な僕なわけですが、
正直めちゃくちゃ苦労しましたし、迷惑も掛けました。
しかし、ここまでこだわるのは、グローバルな環境で働く素晴らしさを体験したからです。
グローバルな環境で働く素晴らしさの一方で、アメリカビザの取得や日常生活に関する情報はほとんど出回っていないようで、そういう情報を個別で聞かれる事が増えたのでまとめる事にしました。
アメリカで働く事の基本知識
多くの人はアメリカで働くには英語力や技術力が必要だと思っていると思いますが、重要度で言うと、
ビザ >>>>> 技術力 > 英語力
という感じです。
なぜなら、ビザが無ければいくら優秀な人でも就労することが不可だからです。
また、ビザには申請する条件、申請できる期間などが決まっていて、優秀だからといってビザが取れるというわけではありません。
ビザにはいろいろな種類があり、下記に説明していくので、自分がどのビザを取得可能なのか判断し、戦略的に行動していきましょう。
ちなみに最低限必要な英語力は、
- 文章でのやり取りなら時間はかかっても出来る
- 事前準備すれば自分のタスク周りの事を簡潔に説明&議論出来る くらいかと認識しています。コーディングの仕事さえしっかり出来るなら、英語力は多少多めに見てくれると思います。
何より、技術力や英語力は自分の努力でなんとでもなる範囲です。
問題なのがビザで、ルールががんじがらめでそれに従わなければいけません。
現に僕も、ビザ取得の為にオファーを貰ってから1年半ほど日本にいますし、アメリカ国内で転職活動をした際も
数十人の転職エージェント、GoogleやFacebookなどの大企業のリクルーターにも連絡をしましたが、
初めに「H1Bのビザかグリーンカードを持っているか?」と聞かれ、「持っていない」と答えるともう終了。
面接すら受ける事が出来ませんでした。面接を受けれたのは計3社のみです。
なので、どのようにビザにアプローチしていくかが非常に重要になるわけです。
ビザについて
アメリカのビザは数種類あり、そのどれを取得したいかによってだいぶ人生設計が変わってきます。どの戦略を取るかにもよりますが、もし「アメリカで働きたい」と思ったなら、数年かけた戦いである、と覚悟しておいた方が良いでしょう。
下記はあくまで僕の知っている範囲での事で、間違っていたり補足などあればぜひ連絡してほしいです。ビザの情報はあまり出回っていないので、ぜひそのような人達でナリッジを共有したいです。
ビザの基本
- 就労ビザは基本的に会社にサポートしてもらって取得するもの
- 大使館での面接が必要
- ビザの有効期限はアメリカへの入国審査を受けることができる期間であり、米国に滞在可能な期間という意味ではない
取得の流れ
- アメリカの会社にオファー(内定のようなもの)を貰う
- 会社に移民弁護士を雇ってもらう
- 会社と弁護士にサポートレターを書いてもらう
- ビザ申請に必要な書類を準備する。(主に弁護士主導)
- アメリカ大使館に面接の予約をする
- 当日面接をし、合格だった場合はパスポートを大使館に回収される
- 約1週間後にビザ付きのパスポートが郵送で送られてくる
- ビザGET! & 渡米
Eビザ
- 日本人がアメリカで起業する時に取得するビザ
- 日本人がアメリカで起業した会社にプロフェッショナルとしてEビザを申請してもらうことが出来る
- ビザが会社に帰属するため転職が出来ない
- その会社にいる間は半永久的にアメリカにいられる
- だから逆に会社にグリーンカードを申請してもらいづらい
- 転職したらビザが失効し、帰国しなければいけない
- 申請作業を日本国内で完結することが出来る
- 配偶者も働ける
H1Bビザ
- 専門職ビザ
- 毎年4月に抽選があって、65000人が選ばれる
- アメリカの大学院を卒業していると、別枠の抽選があり、20000人選ばれる
- 全部で20万人近くが応募する
- 抽選に通らないと申請が出来ない
- 4月の抽選で通ったら最短で10月からアメリカで働ける
- 有効期間は3年、延長して最長有効期限は6年
- 期限があるので、会社と両者にメリットがあればグリーンカードを申請してくれる
- 転職が出来る
- 大学の専攻と職務が一致している必要がある
- 職務が求める特定分野での学位を4年制大学以上で取得しているか、短大卒業+最低6年間の専門職経験が必要。
- 配偶者は働けない
Lビザ
- 駐在員ビザ
- アメリカに本社がある日本の支社で1年間働いたのちに申請できるビザ
- 転職できない
- 有効期限は3年、延長して最長有効期限は7年
- 期限があるので、会社と両者にメリットがあればグリーンカードを申請してくれる
- 配偶者も働く事ができる
- 規模の大きい会社の方が通りやすい傾向にある
Bビザ
- ビジネストリップのための短期の商用観光ビザ
- 取得が容易
- 一般的には6ヶ月を超える滞在はできない
Jビザ
- インターンビザ
- 1年もしくは1年半の間、有給で研修できるビザ
- 取得が容易
- Two-Year Home-Country Physical Presenceという、Jビザでのプログラム終了後、最低2年間は自国で居住しなければならないというルールがあるが日本国籍の人には一般的には当てはまらないらしい
グリーンカード
- いわゆる永住権
- 年に一回の抽選か、ビザと同様会社にサポートしてもらって取得するもの。
- 抽選は、毎年10月に申請、翌年の5月に結果発表がある。
- 僕はここ2年間、こちらのサービスを利用して代行して申請してもらってます。もちろん自分でも出来ますが漏れがあったりすると嫌なので。
結論
上記を踏まえて、自分がまずどのビザを申請出来るのかというのを考え、戦略的に行動しましょう。
