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顧客分析の手順 - 分析フォーマットの適用例:関連性分析 獲得顧客を呼び込んだ商品/サービスの理解

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この本書は2017年4月1日にTeradata Japanのブログに掲載された内容を、再掲載したものです。
掲載内容の正確性・完全性・信頼性・最新性を保証するものではございません。
また、修正が必要な箇所や、ご要望についてはコメントをよろしくお願いします。

著者 山本 泰史 (やまもと やすし)

顧客分析の手順

第20回: 獲得顧客を呼び込んだ商品/サービスの理解

今回より、関連性分析という分析手法を利用した分析例をご紹介していきます。関連性分析は商品やサービスの利用ボリュームに関する分析を提供します。大きく、以下 2つの機能を有しています。

各商品/サービスの利用動向を定量指標で比較する
特定商品/サービスの利用顧客が、他に利用している商品/サービスを定量指標で比較する。
分析名称として関連性分析と称していますが、実質的に関連性を理解するのは後者の機能であり、前者は顧客を前提とした商品/サービスの利用度合い、支持度合いを見るための分析です。今回はまず、前者の機能を利用し、新規に獲得した顧客群の商品/サービス利用動向を見ていくことにします。

分析の前提

図29 に示すように、各商品/サービスを横並びで比較するのが関連性分析の機能です。分析の対象セグメントとして、2009年に新規に何らかのご契約をいただいた顧客で、なおかつ年齢が 50歳代の方を対象としています。縦に並べている商品群でお分かりのように、金融機関が扱う商品を、商品分類(複数の商品をグルーピングした上位階層)別で把握しています。ここから、自社と新規に関係を開始した顧客が、どのような商品をトリガーに獲得できたかを理解することが可能となります。

image.png

利用している指標値としては、契約顧客数を利用しています。関連性分析では任意の定量指標を利用することが可能ですが、把握したい内容によっては利用する定量指標を注意深く選択する必要があります。商品やサービスはどんな企業も有しており、それを顧客に購入、もしくは利用いただく事によって商売は成り立っています。しかしながら商品やサービスの契約、加入、購入、利用といった消費の仕方は様々に異なります。例えば「ADSLサービス」であるならば、加入顧客数が対象となることもありますし、接続回数や時間、通信ボリュームを把握の対象としたい場合もあるかと思います。把握の対象に応じて適切な指標値を利用して比較に用います。

商品ごとの支持動向

図29 では、上位商品レベルでの新規契約顧客数がどの程度あったかを把握しています。このチャートを経時的に把握することによって、伸び悩む商品、勢いのある商品を把握することが可能となります。またここに表示しているデータの対象は新規顧客であるため、既存顧客、解約顧客とも比較することにより、全体の顧客基盤に対してどのような寄与をしているかを把握することが可能です。

そして、これを配下の商品別に分解したのが図30 です。より細かい商品ごとに把握していくことにより、上位商品レベル同様、伸び悩んでいる商品と、伸びの大きな商品を把握することが可能となります。

image.png

アプローチの方向性

言うまでもなく、伸び悩んでいる商品に関しては今後販売を強化する必要があります。但し、当然のことながら各商品の市場性は異なりますし、自社における各商品の位置づけも異なりますので、単純な商品の横並びだけで判断するべきでもありません。例えば、最初に総合口座を開いていただき、その後ニーズの変化に応じてローンや定期預金を追加でご契約いただくという戦略があるのであれば、総合口座の獲得数が今後のビジネスに大きな影響をあたえることになります。

また、急激に伸びた商品に関しては何がそうさせたのかを理解する必要があります。それを把握するためには、どのチャネルから流入した顧客が申し込みに至ったのか、どのような顧客属性を有しているのか等を把握することも一つの参考情報となります。ここでは 50歳代で区切っていますが、他の世代ではまた別の傾向が表れているかもしれません。従って、異なる顧客セグメントで比較することも必要です。

このような分析によって、今後力を入れるべき商品や、急激に需要が増加した商品を把握し、改善やビジネス機会への対応ポイントを明確にすることが可能となります。そしてこれによって、今後キャンペーンを実施していくポイントやその対象顧客、一方で商品やサービスの改善に努めなければならないポイントを特定します。

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