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データベース

Last updated at Posted at 2022-09-10

データベースとは

データベース(DB:Data Base)

「データの基地」→使用するデータを管理

データモデル

データベースを設計するとき: 実世界のデータの集まり → データベースで利用できるように整理

  • 種類
    • 階層モデル(木構造)
    • ネットワークモデル(網状)
    • 関係モデル(2次元の表)

関係モデル

データの関係を数学モデルで表現したもの → これをコンピュータに実装=関係データベース
<関係モデルと関係データベースの対応表>

関係モデル 関係データベース
関係 Relation 表・テーブル
属性 Attribute 列・項目・カラム
タプル(組) Tuple 行・レコード
定義域 Domain 整数型・文字列型

* 定義域 : = データ型

関係データベース(リレーショナルデータベース)

「表」でデータを管理するデータベース
関係データベース.jpg

表(テーブル) 複数のデータを入れる場所
行(レコード) 1件分のデータ
列(カラム) データの項目

 複数の表を「列の値」で関係づけて管理

スキーマ(概要)

データ自体・データ間の関係を定義 → スキーマを使ってDBの構造を定義
→ コンピュータにデータベースを実装するため

※ 3層スキーマ : 「外部・概念・内部スキーマ」に分けて定義
→同じデータベースを視点の違いで定義
スキーマ.jpg

データベース管理システム(DBMS:Data Base Manegement System)

データベースを管理するソフトウェア(データの追加/検索/更新/削除...)

 * 再編成

  1. DBの変更操作が繰り返す
  2. データの物理的な格納位置が不規則になる、削除領域が使えなくなる
  3. これを修復して、アクセス性能を向上させること

データベースの設計

対象を分析するとき、まずはE-R図を使う。→ E-R図をもとに表を設計

E-R図

実体(人・物・場所)と実体同士の関連を表した図
→ 実体:エンティティ(Entity)
→ 実体同士の関連:リレーションシップ(Relationship)
→ 矢印の有無・方向で関連を示す

(社員100人の会社をER図化)
実体:社員・会社
関連:所属
ER図.jpg

表の設計

「主キー&外部キー」検討 → データの正規化

主キー & 外部キー

表同士に関係を持たせる・データを特定するための鍵

主キー(Primary Key)

表中の行を特定する列
(特徴)
一意制約:主キーの値が同じ行はない
非NULL制約:必ず値が存在する

外部キー(Foreign Key)

他の表の主キーを参照してる列
(特徴)
参照制約:データに変更があった時、参照に矛盾がないようにする
→ 外部キーによって参照されてる行は削除できない
主キー_外部キー.jpg
※ リレーション: 表同士を関連づけること
※ インデックス: データの場所を示したもの

  • 大量のデータから検索するときの検索項目
    • インデックスにした場合
      • 検索時間 短い一定した時間内に収まる
      • データ追加/削除 多い → インデックスの更新もあるので、処理時間は遅くなる

データの正規化

データが重複しないように、表を分けること
(正規化の手順)
非正規形 → 第1正規形 → 第2正規形 → 第3正規形
(受注伝票)
受注伝票.jpg

非正規形

正規化されていない表
非正規形.jpg

第1正規形

  1. 繰り返し項目を分割
  2. 主キーを見つける
  3. 表同士の関係づけをする
    第1正規形.jpg
    * 受注伝票は複数ある
    → 受注番号だけでは一意に決まらない
    → 「商品コード」も主キーに
    複合主キー : 複数の列を組み合わせて、主キーにする

第2正規形

  1. 主キーの片方で決まる項目を分割
    第2正規形.jpg

第3正規形

  1. 主キー以外の項目で決まる項目を分割
  2. 計算で求められる項目を消す
    第3正規形.jpg

完全関係従属:主キーによって、項目が決まる
推移的関係従属: 主キー以外の項目によって、項目が決まる

トランザクション処理

データベースの処理のかたまり
→ データの更新処理:トランザクション単位で行う

ACID特性 : トランザクションに求められる4つのこと

原子性(Atomicity) トランザクション処理:「全て実行」or「全く実行せず」で終了
一貫性(Consistency) データベースの内容に矛盾がないこと
独立性(Isolation) トランザクション「複数」or「一つ」で実行→処理結果は同じ
耐久性(Durability) トランザクション正常終了→更新結果は消えない

