はじめに
突然ですが、皆さんは技術コミュニティに参加したことがあるでしょうか?
この記事を開いてくださったあなたは、おそらく「技術コミュニティ」に対して何らかのイメージは持たれているかと思います。
この記事では、私が技術コミュニティに参加し始めてから今まで感じてきたことや得てきたことについて書いています。
また、私は数人の協力者と一緒にコミュニティを立ち上げましたが、その背景にはコミュニティを通して形成された個人的な思いがあります。
どんな思いを持って立ち上げたのか、なぜそう思うに至ったのかについても軽く触れています。
加えて、コミュニティに対してどこか恐怖心を持っている方に向けたメッセージも最後の方に記載しています。
自分語りが多くなりすぎないように気をつけてはいますが、この記事は完全に主観で書かれたポエムです。
共感していただける部分があればSNSなどでシェアしていただけるととても嬉しいです。
共感できないところもあるかもしれないので、その際は優しいフィードバックをお待ちしてます。
私とコミュニティの関わり方の変遷
私は主にAWSのユーザーコミュニティである「JAWS-UG」に顔を出すことが多いです。JAWS以外のコミュニティに参加することもありますが、圧倒的にJAWSへの参加が多いです。
また、JAWSの支部の一つである「OpsJAWS」の運営メンバーにも参画させていただいております。
思えば、自分が初めて技術コミュニティというものを知ったのは、コロナ禍まっさかりの社会人一年目の時でした。
当時はまだオフライン開催ができない状態でしたが、社内の技術コミュニティで勉強会やLT大会が定期的にオンライン開催されていました。
そのLT大会に興味本位で参加してみたのですが、話している方や運営メンバーの方がすごく楽しそうにしているのをみて 「自分もこの一員になりたい!」 と強く思いました。
そこから少しづつ社外でのコミュニティにも参加し始め、徐々に登壇する機会も増やしていきました。
登壇していく中でどんどんコミュニティが楽しくなり、 「こんな場所があるってことをもっといろんな人に知って欲しい!」 と思うようになりました。
加えて、自分がたくさんのことを貰ってきたコミュニティに対して何か恩返しをしたいと思うようになりました。
「機会を享受する側」から「機会を生み出し与える側」に回りたい、そんな気持ちがどんどん強くなり、JAWSの大きなイベントのボランティアスタッフに参加し始めました。
ボランティアスタッフでわちゃわちゃしながらイベントを成功に導く手伝いをする楽しさに魅了され、もっとガッツリ運営に関わりたいという思いが強くなりました。
そんな時期にイチ参加者として参加していたOpsJAWSで運営メンバーを募集していたので、ノリと勢いで運営に手を上げました。
そしてその後、OpsJAWSで出会ったryosaanさんと、AWSさん主催の全く別のイベントで出会ったあしさんの2人とToranomon Tech Hubを立ち上げることになります
ここまでの経緯で共通しているのは、内発的な動機にほとんど頼っていることだと思います。
会社からの評価や金銭的なメリットは動機になっておらず、個人的なモチベと善意でここまで来ました。
コミュニティは参加者の熱量と善意で成り立ってるものですが、まさにその熱量と善意が生み出す良いスパイラルに乗っかった結果、今の自分があると思っています。
コミュニティが与える影響力
私がコミュニティを通じて得てきたことはたくさんあります。
その中でも特に自分に対する影響が大きかったのは、コミュニティが参加者に与えるカルチャーショックと、価値観に対する揺さぶりだと思います。
コミュニティに参加すると、自分の中でこのような衝動的感情が発生することをよく実感します。
- 自分の身の回りにはいない人、聞けない話を聞くことで軽いカルチャーショックを受ける
- カルチャーショックに加えて、驚き、感心、困惑、無力感という複数の感情が入り混じる
- 時に、その感情は自分自身の価値観にも影響を及ぼし、価値観の再定義が行われる
- 世界の見え方が変わる、自分の視野が広がる
- 似た刺激を欲して新たな領域に足を踏み入れ、またカルチャーショックを受ける
特に、このような感情はオフライン開催の場合に特に顕著に現れると思っています。
オンライン開催の良いところもたくさんあるのですが、私はオフライン開催の勉強会こそ積極的に参加して欲しいと思っています。
オフライン開催のコミュニティでしか得られないもの
なぜ私はオフライン開催のコミュニティを推すのか、その理由は「得る情報量の多さ」と「偶然の出会い(セレンディピティ)」です
構造上、オンライン開催は聞き手が受け身になりやすいですが、オフラインの勉強会は五感で感じることができます。そうなると必然的に、得る情報量がオンラインよりも多くなります。
