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コスト透明性プラットフォーム Vantage のアップデートまとめ Jul - Nov 2023

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Vantage とは

Vantage は マルチクラウドに対応したクラウドコスト管理のためのプラットフォーム (SaaS) です。ドキュメントなどでは Cloud cost transparency platform と表現されています。クラウドサービス使用料の管理をシンプルにし、料金の予測や今月はどのリソースにいくらかかったか、どのリソースの利用が多かったかなど、支出状況を簡単に把握できます。

3 大クラウドの AWS, Azure, Google Cloud の他、Snowflake や Datadog, New Relic などの複数の SaaS にも対応し、対応サービスも順次増えています。これらのサービスのコストを 1 つのレポートで確認できるのが大きな魅力です。

Vantage は日々機能拡張され使いやすくなっています。本記事では 2023 年 7 月から 11 月までの主要なアップデートをまとめました。

July 2023

多次元レポートのサポート

Vantage のメイン機能である Cost Report で複数のディメンションでコストをグループ化できるようになりました。これまで単一条件でしかグループ化できませんでしたが、最大 3 つまでグループ化できます。

例えばアカウントとサービスでグループ化すると、どのアカウントのどのサービスでコストがかかっているかが簡単に分析できます。

AWS Cost Explorer はコンソールだと1つまでしかグループ化できないし、API でも 2 つまでという制限があるので、めちゃくちゃ便利です。

アカウント、サービス、リソースでグループ化した例

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Datadog のコストタグをサポート

Datadog の Usage Attribution tags を取り込み、Vantage の Cost Report 上でタグとしてフィルタリングできるようになりました。

Augast 2023

予算アラートが設定可能に

もともと各 Cost Report に対して予算を割り当てることができていましたが、しきい値を超えた場合に通知ができるようになりました。

予算に対するしきい値 (%) を指定し、メールアドレスや Slack チャンネルに通知できます。オプションで月の始まり or 終わりの特定期間に超過した場合にのみ送付する設定も可能です。

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ダッシュボード機能

複数の任意の Cost Report を登録したダッシュボードを自由に作れるようになりました。例えば部門やチーム単位のダッシュボードなどを簡単につくれます。

ダッシュボードに登録したすべての Cost Report に対して日付範囲と期間フィルターを適用して分析できるのが便利です。

比較レポートが利用可能に

Cost Rerpot に含まれるコスト表を日別、週別、月別で表示できるようになりました。

過去半年のコストを月別に表示した例:

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コスト異常検知に対するしきい値設定が可能に

以前からコスト異常検知機能および通知機能は提供していましたが、例えば $500 以上の異常検知のみを通知するなど、ユーザー側でしきい値を設定できるようになりました。

Oracle Cloud Infrastructure (OCI) をサポート

Vantage に Oracle Cloud Infrastructure (OCI) のコストを取り込めるようになりました!

September 2023

Write API の提供

以前から Cost Report のコスト情報を参照するための API を提供していましたが、Cost Report やダッシュボード、フィルターなどが API 経由で作成もできるようになりました。

Cost Rerpot に対し、注釈を入力可能に

コスト状況に変化があった際に、コメントを残すといったことができます。

注釈コメントは Vantage の Issue 機能で自動でチケット登録もされます。

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FinOps as Code

Vantage Terraform Provider がリリースされ、Cost Report 等の定義を IaC で管理できるようになりました。

October 2023

Resource Report の Export ができるように

リソース レポートからリソースのリストを CSV 型式でダウンロードできるようになりました。

Vantage は EC2 インスタンスや S3 バケットなどのリソース単位で料金を参照することができます。これは Vantage がリソースのインベントリとしても機能することを意味します。

Resource Report は以前から提供されていた機能で、Cost Report と同様に独自のレポートを作成し、リソースごとの料金を簡単に確認できる機能です。

Azure で Active Resources が利用可能に

現在料金が発生しているアクティブな Azure リソースのみを表示し、Resource Report を作成できるようになりました。

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Nobember 2023

チームベースのアクセス制御が可能に

Vantage は Wokrspace の分離が可能で、以前は作成した Team を Workspace に割り当てることしかできませんでした。アップデートにより、同一 Workspace 内の Cost Report、Folder、Resource レポートに対して、Team の割り当てが可能になり、より細やかな権限制御ができるようになりました。

チームベースのアクセス制御はエンタープライズプラン向けの機能です。

Confluent Cloud のサポート

Vantage に Confluent Cloud のコストを取り込めるようになりました!

SSO 認証で自動チーム割り当てが可能に

IdP から渡されたグループ情報に基づいてユーザーを自動的に Vantage 上の Team に登録/削除ができるようになりました。

SSO 機能はエンタープライズプラン向けの機能です。

AWS re:Invent 2023 に出展するらしい

です。現地参加予定の方でもし興味があればブースを訪ねてはどうでしょうか。

私が所属する会社でも 2022 年の秋頃よりクラウドコスト管理に Vantage を活用しています。コスト削減や FinOps に取り組んでいる方々に Vantage の魅力が伝わればと思いますし、あわよくば情報交換させてください!

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