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【2023年度版】クラウドまわりの政府動向をまとめてみた

Last updated at Posted at 2024-02-19

はじめに

NTTデータの西川です。
普段は公共部門の技術集約組織でクラウドの導入支援に従事しています。

今回は以下の方を想定読者とし、クラウドまわりの政府動向をまとめてみました。

  • これから公共部門のクラウド案件に関わる方
  • 公共以外のクラウド案件に携わっているため、政府動向を体系的に知らない方

昨今、ニュースでも「ガバメントクラウド」の言葉を見かける機会が増えたので、身近に感じる方も少なくないと思います。本ブログを通して、クラウドまわりの政府動向について理解を深めていただければと思います。

目次

  • 0.概論
  • 1.政府のクラウド利用方針が決定:クラウド・バイ・デフォルト
  • 2.政府のクラウド評価制度が始動:ISMAP
  • 3.政府共通のクラウドサービスの利用環境が整備:ガバメントクラウド
  • 4.クラウドを賢く適切に利用する方針が決定:クラウドスマート
  • 5.まとめ

0. 概論

2018年に政府のクラウド利用方針である「クラウド・バイ・デフォルト原則」が打ち出されました。以降、クラウド評価制度であるISMAPの整備など、クラウド化に向けた動きが加速しています。

flow.PNG

今回は以下4つのキーワードを取り上げて説明していきます。

  • クラウド・バイ・デフォルト
  • ISMAP
  • ガバメントクラウド
  • クラウドスマート

1. 政府のクラウド利用方針が決定:クラウド・バイ・デフォルト

2018年6月に「政府情報システムにおけるクラウドサービスの利用に係る基本方針」が示されています。
ざっくり言うと、まずクラウドの利用を第一候補にしましょう、という方針です。

■ クラウド・バイ・デフォルト原則とは

  • 政府情報システムは、クラウドサービスの利用を第一候補として、その検討を行うものとする。
  • 情報システム化の対象となるサービス・業務、取扱う情報等を明確化した上で、メリット、開発の規模及び経費等を基に検討するものとする。

検討.PNG
※上記は2018年時点の資料の抜粋であり、現在は改定されています。

参考1:政府情報システムにおけるクラウド サービスの利用に係る基本方針
https://cio.go.jp/sites/default/files/uploads/documents/cloud_policy_20210330.pdf

2. 政府のクラウド評価制度が始動:ISMAP

2021年3月からクラウドサービスのセキュリティ評価制度であるISMAPの利用が開始されました。政府のクラウドサービス調達におけるセキュリティ水準の確保されることで、政府機関等におけるクラウドサービスの円滑な導入につながります。
ざっくり言うと、政府が求めるセキュリティ要求を満たすクラウドサービスをあらかじめ評価/登録しておく制度です。

ismap.PNG

参考2:政府情報システムのためのセキュリティ評価制度(ISMAP)
https://www.nisc.go.jp/policy/group/general/ismap.html

3. 政府共通のクラウドサービスの利用環境が整備:ガバメントクラウド

2021年6月に「デジタル社会の実現に向けた重点計画」が閣議決定され、クラウドサービスの検討に当たっては、原則ガバメントクラウドを検討する方針が示されました。

■ ガバメントクラウドとは
共通的な基盤・機能を提供する複数のクラウドサービスの利用環境です。令和5年度におけるガバメントクラウドとして以下の5つのクラウドサービスが採用されています。

  • Amazon Web Services
  • Google Cloud
  • Microsoft Azure
  • Oracle Cloud Infrastructure
  • さくらのクラウド(条件付き採用)

参考3:デジタル社会の実現に向けた重点計画
https://www.digital.go.jp/policies/priority-policy-program
参考4:デジタル庁におけるガバメントク ラウド整備のためのクラウドサー ビスの提供-令和4年度募集-の 公募結果について
https://www.digital.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/d6b5753c-c4eb-4ee6-92d0-21b3fa945a82/09da329e/20230403_policies_gov_cloud_outline_01.pdf
参考5:デジタル庁におけるガバメントクラウド整備のための クラウドサービスの提供-令和5年度新規募集- の公募結果について
https://www.digital.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/d6b5753c-c4eb-4ee6-92d0-21b3fa945a82/2c2cef20/20231128_policies_gov_cloud_outline_01.pdf

ガバメントクラウドについて解説されたブログやトレーニングがAmazon Web Servicesより公開・提供されています。以下の参考情報は「自治体向け」と表記されていますが、一般的なガバメントクラウドに関する内容についても参考となります。
ガバメントクラウド関連の情報は非公開情報が多いため、詳細が気になる方は是非参考にしてみるとよいかもしれません。(わたしも受講しました)

参考6:ガバメントクラウドの道案内『ASP&運用管理補助者編』
https://aws.amazon.com/jp/blogs/news/govcloud-guide-for-asp-and-management/
参考7:自治体向けオンライントレーニング~ガバメントクラウド(AWS編)対応版~
https://aws.amazon.com/jp/government-education/worldwide/japan/LG-webinar/

4. クラウドを賢く適切に利用する方針が決定:クラウドスマート

2022年9月に「政府情報システムにおけるクラウドサービスの適切な利用に係る基本方針」が改定され、より適切(スマート)な利用を目指す方針が示されるようになりました。

■ スマートなクラウドサービスの利用とは
スマートなクラウドサービスの利用=モダンな技術の利用とされています。
Ex) モダンな技術の例として「マネージドサービス」や「IaC」など。

参考8:政府情報システムにおけるクラウドサービスの適切な利用に係る基本方針
https://www.digital.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/e2a06143-ed29-4f1d-9c31-0f06fca67afc/5167e265/20230929_resources_standard_guidelines_guideline_01.pdf

5. まとめ

今回、クラウドまわりの政府動向についてまとめてみました。本ブログが公共部門のクラウド動向に興味を持つキッカケになれば嬉しいです。最新状況については、デジタル庁や各CSPが公開している最新の公開情報をご確認ください。
※本ブログに記載した内容は個人の見解であり、所属する会社、組織とは関係ありません。

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