この記事はWHITEPLUS Advent Calendar 2016 11日目になります。
自己紹介
- こんにちは。株式会社ホワイトプラス、デザイナーの @hayaoo です。
- ホワイトプラスでは主にお客様が触れる接点全てを、デザインからフロントエンドまで広く担当しています。
- とりあえず新しいことが好き、です。
デザインスプリントがテーマです。
知ってますか?
2015年の春頃に、ITデザイナー界隈でバズっていました。(僕の周りだけかも)
2015年春、デザインスプリント凱旋
デザインスプリントってなんだ
GV(元GoogleVentures)が提唱する開発方式で、開発前のモックアップ段階でテストする5日間のスプリントです。リーン開発よりも高速にフィードバックを得られるため、早いのがメリット。
下記5日間を1周のスプリントとし、2〜3周回してローンチします。
- DAY1「UNDERSTAND」
- DAY2「SKETCH」
- DAY3「DECIDE」
- DAY4「PROTOTYPE」
- DAY5「TEST」
また、全てのGVの投資先にデザインスプリントを導入してるそうで、投資先がイケてます。
- UBER
- slack
- Medium
- BLUE BOTTLE
- nest
- stripe
結果、
またたく間に広まり、こぞって体験会が開かれました。
すごい!やろう!→やった。
天下のGoogleだし、投資先イケてるし、やろう。→やった。
- 方法は手探り。
- 時間はそんなにかけれないので、本来の1日×5日間かけるものを2時間×5日(2週間にまたがって)実施。
- それを2周+最後にモックの精度をあげたものでもう1周。
- GVによるデザインスプリント英語版を読み解くのが辛かったため、Takaaki Umada氏の解説が最も参考になりました。ありがとうございます。
- 簡単な説明は下記。
DAY1「UNDERSTAND」
- 課題とメンバーを理解するフェーズ。
- 社長含め、管理部を除く全部署代表1人ずつ。計7人で実施しました。
- 多方向から考えられるので、まさに文殊の知恵。
DAY2「SKETCH」
- 解決案をその場で各自考えます。
- 特に盛り上がるのが「クレイジーエイト(Crazy8)」
- A4用紙を8等分に折り、1マスにアイデアを記載し、8マスを5分で埋めます。つまり1枚40秒で!限られた時間でアイデアを出すことでフロー状態に入り、良いアイデアが浮かぶそうです。
- 最終的に、A4の紙に「StoryBoad」(下記写真)を描き、壁に掲載。
- 一人2票持ち、無言投票します。
残りは猛スピードで。
DAY3「DECIDE」試すアイデアを決め、ストーリーを描きます。
DAY4「PROTOTYPE」プロトタイプをデザイナー中心に作成。
DAY5「TEST」今回はデザインスプリントに参加してない、社内の人に観てもらうことに。
やってみて思ったこと
- 楽しかった。
- 限られた時間でアイデアを出すのは刺激的。
- でも時間かかり過ぎじゃないか
- ベンチャーだったらもっと早く終えられる。
結果、継続はせず。。
時は経ち、2016年冬。
とあるデザイナーの声「デザインスプリントで作ったものは、誰も作り直そうって言い出さないね」
気付いた。それがすごさだった。
1年後しで気付いた、3つのメリット
1)課題解決力が高くなる。
- 必要な人が、まとまった時間で一度に集まることで、多面的な議論を行えた。
- 時間制限をかけることで、強制的にフロー状態に入り、深い課題を解決できた。
2)チームとしての一体感が醸成される。
- アイスブレイクが最初のステップに組み込まれているから、開始しやすい。
- 共通のコトに向かって、一緒にフロー状態に入ることで生まれる、一体感。
- 1周で終わらないスプリントが、チームで動くことの成功体験を生み出す。
3)長い目で見たら、早く出来る。
- 多面的で深い課題解決によって、作り直す必要性が低くなる。
- 細部を詰めきれてないと、それを解決するための時間を設けることになるが、それが発生しづらい。
- 成功体験を一緒に得てるから、味方が増える。作ったものを大事にする。愛あるものを作りやすい。
- 仕様をしっかり決められるから、作り手から見ても手戻りは一切ない。
待望の日本語訳『デザインスプリント』が2016/11/26に刊行!
この1年で進化したデザインスプリントの詳細と、「こんな時どうする?」まで記載されてる良書。
※オライリーから出版された翻訳本なので言い回しが読みづらいのと、誤植があることはご愛嬌。
特に刺さった言葉を抜粋。
明らかに失敗するパターンとして典型的なのは、自己否定が出来ない参加者がプロジェクト全体を通して意見を通してしまうパターンです。アイデアの収束を投票ではなくブレインストーミングやチームディスカッションに委ねてしまうチームは、声の大きい(権限が強い)人に左右されてしまい、新しい発見や道の可能性を採用する事は少ないです。
「声の大きい」という言い回しではイメージしづらいですが、デザイナー目線で言えば、信頼する人の良い意見だったり、角の立つ批判の言葉は、影響を受けてしまいます。
その点、無言投票であれば、一切の発声を禁ずるので、純粋にアイデアを評価できるようになります。
最後にもう1つ抜粋。
(前略)目的が無くなんとなく新しい手法を導入してみたい、体験してみたい、という気持ちでデザインスプリントを行っているチームは総じて、その後につながらないことが散見されます。学習目的のセミナー形式や、プロセス体験目的のワークショップ形式では、デザインスプリントの本来の価値、つまり『実際の課題に対して解決策を考えプロトタイプを作り、対象者からの意見を拾う』という部分を肌荒で体感することができず、(中略)結果的に普段と変わらないという事も多くみました。
コトに向かい、その結果に対して、意見を拾う。
これがデザインスプリントです。
いかがでしたか?
さすがGoogle。
デザインスプリントをもう一度!
明日は弊社エンジニア @kai.zoa の「Goのコンパイルを遅くしないためにやっていること」です。
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