はじめに
micro:bit がオープンソースで管理されていることは、ご存知の方が多いかと思います。この記事では改めて、「オープンソース」を財団としてどのように定義しているのか、どうしてオープンソースにしているのかなどをご紹介したいと思っています!
micro:bit の「オープンソース」
Micro:bit Educational Foundation では、「財団メンバー&協力者がオープンソースライセンスのもとで公開するコードやリソースが、誰でもチェック、修正、リミックス、改善できるもの」とオープンソースを定義しています。
つまり、ソフトウェアだけでなく、ハードウェア、翻訳リソース、クラス用リソースなどの全てがこの定義にあてはまります。
オープンソースであることで、BBC micro:bit にインスパイアされたすべての人々と協力することを目的にしています。
というのも、Micro:bit Educational Foundation は30名ちょっとの小さな組織です。
どの観点においても、パートナーとなってくれる個人や組織の方とともに、エコシステムを築くことで、グローバルに子どもたちがデジタルものづくりを楽しめる環境を提供できています。そしてそのために、「オープンソース」であることは欠かせないしくみなのです。
ミッションのために
財団のミッションは "Inspire every child to create their best digital future". 子どもたちが自分にとって最高のデジタルな将来を切り拓くことができるよう、インスパイアする、です。
そのための環境整備は、上図の観点で行われます。
Tecnical な側面
ソフトウェアからハードウェアまで、全部公開しています!以下に列挙します。
だからこそ、周辺アクセサリや拡張ボードなども、検索すれば星の数ほど出てきますよね!!
さらに、直近公開された Create AI 機能も、はじめはデンマークの大学での研究から生まれたのです。これもやっぱりオープンソースだから。
国内でも、千葉大学さんが積極的に周辺機器を開発してくれていたりします。
・Microsoft MakeCode editor (https://makecode.microbit.org/#)
Microsoft Programming Experience Toolkit というオープンソースプロジェクトに基づくMakeCode を活用
・Python エディタ (https://python.microbit.org/v/3)
フリーソフトウェアであるため、誰でも自由に応用・採用・変更可能。シミュレータ含めて他の製品に埋め込んでの使用もOK
・MicroPython
小型コンピュータ向けにPython 3を完全に再実装micro:bit 上でPythonスクリプトを実行できる
・BBC micro:bit ランタイム (DAL/CODAL)
ランタイム (DAL/CODAL)は、簡単に使えるC/C++ライブラリを使用
micro:bitのすべての機能にアクセスできる
・Bluetooth Low Energy
専用に設計されたカスタムプロファイルにより、micro:bit の加速度計、磁力計、ボタン、エッジコネクタ、ディスプレイ、温度センサー、内部メッセージバスなどへのBluetooth経由のワイヤレスアクセスが可能
・ハードウェア
micro:bitの回路図とmicro:bitリファレンスデザインをオープンハードウェアとして公開(Solderpadライセンス)。
micro:bitを使う子どもたちも、micro:bitがどのように作られているかを理解できるように。
リファレンスデザインにセンサーや独自のハードウェアを追加したり、製品に合った形状に変更したりすることも可能
Resources の側面
作品例がHPで公開されているのはご存知でしょうか。
実は最近は、その他にも、ウェビナーや教室で使える拡大したブロックのプリントや、ポスターなどもHPから入手していただけるんです。
まだ英語のものが多いですが、よければ覗いてみてください。
ところで、翻訳も基本的にはボランティアの方々が着実に進めてくださっているんです。
ご関心を寄せてくださる場合は ぜひこちら までご連絡ください!
そして忘れてはならないのは...
どんなにリソースが充実しても、普及したり根付かせたりするのは、「人」なんですよね。
結局、子どもたちにとっては自分の学びを支えてくれる大人が身近にいるかどうかが、ものづくりの継続に欠かせない。
そして、「これからプログラミングとかやってみようかな」と思う先生方にも、身近に得意な人がいるかどうかが本当に肝。
そんな先生方や子どもたちに寄り添ってくれるのが、championsです。
champions は、あらゆるリソースをつかって、あるいは作り出しながら、micro:bit をきっかけに子どもたちのデジタルものづくりの機会を増やすことに尽力してくれています。
そして、授業やワークショップを通して気づいた「micro:bit の至らない点」なんかをフィードバックしてくれる。
それがまたリソースや製品に反映されて...というゴールデンループに入れる!!
ありがたい限りです。
技術と教育の文脈の「交差点」
micro:bit を取り巻く全ての人たちは、「技術」か「教育」、あるいは両方のバックグラウンドを持っていることが多いです。それぞれの文脈で、関わり方はまたそれぞれですが、micro:bit は、その両方の島をつなぐ「橋」だと感じています。
いずれの島の人たちも、それぞれを理解しあって、それぞれのプロとしての意識を持って、子どもたちにとってのベストを考えて編み出しています。そんな光景を目にすることができるのが、このコミュニティの最高なところです!1つの教材をきっかけに、バックグラウンドの違う人がこんなに思いを共有できるコミュニティ、なかなかないです!!
「おもしろそうじゃん」と思ってくださった方は、Githubでも、翻訳でも、champion でも、なにかしらに関わっていただけると嬉しいです!楽しみにしています!