例えば、LTで話されたナレッジだけではなく、登壇者や他の参加者の熱量、周囲の参加者のリアクションなどを間近に見て経験することができます。
また、オフラインならではと言ってもいいのが、「偶然の出会い(セレンディピティ)」です。
偶然隣に座った人と境遇が近くて仲良くなる、話してみたら実は共通の知人がいた、ちょうど最近仕事で使うことになったサービスをすでに使いこなしてる人に出会えた、など思いがけない知見を得ることが多いです。
特にセレンディピティは、たまに人生を変えるくらい大きな効果を発揮すると思っています。
事実、Toranomon Tech Hubの立ち上げメンバーとの出会いはコミュニティや社外イベントでの偶然の出会いがきっかけです。
コミュニティを作ろうと思った理由
では、なぜ私はコミュニティを作ろうとまで思ったのか。それはコミュニティに深く関わる中で、「こんな場所が不足してるな」という課題感が見えたからです
まず、ベンダーや製品の制約に縛られず、なんでも自由に話せる場所がまだ少ないということです。
これは決して既存のコミュニティに対する批判ではなく、事実としてそうなっていると思っています。パブリッククラウドやSaaSなど何かしらのサービスを軸としているコミュニティである限り、避けられないことだと思います。
しかし、近年は一つのサービスだけを使って何かを成し遂げるということは少ないと思います。
特に、クラウドの領域は複数のサービスを組み合わせることが当たり前になりつつあります。
加えて、社内外で新参者とコミュニティのお馴染みメンバーが交流できる場所はあまり無く、そのような機会を作ることも比較的難しいと感じています。
当然ながら、新参者はコミュニティのお馴染みメンバーと交流することに対して気後れしがちです。
その影響でコミュニティそのものに参加することに対して気後れしてしまうのは勿体無い、そう思っています。
ベンダーミドルかつゆる〜い雰囲気で、コミュニティに普段関わりがない方も参加しやすい場所を作りたい、そんな思いでToranomon Tech Hubを立ち上げました。
色々理由を書きましたが、「コミュニティには大きな影響力があることを実感してもらいたい」 という気持ちが根底にはあります。
Toranomon Tech Hub初回開催時の感想
ちょっと脱線して、Toranomon Tech Hub初回開催時の感想も書いておきたいと思います。
勢いに身を任せてコミュニティを立ち上げたものの、当日まではずっと期待と不安が入り混じって不安定な気持ちでした。
ただ、登壇者が思ったよりも早く埋まったり、色々な人がX(旧Twitter)で参加表明をしてくれたり、当日の自分の拙い司会も温かく受け取ってくれたり、参加者の皆さんに救われる機会がとても多かったです。
そしてイベント後の懇親会で
「今日来て本当に良かったです!」
「こういう場所を求めてたんだ!!って思いました!」
「第二回も楽しみにしてます!」
と温かすぎる意見を直接聞くことができました
X(旧Twitter)の投稿も非常に盛り上がっていて、帰りの電車の中で1人感動して泣きそうになってました笑
自ら立ち上げたコミュニティで楽しそうに交流する方々の笑顔を見るのは、何にも変え難い満足感があります。
少し大袈裟ですが、自分の人生のターニングポイントになったのではと思っています。
コミュニティが少し怖いという方に向けたメッセージ
最後に、「でもやっぱりコミュニティってちょっと怖いんだよね。。。」という方に向けてメッセージを残したいと思います。
最初は見るだけ、聞くだけ、雰囲気を感じるだけ、それで十分です。
私も最初は怖かったので、LTを聞くだけ聞いて懇親会には行かずに帰ったり、オフラインは怖いからオンラインで参加したりしていました。
初めてのコミュニティに参加するというのは非常に心理的負荷が高い行動なので、まずは参加した自分を褒めてあげましょう。
どんな形であれ、参加しただけでもすごい!
「やっぱり合わないし今後は参加しないでおこう」というのも全然アリだと思います。
そのような場合はぜひ、全く別の場所に赴いてみてください。
そうやって、マイペースにコミュニティとの距離感を保ってみてください。
すこ〜しづつコンフォートゾーンから一歩踏み出してみてください。きっと何か得るものがあります。
そして得たものは、何らかの形で自分に役に立つのではないかと思っています。
最後に
雑感多めの駄文で、途中偉そうなことも書きましたが、読んでいただいた方ありがとうございます!
少しでも技術コミュニティに興味を持ってもらえたり、共感してもらえたりしたら嬉しいです。
ぜひコミュニティを通じて色々なことを経験して、自分の糧にしていただけたらなと思います。
コミュニティはいいぞ