はじめに
最近Unityでアプリ作成を進めているのですが、非同期処理時に脳死でasync/awaitを使っていました。
しかし、他の方のコードを見ているとasync/awaitの代わりにUniTaskを見かけることが多く、気になったため今回はUniTaskについて勉強のついでに記事にまとめてみようと思います。
UniTaskとは
UniTaskとは Unityにて、非同期処理をシンプルに書けるようにするためのライブラリです。 非同期処理とは、例えば処理A→処理B→処理Cという形でコードが書かれている時に、処理A→処理Cというように途中の処理Bが終わるのを待たずに処理Cが実行されるような処理のことを言います。
メリット
Unitaskのメリットについては、以下のような点が挙げられます。
・シンプルで軽量
Unitaskは、非同期プログラミングをシンプルにするライブラリです。従来のTaskやasync/awaitの構造をより簡潔にし、エラー処理やスレッド管理を扱う必要が少なくなります。これにより、コードが軽量で読みやすくなります。
・パフォーマンス向上
Unitaskは、標準のTaskクラスよりもオーバーヘッドが少なく、パフォーマンスの向上が期待できます。特に、頻繁に非同期操作を行う場合や小さな非同期操作を多く扱う場面で有利です。
・メモリ消費の削減
Taskは、スレッドやメモリリソースを多く消費することがありますが、Unitaskはこれらのリソースを効率的に使用し、メモリの消費を抑えることができます。
・エラーハンドリングの簡易化
Unitaskは非同期処理のエラーハンドリングをシンプルにし、try/catchを使うことで直感的にエラーを処理できます。これにより、エラーチェックやデバッグが容易になります。
・ユースケースに適した非同期処理
単純な非同期処理や、非常に軽量な非同期操作が求められる場合に特に有効です。例えば、Webリクエストや非同期I/O操作、UIスレッドをブロックしない操作などに適しています。
これらの利点を活かすことで、効率的に非同期処理を行いたい場合にUnitaskは非常に有用なツールとなります。
Unitaskの使用例(async/awaitとの違いを交えて)
基本的なUnitaskを使った非同期処理の例をasync/awaitと比較しながら紹介します。
実際の使用例
using System;
using Cysharp.Threading.Tasks;
class Program
{
static async UniTask Main(string[] args)
{
Console.WriteLine("プログラム開始");
// 非同期処理を実行
await SimulateAsyncOperation();
Console.WriteLine("プログラム終了");
}
// 非同期の操作をシミュレートするメソッド
static async UniTask SimulateAsyncOperation()
{
Console.WriteLine("非同期操作開始");
// 2秒待機(非同期操作)
await UniTask.Delay(2000);
Console.WriteLine("非同期操作完了");
}
}
メモリ消費とパフォーマンス
async/await
-
C#の標準的な非同期機能は、Taskを使用します。
Task
は比較的重いオブジェクトで、非同期タスクを管理するためにスレッドの状態などを保持します。そのため、少しのオーバーヘッドが発生します。
UniTask
-
UniTaskは、Taskよりもメモリ消費が少なく、特に頻繁に非同期操作を行う場合や軽量な非同期操作が多い場合に優れたパフォーマンスを発揮します。
Unityなどのリソースが限られた環境では、特に重要です。
実行速度
async/await
-
Task
を使用した非同期処理は、メモリ管理やスレッドの切り替えなどにオーバーヘッドがかかるため、少し遅くなることがあります。
UniTask
-
UniTask
は、Task
のようにスレッドを切り替えるオーバーヘッドがなく、非常に軽量で高速です。
特に短時間で多数の非同期処理を扱う際に、パフォーマンスの向上が見込めます。
非同期処理のオーバーヘッド
async/await
-
Task
を使用した場合、非同期メソッドの呼び出しや結果の待機の際に少し大きなオーバーヘッドがあります。
特に、頻繁に呼び出す非同期メソッドがある場合、そのオーバーヘッドが顕著になります。
UniTask
-
UniTask
は、これらのオーバーヘッドを減らすように設計されており、より効率的に非同期処理を行えます。
特に小さなタスクや軽量な非同期処理においては、Task
よりも優れたパフォーマンスを発揮します。
エラーハンドリング
async/await
-
async/await
では、通常のtry-catch
構文を使ってエラーハンドリングを行います。
非同期メソッド内で例外が発生すると、await
で待機している側にその例外が伝播します。
try
{
await Task.Delay(2000);
}
catch (Exception ex)
{
Console.WriteLine($"エラー発生: {ex.Message}");
}
まとめ
async/await
-
標準的な非同期処理の方法として広く使われています。
async/await
は、C#の標準的な非同期処理の方法であり、最も広く使われている方法です。 -
特に、パフォーマンスが重要でない場合や、通常の非同期タスクを扱う場面では十分に有効です。
パフォーマンスを重視する必要がない場合や、標準的な非同期処理を行いたい場合に最適です。 -
C#の標準ライブラリで利用できるため、特別なライブラリをインストールする必要がありません。
追加のパッケージをインストールせずに、C#標準の機能として利用できます。
UniTask
-
特にリソースが限られた環境(例: Unity)での使用が推奨されます。
Unityなどのリソースが限られた環境や、モバイルアプリケーションでの使用に適しています。 -
非同期処理が非常に多いアプリケーションでパフォーマンスを重視する場合に適しています。
数多くの非同期タスクを処理する必要がある場合、UniTask
はパフォーマンスを向上させる選択肢です。 -
Taskよりも軽量で高速、特に小さな非同期処理を大量に実行する場合に効果を発揮します。
Task
よりもメモリ消費が少なく、高速に動作します。特に多数の小さな非同期タスクを効率的に処理できます。
最後に
社内では僕以外にUnityを触るエンジニアが少ないため、async/awaitの代わりとなるものがあるとは知りませんでした。
まとめてみた感じ基本的にはUniTaskを使った方がいい気がしますが、どうなんでしょう?詳しい方がいたら教えていただきたいです🙇
最後にこの記事がこれからUnityを勉強する方の一助になれば幸いです。