排他制御

データ更新中:他のトランザクションから更新されないようにする=アクセスをロック(排除)
→ 目的:データの不整合を防ぐ

(ロックしない状態)
排他制御.jpg

⑴ トランザクション①:在庫数アクセス(在庫数:100個)
⑵ トランザクション②:在庫数アクセス(在庫数:100個)
⑶ トランザクション①:データ更新処理(在庫数:100 - 20 = 80個)
⑷ トランザクション②:データ更新処理(在庫数:100 - 30 = 70個)
* 在庫数 70個(本来50個でないといけない)
→ 不整合が生じている

(ロックした状態)
排他制御_ロックあり.jpg

⑴ トランザクション①:在庫数アクセス(在庫数:100個)→ 他トランザクションからのアクセスをロック
⑵ トランザクション②:在庫数アクセスロック状態なので待ち状態になる
⑶ トランザクション①:データ更新処理(在庫数:100 - 20 = 80個)→ ロックを解除する
⑷ トランザクション②:在庫数アクセス(在庫数:80個)→ アクセスをロック
⑸ トランザクション②:データ更新処理(在庫数:80 - 30 = 50個) → ロックを解除する

共有ロック & 専有ロック

共有ロック

データを読み取る時に使う
→ 他のトランザクション:データを読み取れる・更新できない

専有ロック

データを更新する時に使う
→ 他のトランザクション:データを読み込めない・更新できない

ロックの粒度(範囲)

・ ロックの粒度を大きくする(ロック範囲大):他トランザクションの待ち状態が多くなる
→ 全体のスループット低下
・ ロックの粒度を小さくする(行単位でロック):待ち状態が少なくなる↔︎管理するロック数が増える
→ DBMSのメモリ使用:増加

デットロック

複数のトランザクション : お互いに相手が使いたいデータをロック
お互いがロック待ち状態
→ (デットロックを解消する方法)片方のトランザクションをロールバック

2相コミットメント

分散型データベース:物理的に別れている複数のデータベース→見かけ上1つのデータベースとして扱えるシステム
分散型データベース.jpg
(2相コミットメントの仕組み)
2相コミットメントjpg.jpg
* 2相コミットメント
→ コミット or ロールバックの確認
アクセスの透過性: 使う資源が遠い or 近い どちらでも、利用者は気にせずアクセスできること

データベースの障害回復

障害回復で使うファイル

フルバックアップファイル:DBの全データをバックアップ
ログファイル(ジャーナルファイル):DBの更新記録
更新前ジャーナル:更新前の状態を記録
更新後ジャーナル:更新後の状態を記録

障害回復する処理

ロールフォワード

(データベースのハードウェアなどの障害時)
ロールフォワード.jpg
フルバックアップファイル更新後ログファイル
→ DB復旧

ロールバック

(トランザクション処理中 → 障害発生)
 ロールバック.jpg
更新前ログファイル → DB復旧(トランザクションを無効にする)

チェックポイント

(DBMS:トランザクション → DB反映までの流れ)

  1. トランザクションがコミット
  2. 更新情報 → メモリ上の「バッファ」「ログファイル」に書き出す
  3. 「チェックポイント」のタイミング:「バッファ」 → 「DB」 まとめて更新                                                                           

* システム障害:「バッファ」上のデータ消失
→ 「チェックポイント時のデータ」 & 「ログファイル」→ データ復旧
チェックポイント_ログファイル.jpg

  • T2・T3:「更新後ログファイル」→ 障害発生直前まで回復(ロールフォワード
  • T4・T5:「更新前ログファイル」→ トランザクション開始時点まで回復(ロールバック
  • T1:「チェックポイント」時にコミット終了 → バッファに何もないため、回復対象ではない

