私が統計検定2級を受験したのは何年も前のことであり、まだペーパーテストの時代でした。そのため、この記事は最新の統計検定2級の試験には即していない部分があるかと思います。一方で統計検定2級をベンチマークとして勉強していくと統計学の基礎が必然的に固まっていくため、非常に良いベンチマークであると思っています。
この記事では私がどのように統計学を勉強し統計検定2級に合格、優秀成績賞を勝ち取れたのかを徒然なるままに書いていきたいと思います。
TR;DR
基礎力をつけたいのなら
-
ベルカーブの統計WEBをひたすらやる
-
2級試験の過去問演習は直前期だけで良い
統計学を勉強する必要性にせまられる
あれはM1の冬でした。実験結果をRで解析にかけ、P<0.05が出て喜んでいた時の事です。指導教官の先生から、「自由度は?」、「統計量は?」、「そもそもANOVAってなんなのか理解してる?」と質問攻めにされました。当時の私は統計学をさっぱり理解しておらず、Rでanova()
、glm()
、t.test()
などの関数を脳死で実行し、P<0.05という結果が出るか出ないのかという点だけを見ていました。もちろん、関数の中身は完全にブラックボックス状態で実行しています。先生からの質問に答えられるはずもありません。私がD進を決めていたこともあるでしょうが、統計学をきちんと勉強せよと先生からお叱りを受けました。
その時、渡された本がこちら。
今となっては非常に良い本で、わかりやすく書かれていると思いますが、当時の私には難しく、途中で読むのをやめてしまいました。
もう少しわかりやすい本はないものかと大学の図書館で本を漁っているとこの本に遭遇。
紙面のほとんどが絵で構成されていて、ビジュアル的に非常にわかりやすく、この本をとりあえずは読んでみることにしました。
一方で細かく読んでいくと詳細なロジックの解説については端折られ、いきなり「こうなる!」というような解説に頻繁に出会しました。わかりやすさを重視すると詳細部分については端折る必要があるのでしょう。こうした部分についてはネットで検索したり、図書館の蔵書をあたるなどして、情報を補いながら読み進めました。
統計検定と出会う
こうした、わかりやすい本というのはわかった気にさせるのが非常に多い上手く、私も例に漏れずわかった気にはなりました。ただ、本能のどこかでは「絶対わかってないな」とも思っていました。そうした中、「統計検定2級対応」や「統計検定」という文字が図書館の蔵書やネット記事からチラチラ目に入ってきました。
気になり「統計検定」を調べてみると統計検定という試験があり、2級がちょうど勉強したい統計学の基礎の部分に対応していることがわかりました。そこで、半年後の試験に照準を合わせ、統計学の勉強をしていくことを決めました。
本格的な統計学の勉強を開始
まず、購入したのが最新版の統計検定2級の過去問集。おそらく、統計検定2級に関しては統計学の基礎を理解していなくても、過去問集をやり込めば合格は可能でしょう。しかし、今回の目的はあくまで基礎の勉強であり、2級の試験は理解度チェックです。そのため、この段階ではどのような問題が出題されているのかを把握するためにチラチラ読むだけに留めました。
続いて、勉強に使用した教材ですが、ベルカーブの統計WEBを利用しました。
このサイトを3周すればかなりの基礎力が付きます。わかりやすい言葉で1から10まで丁寧に解説されています。また、章末問題も充実していて、かなり細かく理解度チェックができます。このクオリティーの教材が無料で公開されているのは非常にありがたいです。
2級では計算力も問われそうなことから、マセマの演習確率統計キャンパス・ゼミにも取り組みました。
こちらは、ベルカーブの統計WEBを2周目するところから開始。一方で、2級レベルに対してはオーバースペックではあるので、難しい問題などはスキップして一通り解きました。正直、この本はやらなくても良いかもしれません。
直前期(3週間前)
直前期はひたすら問題演習をするために、ベルカーブの統計WEBの章末問題をひたすら解きました。また、この時期から、過去問演習も開始。1週目では2級の出題形式に慣れていないこともあり、かなり間違えました。出題形式になれるという意味でも過去問演習は必須です。
終わりに
結果として、2級試験には合格し、優秀成績賞も受賞できました。この時、身に付いた基礎力のおかげで、D3でかなりクセのあるデータの解析(実験系が悪いという真っ当なツッコミはご容赦ください)もこなすことができ、論文化もできました。また、統計学の基礎力に対する自信が現職に応募する動機、アピールにもなったと思います。社会に出てからもベイズ統計に挑戦する基礎力になりました。皆さんも、統計学の基礎の勉強に2級を活用してみてはいかがでしょうか?
私も久しぶりに統計検定(準1級・1級)に挑戦し、基礎力の強化をしたいと思います。