8
12

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

More than 1 year has passed since last update.

【個人開発】独学 + 職業訓練校でプログラミングを学び、ブックマークサービスを作りました。

Last updated at Posted at 2021-11-09

1. はじめに

シンプルを追求したブックマークサービス「5Keeps」(ファイブキープス)を作りました。
5Keeps_ogp_jp.png
2020年11月に未経験からプログラミングの学習を開始して、あっという間に1年が過ぎ去り、ようやく自作アプリのリリースにこぎつけました。この記事では、前半に開発したサービスについて解説し、後半に1年間の学習の過程をまとめています。

2. サービスについて

2-1. サービス概要

解決したい課題

プログラミング学習の環境は、時間や場所によって様々です。私の場合、家やカフェではMacbook、学校ではWindows、電車ではスマホを使ってます。最初はブラウザのブックマーク機能を活用してましたが、以下の課題を感じました。

  • ブックマークが増えすぎて、今必要な情報にすぐアクセスできない。
  • ブックマークの整理が大変。

そこで、これらの課題を解決するブックマークサービスを、自作アプリの題材に選びました。

解決方法

以下のように機能を制限し、「今」必要な情報だけを、「分かりやすく」保存できる仕様にすることで、課題を解決しています。

  • グループを5つまで作成できる。
  • リンクをグループ毎に5つまで作成できる。
  • リンクには必ずタイトルをつける。

2-2. 使い方(お試し用)

1. 言語を選択し、「まずはお試し」ボタンからゲストページに移動

  • 会員登録をすると、作成したブックマークを保持できます。
    select_lang.gif

2. グループを作成

  • 「ホーム」からグループを作成できます。
    create_group.gif

3. グループを選択し、リンクを作成

  • 「ホーム」では全てのリンクが更新順に表示され、検索も可能です。
    create_link.gif

2-3. 機能一覧

ユーザー関係
・ユーザーの作成、編集、削除
・ユーザー認証(ログインの保持を選択可)
・メールを使用したアカウント有効化
・メールを使用したパスワード再設定
・ゲストログイン機能(詳細は後述)

グループ関係
・グループの作成、表示、編集、削除(非同期通信)

リンク関係
・リンクの作成、表示、編集、削除(非同期通信)
・URLから、リンク先WebサイトのOGP情報を取得・表示(RubyのNokogiri gemを使用)
・検索機能

その他
・お問い合わせ機能(Gmailを使用)
・言語切り替え機能(日本語/ 英語)


2-4. ゲストログイン機能について

様々な実装方法があると思いますので、別途詳細をまとめました。

1. usersテーブルにboolean型の「guest属性」を追加

db/migrate/xxxx_add_guest_to_users.rb
class AddGuestToUsers < ActiveRecord::Migration[6.1]
  def change
    add_column :users, :guest, :boolean, default: false
  end
end

2. ゲストページ用のルーティングを追加

config/routes.rb
post '/guest', to:'users#create_guest'
get  '/guest', to:'static_pages#guest'

3. usersコントローラーにcreate_guestアクションを作成

app/controllers/users_controller.rb
  # POST /guest
  # 現在のユーザーがゲスト => ゲストページにリダイレクト
  # 現在のユーザーがいない => 新たにゲストを作成 (emailのアカウント名/passwordはランダムな英数字)
  def create_guest
    if current_user && current_user.guest?
      redirect_to guest_path
    else
      user = User.create(name: "Guest User",
                        email: SecureRandom.alphanumeric(15) + "@guest.com",
                     password: SecureRandom.alphanumeric(10),
                        guest: 1)
      log_in user
      flash[:success] = t('.flash.success')
      redirect_to guest_path
    end
  end

4. static_pagesコントローラーにguestアクションを作成

app/controllers/static_pages_controller.rb
  # GET /guest
  # 現在のユーザーが「nilである」または「guestではない」=> ルートにリダイレクト
  def guest    
    redirect_to root_url if !current_user || !current_user.guest?
  end

5. ゲストユーザーを定期的に削除
Herokuのschedulerアドオンを利用し、以下のrakeタスクを1日1回、日本時間1時AMに実行してます。

lib/tasks/scheduler.rake
desc "This task is called by the Heroku scheduler add-on"
task :delete_all_guests => :environment do
  puts "Updating guests..."
  # 1日より前に作成されたゲストユーザーを全て削除
  User.where(guest: :true).where("created_at < ?", 1.day.ago).destroy_all
  puts "done."
end

