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AWSが大阪リージョンを開設するに至った背景を推測する

Last updated at Posted at 2020-01-20

AWSが大阪リージョンを2021年初頭に開設を発表

AWSは2020年1月20日にこれまで一部顧客向けの限定的なローカルリージョンとしての位置付けだった大阪リージョンを、東京やその他リージョンと同様なスタンダードなリージョンとして拡張を発表しました。

個人的にこの発表は、ここ最近のAWS関連ニュースの中でも上位に来るレベルなサプライズでした。というのも直近の案件でAWSでのDR構成についてアレやコレやと頭を悩ませていたからです。

官公庁システムのクラウド・バイ・デフォルトについて

日本政府は2018年より政府情報システムのクラウド利用における基本方針を打ち出して、「未来投資戦略2018」や「サイバーセキュリティ戦略」などにより諸外国の状況を調査したりと、クラウドサービス利用における安全性評価に関する検討を2019年まで行っておりました。

そして2020年秋から全省庁のシステムをクラウドに切り替えていくため、海外の企業に日本国内へのデータセンター設置などを求めていました。今後4~8年で原則、クラウドに切り替わっていきます。

制限付きの大阪ローカルリージョンは2018年に開設されておりましたが、2020年秋より本格化する官公庁システムのクラウド移行需要を取り込むための準備が整ったという感じなのかなと推測しています。

要件

堅めのシステムですとデータの海外持ち出しNG国内裁判権DRなどの要件を良く耳にすると思います。AWS国内DRを満たそうと既存の使い勝手が良いとは言えない大阪ローカルリージョンで構成しようとするとイケてない感じになってしまい、いっそ現状で東西リージョンのあるAzureにした方がいいのでは?ってパターンに遭遇することもありました。

DR要件が局所的な被災を想定するのか広域的な被災を想定するかでまた変わって来ますが、広域想定とする場合は尚の事悩ましいものです。

今回の大阪リージョンのスタンダード化の発表によって、2021年から広域想定のDR構成が組みやすくなる為、シンプルにより顧客の要件に沿った提案が可能となるわけです。わ〜い。

あと純粋に西日本寄りに事業所がある場合、大阪リージョンにインスタンスを立てたほうがレスポンスがあがるのも嬉しいですよね。

まとめ

ざっくり簡単にまとめると

  • 政府は2020年秋から順次システムをクラウドへ移行する為に準備してきた
  • AWSは官公庁システムの移行需要に備えるため大阪リージョンの拡張を進めた(推測)
  • これまでAWSでは満たし難かった要件を、将来満たせるようになるため提案の幅が増えた

以上、AWS大阪リージョンの拡張を祝したテンションで書いてみました。

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