※ システム障害時の対応

名前 システムの電源 対応
ウォームスタート 切らない ログの更新情報で処理再開
コールドスタート 切る システムを初期状態にして処理再開

データの操作(SQL)

SQL

DBの表を定義、データを操作する言語
→ データ定義言語・データ操作言語の2種類

データ定義言語(DDL:Data Definition Language)

データベース・表を定義する言語

表の定義

  • 3層スキーマ:概念スキーマ
  • 記憶媒体:実表(基底表)
構文 意味
CREATE TABLE 表名(列名 データ型) 表を作成
PRIMARY KEY 主キー設定
FOREIGN KEY(列名) REFERENCES 表(列名) 外部キー設定
UNIQUE(列名) 一意制約つける
CHECK(列名 条件) 値に条件つける
NOT NULL NULL禁止
CREATE VIEW 表名 ビュー作成

SQL_表定義.jpg
テーブル.jpg

ビューの定義

ビュー : 実表から必要な部分を取り出す → 一時的に作成した表
→ 利用者にビューを提示できる
→ 3層スキーマ:「外部スキーマ」にあたる
→  仮想表 : ハードディスには存在しない
ビュー.jpg

データ操作言語(DML:Data Manipulation Language)

データ抽出・挿入・更新・削除をする言語

SELECT文

SELECT文:データを抽出する
→ データを抽出:問合せ (クエリ)
(基本文型)

SELECT 列名1, 列名2 抽出する列
FROM 表名1, 表名2 どの表からか
WHERE 条件式 抽出する条件

射影

列を抽出
SELECT 品名 FROM 商品表;
射影.jpg

選択

条件にあう行を抽出
(条件式で使う演算子)

注意構文 意味
A <> B AとBは等しくない
A AND B AかつB
A OR B(IN (A, B)) AまたはB
NOT A Aではない

優先順位:NOT → AND → OR
→ ()で変更できる

例)商品表から番号が、010,020,020の商品情報(全ての列)を抽出
SELECT *(番号,品名,価格) FROM 商品表 
 WHERE 番号='010' OR 番号='020' OR 番号='030';

WHERE 番号 IN('010','020','030')) → 「OR」の代わりに「IN」
選択.jpg
例) 商品表から、価格が1万円以上5万円以下の商品情報を抽出
SELECT * FROM 商品表
 WHERE 価格>=10000 AND 価格<=50000;
WHERE 価格 BETWEEN 10000 AND 50000;) → 「AND」の代わりに「BETWEEN」
 AND_BETWEEN.jpg

結合

二つ以上の表をくっつける → 一つの表にする
FROM:抽出する表を指定
WHERE:表間をどの列で結合するか指定
* 複数の表に同じ列名がある場合の区別
→ 「表名.列名」

例)受注表と商品表を結合・顧客名、商品名、単価を抽出
SELECT(DISTINCT) 顧客名, 商品名, 単価 FROM 受注表, 商品表
 WHERE 受注表.商品番号 = 商品表.商品番号;
結合_DISTINCT.jpg
* DISTINCT : 重複行を一つにまとめる
* WHERE句 : LIKE → 文字列の一部が一致する行を抽出(ワイルドカード

  • % : 0文字以上の文字列
  • ー : 1文字の文字列

SELECT * FROM 社員表
 WHERE 氏名 LIKE '% 三 %'; → 社員表の氏名に「三」を含む社員情報を抽出
氏名 LIKE '三%') → 氏名の最初が「三」で始まる
氏名 LIKE '% 三') → 氏名の最後が「三」で終わる

SQL〜並べ替え・グループ化〜

並べ替え

ORDER BY 列名 ASC(DESC) : 列を昇順(降順)に並べ替える

例)日付:昇順、同じ日付の中:数量の降順 並べ替え
SELECT * FROM 出庫記録
 ORDER BY  日付 (ASC), 数量 DESC; → ASC省略可並べ替え.jpg

集合関数(集計関数)