参考:http://railscasts.com/episodes/393-guest-user-record?view=asciicast


2-5. 使用技術一覧

バックエンド
・Ruby 2.6.3
・Ruby on Rails 6.1.4

フロントエンド
・Sass
・Vanilla JS

データベース
・MySQL 8.0

インフラ
・Heroku

テスト
・Minitest


2-6. ER図

5keeps_er_diagram.png


2-7. 今後やりたいこと

機能面
・スマホ画面でのUI・UXを改善する。
・非同期通信時の処理速度をあげる。
・ソーシャルログイン機能を実装する。
・レスポンシブ対応を細分化する。(現状だとPC/ Mobileの2パターン)

技術面
・RSpecでテストを書き換える。
・開発環境でDockerを導入する。
・インフラをHerokuからAWSに変更する。
・APIモードでシステムを作り変えてみる。

3. アプリ完成までの道のり

3-1. 学習開始(2020年11月〜2021年1月)

Progateとドットインストールを用いて、HTML、CSS、JavaScript、Ruby、SQL、UNIXコマンド、Git、Railsの基礎を学びました。JavaScriptのforEach()が中々理解できず苦戦したことや、始めてターミナル上でUNIXコマンドを叩いた時、想像していたプログラマー像を彷彿とさせる作業に興奮したことを、覚えています。

3-2. 苦しみつつ継続(2021年2月〜5月)

Railsチュートリアルに突入しましたが、第1章から大きくつまづきました。どうやってもHerokuにデプロイできず、泣きそうになりながらググりまくり、何とか解決しました。今思えば良い経験になったと思います。その後は、難しすぎて離脱→別途学習→復帰を繰り返しながら、少しずつ進め、6月に職業訓練校に入学するまでに、10章まで完了させました。(理解度は6割程度だったと思います。)

3-3. オブジェクト指向への理解が深まる(2021年6月〜8月)

学校では、Java→ HTML/CSS→ JavaScript→ Servlet/JSP→ SQL→ Linux→ Gitの順で授業が進みました。放課後や週末の学習では、Progate、ドットインストールも活用し、一旦Javaに集中しました。

JavaはRubyと違い、様々なことを明示的に指定します。例えばメソッドを作る時、 戻り値はある?引数はある?それぞれ型は何なの? などを明確にします。そんなJavaを使って、授業の中で何度も、クラスやインターフェース、メソッドを作ったおかげで、引数とは?戻り値とは?インスタンス変数とは?コンストラクタとは?アクセッサとは?継承とは?などを身体で理解し、プログラミング全体やオブジェクト指向への理解が深まりました。

Javaの学習がある程度落ち着いてから、Railsチュートリアルを再開し、全14章を完走しました。そしてついに、人生初の自作アプリ「5Keeps」の実装を始めました。

3-4. CRUD処理やデータベースへの理解が深まる(2021年9月)

学校では9月末の1回目の発表会に向けて、制作期間に入りました。授業は午前中のみで、午後は制作の時間です。この期間は、「5Keeps」の開発を、2つの方法で進めました。学校ではServlet/JSP、放課後や週末はRailsです。

Servletとは、JavaでWeb開発をするための、基本的なプログラムです。Servlet単体ではMVCのControllerを担当し、Viewを担当するJSP(Rubyで言うERBのようなもの)と連携して、Webページを動的に生成します。

Java Servlet(ジャバ サーブレット)とは、サーバ上でウェブページなどを動的に生成したりデータ処理を行うために、Javaで作成されたプログラム及びその仕様である。
引用:Wikipedia ( https://ja.wikipedia.org/wiki/Java_Servlet

JavaServer Pages (JSP) は、HTML内にJavaのコードを埋め込んでおき、Webサーバで動的にWebページを生成してクライアントに返す技術のこと。
引用:Wikipedia ( https://ja.wikipedia.org/wiki/JavaServer_Pages )

Servlet/ JSPはフレームワークではないので、RubyのフレームワークであるRailsやJavaのフレームワークであるSpring Bootと比べると、手動でやらなければならないことが多いです。大変ですがその分学びが多く、特に以下の2点はその後の開発に大きく役立っています。