僕としては、H1BとLの両方をサポートしてくれる会社を探すのがベストかと思い、今の会社に行き着きました。H1Bの抽選が落ちても第2候補としてLを申請できるので。これがまあ難しいのですが、、、
今から大学院に行ける方は、アメリカの大学院でCSを専攻する事はかなり有力な選択肢だと思います。(H1Bの抽選で別枠が用意される)
アメリカでの職探し&面接対策方法
- LinkedInのプロフィールを英語で常にアップデートしておく
- Hiredに登録する
上記は最低限行った上で、僕が面接対策で行ったことを書きます。
アメリカでの就職活動は基本的に会社ホームページから応募などせず、LinkedIn経由で人事に連絡したり、知り合いにリファラルしてもらうのが王道のようです。
Coding試験対策
- 会社にもよるでしょうが、提示される数種類の言語から選んでコーディングさせてもらえます。
- Interview Cakeでコーディング面接対策 (https://www.interviewcake.com/)
- 「Cracking the Coding Interview」を頑張って英語で読む
- https://www.amazon.co.jp/Cracking-Coding-Interview-Programming-Questions/dp/0984782850
- 世界で闘うプログラミング力を鍛えるがその日本語版
- CodeInterviewみたいなツールやホワイトボードなどの普段の自分の環境ではないものに慣れておく
設計面接対策
- Educativeのオンライン教材
- 面接対策のYoutube動画
- 上記を見た上で、面接を受ける会社のサービスを設計するならどうするかを考えておく、などなど
行動質問
- 簡単な自己紹介は英語で準備していくべき
- 自分の今までの会社での経験や行動について少し考えて行ったらいいかも
- 比率としてはコーディング:行動質問 = 8 : 2って感じ
- 聞かれたのは、失敗体験、難しい状況でいい方向に持っていけた時の事を教えて、大きな意思決定をした時の話など
アメリカで働くメリット・デメリット
僕はNYで1社、SFで1社、計2社のアメリカ企業で働きました。パイは少ないですし、あくまで僕の主観ですがメリット・デメリットを書きます。
メリット
- エンジニアへの待遇が良い。Stock Optionでのボーナスもかなり手厚く社員想いだと思います。
- 基本的には契約社会なので、労働時間や有給休暇、職務などは契約が全てです。なので、定時に帰りづらい、有給が取りづらいなどということは無いです。
- 働く時間が短い。17:00 - 18:00には大体帰ります。朝は9:00 - 11:00くらいに出社する感じ。
- 有給休暇が多い&みんなしっかり取る。弊社のアメリカ本社は有給取り放題だし、Facebookなどの大企業も20 - 30日くらいあると聞きました。
- 意思決定が早い。この要因は、アメリカ人が良い意味で適当なのでとりあえずやってみる文化なのと、意思決定を1人に委託しているのでほとんどの事は1人の人が決めてしまいます。
- 年功序列はなく、スキルで判断してもらえます。
- しっかり人材に対しても競争の原理が働いていて、転職に関して寛容です。終身雇用などということは無く、IT界隈だと2年に1度くらいは大体転職しています。
- NYがそうだったのですが、多様な人種、文化の人々がいました。いろんな価値観を持つ人と働くというのは、とても自分の視野を広げてくれたと思います。
デメリット
- 逆に「スキルが無い」や「人間性や文化が合わない」という事になると解雇されます。僕の会社でも、解雇された人は数人いました。
- 働く以外でのQOLが、日本は素晴らしいと思いました。外食の安さ、トイレの清潔感、治安の良さ、
- 孤独感。やはり異国に暮らすというのは言語の壁や文化の違いを相当感じました。お店の店員さんとかはあからさまに態度が冷たくなります。同僚とかは親切にしてくれるものの、大勢での会話にうまく入れなかったり孤独は常に感じます。ただこれは僕の英語力の無さや、性格も要因としてだいぶあるので全然平気な人もいるかもです。
オススメの英語勉強法
基本的に僕はリスニングが弱かったので、音声&テキスト付きの教材でシャドウイングをするのが割と効果ありました。また、Netflixのドラマを日本語字幕で見る→英語字幕で見る→字幕無しで見る、みたいな事もやりました。
- オススメの英単語帳「DUO 3.0」「Distinction2000」
- 英語の学習方法の学習本、「英語 2.0」。英語学習をするにあたって、自分の課題は何なのか、それに対する最適なアプローチは何なのかをロジカルに説明してくれる本です。もっと早く読んでおけば良かったです。
- NHK英語学習シリーズ
- Podcast、Hapa英会話。iPhoneなどのPodcastアプリで「hapa英会話」と検索したら出てくると思います。
- 起業家の英語
- Netflixで英語学習するためのエクステンション
- Youtubeで自分の興味のある分野のビデオを英語で見る
まとめ
こちらで僕が2年半かけて溜めたナリッジは以上になります。
今思えば、英語も全然話せない、ビザとか良く分からない状態でアメリカの会社に「えいや!」で入ったのが約2年半前。本当に苦労ばかりでしたが、それ以上に一度行ってみると今まで思ってもなかったような自分の可能性が広がっている事に気が付きました。言葉足らずですが、ワクワクでエキサイティングで最高!と胸が高鳴ったのを今でも覚えています。
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Twitter: @hellokenta_ja