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逆離散フーリエ変換(IDFT)と実物理量

Last updated at Posted at 2020-08-16

今、一般的に周波数$f_k$の振幅と位相を$c_k \in Z$としよう。そんな連続時間信号は以下で表される。

x(t)= c_k e^{j 2 \pi f_k t }

これをいろいろな周波数$f_k$について足してみよう。

x(t)= \sum_k c_k e^{j 2 \pi f_k t }

次に離散化された系を考えてみよう。周波数$f_k$はある間隔($\Delta f$)の定数$k$倍とする。また時間領域は$\Delta t$で一定間隔でサンプリングする。よって、$f_k = k\Delta f$, $ t=n \Delta t$になるだろう。これを上式に代入する。

x(n \Delta t) \equiv x[n] = \sum_k c_k e^{j 2 \pi k \Delta f n \Delta t }

徐々にDFTの式に近づいてきた。$\Delta f, \Delta t$は任意の値として導入したものであるのだが、もう少し制約を設けてみよう。$k=1$, つまり周波数が$f = 1 \Delta f$の時、周期は$T_1 =1/\Delta f$になるが、$\Delta t$は, $T_1$を$N$分割した値と決めてみよう。つまり、

\Delta t = \frac{T_1}{N} = \frac{1}{\Delta f N}

これを代入してみよう。

x(n \Delta t) \equiv x[n] = \sum_k c_k e^{ \frac{j 2 \pi k n}{N} }

$\Delta f, \Delta t$は消えてしまったね。ほぼほぼIDFTの式だよね。

$k, n$の範囲には特に制限は設けていなかったけど、範囲の制限について考えてみよう。

FFT, IFFTでは周期的な関数を考えるから、$k=1$の一周期$T_1$におさまる範囲だけを考えよう。そうすると $n=0 ... N-1$の範囲に限定されるね。

$k$には制約があるかな?無限大の周波数 ($k=\infty$) まで行ける? $n=1$の時(つまりサンプル0の次のサンプル)での位相を考えみよう。$n=1$では位相は $2 \pi k / N $だ。$k=N$ とすると、1サンプル後に位相が$2\pi$進むから、一個前のサンプルと同じ値になるよね。これじゃ意味ないわ。ということで、$k=0...N-1$とするのが良さそう。(感覚的説明なのであしからず・・・。ちゃんとした理論はサンプリング定理等をみるべきだと思う)。

ということで、

x(n \Delta t) \equiv x[n] = \sum_{k=0}^{N-1} c_k e^{ \frac{j 2 \pi k n}{N} }, n=0...N-1

そして、物理量(時間$t$, 周波数$f$)と結びつけるのは、

\Delta t =  \frac{1}{\Delta f N}, ただし \Delta t > 0, \Delta f > 0, N : 自然数

の関係だね。上記のうち登場する量は3つだけど、式は一つ。つまり、3つの量のうち、2つは任意に決められて、残り1つは他の2つから決まる、という関係と条件だね。

  • $N=1000$, $\Delta f=100$Hzとするなら$\Delta t=1/100000$sec = 10us.
  • $N=100$, $\Delta t=1$msecとするなら$\Delta t=10$Hz
  • $\Delta t=10$msec, $\Delta f=10$Hzとするなら、$N=10$.

通常コンピュータでの計算はIFFT等は無次元量で計算されるんだけど、それを実物理量に結びつける時には、上記の関係を使うよ。

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