指定した列の値を集計

関数 機能
SUM (列名) 合計
AVG (列名) 平均
MAX (列名) 最大値
MIN (列名) 最小値
COUNT * 指定した行数求める

グループ化

GROUP BY 列名 : 列の値が同じ行をグループ化

例) 販売表:商品コードごとの販売数量の合計、商品コード・販売数量の合計を抽出
SELECT 商品コード, SUM(販売数量) FROM 販売表
 GROUP BY 商品コード;
* SELECT 直後の列名
→ 集合関数を除き、GROUP BYで指定した列名を入れる。
GROUP_BY.jpg

AS

集合関数で求めた列 → 別名つける

例) 上記で求めたSUM(販売数量)の列:別名つける
SELECT 商品コード, SUM(販売数量) AS 合計数量 FROM 販売表
 GROUP BY 商品コード;
AS.jpg

HAVING

グループ → 条件をつける

例) 販売表:商品コードごとの販売数量合計→250超える商品コード、販売数量の合計を抽出
SELECT 商品コード, SUM(販売数量) AS 合計数量
FROM 販売表
GROUP BY 商品コード HAVING SUM(販売数量) > 250;

商品コード 合計数量
A5027 260

SQL〜副問い合わせ〜

「SELECT文 WHERE」に「SELECT文」を組み込むこと
→ ①いったん抽出 ②結果を条件に再抽出

IN(NOT IN)

IN():()内に含まれる行を抽出

例) 社員表:IPスキル持つ社員情報を抽出
SELECT * FROM 社員表   ← 主問合せ
 WHERE 社員番号 (NOT)IN(SELECT 社員番号 FROM 社員スキル表  
            WHERE スキルコード='IP');
  ← 副問い合わせ副問合せ_(NOT)IN.jpg

(NOT)EXISTS

  • EXISTS():()内の行が存在=「真」、存在しない=「偽」
  • NOT EXISTS():()内の行が存在しない=「真」、存在=「偽」

例) 上と同じ
SELECT * FROM 社員表  ←主問合せ
 WHERE EXISTS(SELECT * FROM 社員スキル表  ←副問合せ
         WHERE スキルコード='IP'
         AND 社員表.社員番号=社員スキル表.社員番号);

(流れ)

  1. 主問合せ:社員表から1行目取り出す
  2. 副問合せ:社員スキル表「スキルコード=IP」かつ「社員番号が同じ」行が存在?? →「真」なら行を抽出
  3. ① ②の繰り返す

* 組込みSQL: プログラムの中にSQLを書く → プログラムからDB操作

データベースの応用

NoSQL(Not Only SQL)

SQLを使わず操作するデータベース全般
目的:ビックデータの保存・解析

種類 特徴
キーバリュー型 キー(一意に識別できる)& バリュー(データ) で管理
カラム指向型 キー → カラム(項目)を自由に追加できる
ドキュメント指向型 ドキュメント1件(データ構造自由)=1データになる
グラフ指向型 ノード間:リレーションでつなぎ構造化する 

   NoSQL_データベース.jpg

データベースの応用

企業によるデータベースの有効活用

データウェアハウス(wearhouse) 企業の活動で得たデータ → 蓄積したDB
データレイク データウェアハウスの一種。未処理・リアルタイムで蓄積
データマート(mart) データウェアハウスから抽出した目的別DB(利用者のため)
データマイニング(mining) 大量のデータ→法則・因果関係を発掘
BI(Business Intelligence)ツール ビジネスで使える情報を取り出すツール

ビックデータ

多様・高頻度に更新される大量データのこと

  • オープンデータ : 原則無償・二次利用可→公共・企業が公開するデータ
    → ビックデータ + オープンデータ = 色々な問題解決に寄与できる!

データ資源の管理

DBを活用 → 他のデータ資源管理も大切

  • リポジトリ : ソフトウェア開発で使う、プログラム情報を管理するDB
  • データディクショナリ : データ項目の名称・意味を登録してるデータ辞書
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