はじめに
AppleサイトにおけるAudioUnitプラグイン開発の最新のサンプルはAudioUnitV3のサンプルのみとなっています。
AudioUnitV2のサンプルXcodeプロジェクトはここにありますが、2016年を最後にメンテナンスはされておらず、最新の環境(2021年9月現在)ではそのままでは動きません。
ここでは、AudioUnitEffectExample内のFilterDemoプロジェクト をXcode 12.5, Mac OSX 10.15の環境でビルドするための手順をメモしておきます。(BigSurやApple Sillicon環境では試せていません)
AudioUnitEffectExample\FilterDemo.xcodeprojを開いて下記の手順で修正します。
1. "error: implicit declaration of function 'verify_noerr' is invalid in C99" の修正
HighSierraからマクロがリネームされ、アンダーバーを二つ頭につける形になったようです。昔の名前を使うには、プリプロセッサー定義で"-D__ASSERT_MACROS_DEFINE_VERSIONS_WITHOUT_UNDERSCORES=1"を付加します。
FilterDemo, CocoaUIターゲットそれぞれについて"Build Settings"から下記のように設定してください。(実際のところ全てに設定しなくても良いかもしれませんが、どれが効いているかわからないので全部に設定しました)。
2. "'CADebugMacros.h' file not found" の修正
PublicUtilityフォルダにあるファイルのうちサンプルで使っているファイルがXcodeのプロジェクトに追加されていないのが原因です。PublicUtilityフォルダにあるファイルを全て選択してXcodeのPublicUtilityフォルダ以下にドラッグアンドドロップで追加します
3. ビルド&インストール
これでとりあえずビルドは通るようになりました。
Xcode上で、Products\Filter.componentを右クリックして、"Open in finder"でcomponentファイルのあるフォルダを開きます。
Filter.componentを下記のいずれかにコピーしてください。これでLogic等から読み込めるようになるはずです。
- ~Library/Audio/Plug-Ins/Components/
- /Library/Audio/Plug-Ins/Components