CRUD処理の流れが身体に染み付く
Servletは、リクエストの種類に応じて、呼び出すメソッドが変わります。GETリクエストでdoGet()が呼び出され、POSTリクエストでdoPost()が呼び出されます。Servlet/ JSPで開発を進める中で、リクエストの種類によって処理を使い分ける作業を、何度も繰り返しました。そのおかげで、CRUD処理の流れが身体に染み付きました。典型的な例は以下の通りです。
doGet():URLパラメータの値を取得/ データベースから値を取得→JSPで表示
doPost():フォームに入力された値を取得→データベースを更新→doGet()にリダイレクト

データベースを強く意識
Railsチュートリアル一周目では、ORマッパーである Active Recordを何となく使い、データベースのことをあまり意識できてなかったです。Servletを使った開発では、データベースとの接続を手動でおこない、生のSQLを沢山書き、データを追加するたびに「MySQL Workbench」で確認する作業を繰り返しました。そのおかげで、Railsを使ったアプリ開発においても、データベースを強く意識できるようになりました。

3-5. ググりながら実装(2021年10月)

Servlet/ JSP版「5Keeps」の発表が無事に終わり、学校では最後の大きなトピックとして、Javaのフレームワーク「Spring Boot」を学習しました。Railsと比較しながら学ぶことで、フレームワークとは?O/Rマッパーとは?パッケージ管理とは?などの理解が深まりました。

一方Rails版「5Keeps」は、ユーザー認証等、ベースとなる機能の実装が完了し、グループ・リンク関係機能の実装に突入しました。ここからは、Railsチュートリアルの枠を越えた未知の領域です。最初は不安でしたが、日本語記事はもちろん、時には英語で調べながら、1つ1つ機能を実装していきました。ググりながら実装していく中で、自力で問題を解決していく力が身についたと思います。

大変だったこと【非同期通信】
グループとリンクの作成・表示・編集・削除を全て非同期通信で行うことで、UXの向上を図ってますが、新たに追加した要素にイベントを追加するなど、RailsとJavaScriptの連携に苦労しました。

こだわったこと【OGP情報の取得】
アプリの機能がシンプルな分、デザイン面での寂しさがありました。それを改善するため、RubyのNokogiri gemを利用して、URLからリンク先WebサイトのOGP情報を取得しています。Webスクレイピングは未知の技術でしたが、いくつかの記事を参考にし、始めてOGP画像を取得できた時は、とてもテンションが上がりました。
参考:https://zenn.dev/arao99/articles/40cde7168279f899d0f5

3-6. ついにリリース!(2021年11月5日)

リリース直前まで、iOS特有の問題(ボタンの色や形が変わる等)を解決したり、学校の講師から「何のアプリなのかわかりずらい」と指摘を受けて、トップページに「使い方」を追加したりバタバタしましたが、11/5にTwitter上でリリースを発表することができました。

3-7. 職業訓練校という選択肢(余談)

プログラミングの学習を始めた当初は、会社員として働きながら、出勤前後や週末を使って学習をしていましたが、仕事との両立が難しく、思うように進みませんでした。一旦会社を辞めるべきか悩んでいる時に、職業訓練校のことを知り、応募することにしました。無事合格し、実際に受講してますが、入学して本当によかったと思ってます。理由は以下の通りです。

  • 訓練校の期間中は失業手当を受給できるので、勉強に集中できる。
  • 講師に質問や相談ができるので、挫折することなく学習を進められる。
  • 「学校」という場所があることで、モチベーションを維持しやすい。

独学に限界を感じているが、金銭的にスクールに通うのが厳しいという初学者の方には、職業訓練校という選択肢もありだと思います。

4. さいごに

未経験から1年間プログラミングを学びましたが、正直最初は甘くみていました。プログラミングは難しいです。ひとつ壁を乗り越えたと思ったら、更に巨大な壁が現れます。とはいえ、コツコツ学習を続ける中で、少しずつできることが増え、その分楽しさが増していきました。
「5Keeps」をいったんリリースできましたが、完成ではないです。今後も改善を続けて、どんどん良いサービスにしていきます。
まだまだ学びたいことが沢山あるので、まずはエンジニア就職を成功させ、経験を重ねつつ、今後も技術を磨いていきたいと思います。日々の学びをTwitterで発信してるので、もしよければ覗いてみてください。(https://twitter.com/hayasakadaichi)

8
12
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
8
12

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?