はじめに
NTTデータの西川です。
普段は公共部門の技術集約組織でクラウドの導入支援に従事しています。
最近は一般的なAIの知識、AWSのAIサービスを体系的にインプットしていました。インプット内容の整理も兼ねつつ、他の方の役に立てればと思ったので、合格体験記としてまとめてみました。
試験を受けない方も役に立つように、有益な書籍、Black Belt、セミナ資料もあわせて紹介しています。
試験概要
- 試験名:AWS Certified AI Practitioner(以降、AIF)
- 受験日:2024/11/11
- バージョン:AIF-C01
参考:AIFとは
AWS Certified AI Practitioner は、人工知能 (AI)、機械学習 (ML)、生成 AI の概念とユースケースに関する需要の高い知識を実証します。
※最新バージョンは、最新の試験ガイドを参照ください。
AWSに限らず、広く一般的なAIの知識を学べる試験でした。AIの基礎を学びたい方にはオススメです。
受験したきっかけ
例に漏れず公共分野でも生成AIをはじめとするAIのニーズが高まっています。筆者はAIに専門性を持つ人材タイプではないが、中長期的に生成AIの知見は一般教養レベルで必要であると考えているため、基礎固めをする目的で学び始めました。
公共分野×AIに興味がある方向け:AI関連のレポート
- テキスト⽣成AI利活⽤におけるリスクへの対策ガイドブック(α版):テキスト⽣成AI固有のリスクに着目し、留意点や対応策を示すレポート。
- ⾏政における⽣成AIの 適切な利活⽤に向けた技術検証の環境整備:掲題の検証の概要・アンケート結果、個別具体のユースケースを示すレポート。
- デジタル庁2023年度事業 ⾏政での⽣成AI利活⽤検証から⾒えた10の学び:3の検証結果をデジタル庁のメンバが考察したnote形式のレポート(三部作)。
受験時のAWS、AIのスキルレベル
AWSのスキルレベル
AWS案件は2023/5から参画、2023/8にSAP合格済。ハンズオンや案件参画を通して、本試験で必要となるIAMやVPCまわりの基本的な部分の理解はできているレベル感です。
AIのスキルレベル
AI案件の経験はなく、興味本位で以下の書籍を読んだり、ハンズオンを行った経験があるレベル感です。
- 人工知能は人間を超えるか:AIの歴史や概論を学ぶ用途で読了。本試験で間接的に役に立ちました。興味があれば読むくらいでよい。
- 生成AIで世界はこう変わる:生成AIまわりの概論を学ぶ用途で読了。本試験で間接的に役に立ちました。興味があれば読むくらいでよい。
- Azure OpenAI ServiceではじめるChatGPT/LLMシステム構築入門:一般的なAI・RAG周りの理解が深まった。本試験でもかなり役に立った。余裕があれば読むくらいでよい。
- Amazon Bedrock 生成AIアプリ開発入門 [AWS深掘りガイド]:本試験の範囲を広くカバーしているため、特に役に立った。ボリュームは多く、物理的に分厚いが平易な説明で分かりやすく読み進めやすいのでオススメ。
試験対策
試験ガイド、公式のサンプル問題を中心に対策しました。
主にAmazon Bedrock 生成AIアプリ開発入門 [AWS深掘りガイド]を辞書的に参考にしていました。
以下のAWSサービスは重点的に出題された印象です。体感半分くらいは以下のサービス関連の出題されました。しかし、AWSサービス以外の一般的なAIの知識も重視しても問われるので注意しましょう。
基本的なAWSの知識が必要になるので、基礎知識が不足している方は別途AWSまわりの基礎固めが必要となります。所感としてはCLF、SAAレベルに知識が前提となると感じました。
学習コンテンツ
メインコンテンツ
- 試験ガイド:最初に読み範囲を確認すること。記載されているキーワードで不明瞭なものが無いように理解を深めることを強く推奨する。
- 公式サンプル問題:出題形式に慣れる。概ね難易度は等しいが、試験ガイドで不明瞭なものが無いようにすることを強く推奨する。(Part2)
SkillBuilder経由で受講可能。
補助資料
Black Belt
※SageMakerは開発者ガイドベースでインプットしました。
セミナ資料
AWS Summit Japan 2024
- イノベーションを実現するAWS の⽣成 AI サービス:AWSのAIサービスの概要を体系的にキャッチアップできます。
- ⽣成 AI のセキュリティ対策と責任ある AI の実現:セキュリティまわりを体系的にキャッチアップできます。
その他
- 本当にわかりやすいAI入門:本当の入門向けなので、これまで紹介してきたものがツラい方はこちらオススメです。専門用語などなく読みやすいです。
受験後の所感
知識面
- 対象が「AWS の AI/ML テクノロジーに最大 6 か月間携わった経験を持つ方を対象としています。AWS で AI/ML ソリューションを使用しますが、必ずしも構築している必要はありません。」となっているが、ハイライト部分に必要な知識レベルを超えている印象を持った。AIのPractitionerという意識を持ち、試験ガイドに記載されている内容で不明瞭なものが無いようにすることを強く推奨する。(Part3)
- AWSにおけるAI/MLマネージドサービス:多岐にわたるサービスが存在するため、それぞれの特徴を理解しておくこと。
SageMaker、Amazon Transcribe、Amazon Translate、Amazon Comprehend、Amazon Lex、Amazon Pollyなど
- SageMaker:予想以上に機能レベルまで理解が必要であった。
SageMaker Canvas, SageMaker Clarify, SageMaker JumpStartなどが区別して説明できること。
- 機械学習のハイパーパラメータ:パラメータ名で類推できるもの、できないものがあるため不明瞭なものをなくしておくこと。
- ML モデルを評価するためのモデルパフォーマンスメトリクス:それぞれのメトリクスが理解できていること。
正解率、ROC 曲線下面積 (AUC)、F1 スコアなど
- 基盤モデルのファインチューニング方法:各種方法などを理解しておくこと。
マインド面
- 不明な単語も類推できるものが多々あるので、落ち着いて少し考えてみるのも有用であった。
- GAされて間もないため、不明瞭な問題が一部出てくるのを前もって意識しておくこと。15問は採点対象外であるため、割り切って最後まで解いてみること。
さいごに
参考としていた資料は適宜参照しつつ、一般的なAIの知識、AWSのAIサービスの理解の一助となれば幸いです。充実したAIライフにしましょう。
最新状況については公開情報をご確認ください。
※ 本ブログに記載した内容は個人の見解であり、所属する会社、組織とは関係ありません。