背景
会社支給のノートパソコンによっては管理者権限が与えられておらず、便利なアプリケーションも管理者権限無しでインストールする必要があります。
この記事ではMinicondaとVS Codeを管理者権限無しでインストールし、実際に使用出来るようにするまでを備忘録として残しています。
対象
Windows 10 64bit版
手順
Miniconda3のインストール
- Minicondaのダウンロードページから最新版のインストーラをダウンロードします。この記事を書いた時点ではMiniconda3-py39_4.9.2-Windows-x86_64.exeでした。
- インストーラを実行します。Minicondaのインストーラは管理者権限が無くても実行できます。途中確認される設定は以下の通りです。1
- Install forではJust Meを選択します。
- Destination Folderは適当なフォルダを指定します。
- Advanced Optionsではすべてのチェックを外します。
ポータブル版VS Codeのインストール
- VS codeのダウンロードページから最新版のZIPファイルをダウンロードします。この記事を書いた時点ではVSCode-win32-x64-1.55.2.zipでした。
- ダウンロードしたファイルの中身を適当なフォルダに展開します。
環境整備
Miniconda
- ターミナル上でcondaが使用出来るようにするには、まずcondaやpythonにパスが通るようにします。例えばC:\miniconda3にMinicondaをインストールした場合、下記のようにすればcondaやpythonにパスが通るようになります。
set MINICONDA_HOME=C:\miniconda3
set PATH=%MINICONDA_HOME%;%MINICONDA_HOME%\Scripts;%MINICONDA_HOME%\Library\bin;%PATH%
- 実際にcondaやpythonにパスが通っているか確認してみます。
C:\WINDOWS\system32>python --version
Python 3.9.1
C:\WINDOWS\system32>conda -V
conda 4.9.2
- ターミナル上でcondaが使える事が確認出来たら、次にcondaを使用中の環境下でcmd.exeを使用するよう初期化します。
conda init cmd.exe
これでcondaを使用してパッケージ管理や仮想環境管理が行えるようになっていると思います。
VS Code
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日本語化
メニュー等を日本語化すると作業効率も格段に上がります。
- Visual Studio Codeを開く
- メニューから [View] -> [Command Palette] を選択します。
- [Configure Display Language] を選択します。
- [Install Additional Laugage] を選択します。
- サイドバーに拡張言語パックが表示されます。
- サイドバーから [Japanese Language Pack for Visual Studio Code] を探し、[Install] ボタンをクリックします。
- 右下にポップアップウィザードが表示されるので、[Restart Now] をクリックします。
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Python Extensionの導入
Pythonを扱う場合必須なようです。
- 拡張機能を選択します。
- Pythonで検索します。
- Microsoft謹製のPython Extensionをインストールします。
- condaのデフォルトパスの設定を行います。
- メニューから [ファイル] -> [ユーザー設定] -> [設定] を選択します。
- python.condapathを検索し、Minicondaのcondaを実行出来るパスを入力します。もし、Minicondaを"D:\Miniconda3"にインストールした場合、"D:\Miniconda3\Scripts"を入力します。
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標準のターミナルの変更
詳細は分からないのですが、どうもVS Codeは何かコンソール上で実行したい場合、Windows上ではPowerShellを呼び出していて、PowerShell上ではcondaが正常に動かないようです。そのため、VS Codeが立ち上げる標準のコンソールをcmd.exeに変更します。
- メニューから [ファイル] -> [ユーザー設定] -> [設定] を選択すします。
- terminal.integrated.shell.windowsを検索し、cmd.exeを入力します。
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この方法だと、管理者権限が無くてもインストールは出来ますが、スタートメニューに登録されたりするので、完全にポータブルでは無いです。完全にポータブルな環境にするには、上記の作業を他のPC上で行い、インストール先のフォルダを丸ごとコピーしてくる、という方法をとります。 ↩