社内の有志で技術書典出そうぜ、って話が持ち上がり、私も執筆メンバーとして参加することになりました。
で、丁度良いタイミングで勉強できそうな素晴らしいイベントがあったので、本日潜入してきました。主催の @mhidaka さん、メインスピーカーの @vvakame さんに感謝。
資料は以下で公開されていますので、質疑の内容とか感想とかをシェアします。
Link
- connpass https://techbookfest.connpass.com/event/155783/
- 本日の資料 https://docs.google.com/presentation/d/1d8TqCPlUlo9bafyNWC9Lyw4NVGoSiekwxZPSgTPAzxo/edit?usp=sharing
- Re:Viewテンプレート https://github.com/TechBooster/ReVIEW-Template
メモ
雑に書いてるので抜け漏れあるかも。
- 製本
- 印刷方法
- 印刷所に持ち込む
- 日光企画さん https://www.nikko-pc.com/ あたりを参考にメニューや費用の確認を
- 「オフセット印刷」が一般的。本らしい出来栄えになるので満足感高い
- コピー機で頑張る
- セブンのプリントサービスにも「同人誌向け」のメニューがある http://www.doujinshi-print.com/
- ただし、ページあたりの原価は高め
- 技術書はページ数が増えがちなので印刷所の方がおすすめ
- セブンのプリントサービスにも「同人誌向け」のメニューがある http://www.doujinshi-print.com/
- 電子書籍
- 発表者の方は電子書籍形式のみで出していることが多い
- 電子書籍のみの配布であっても、当日のブースで手にとってもらう用として1,2冊は紙の本を刷っておくのが良い
- 印刷所に持ち込む
- 入稿経験者が知り合いにいるなら、入稿する前にpdfのレビューをしてもらうと良い。印刷前のありがちなトラブルが減る
- e.g) 印刷してみたら組版がずれてしまって酷いことになった
- e.g) 手配した後で体裁の要修正箇所が見つかって泣く
- 直前でも印刷対応はしてもらえることが多い
- ただし、直前すぎると割増が取られる。トラブルが起きても対応しきれなくなるので日数には余裕を持った方が良い
- 「10日前の申し込みなら早割XX%」のような制度も提供されていたりする。締め切りに余裕が持つことで原価削減にもなる
- 印刷方法
- 執筆環境
- TechBoosterさんではRe:Viewを使っている https://review-knowledge-ja.readthedocs.io/ja/latest/
- スケジュール
- 印刷所の出してるスケジュールから逆算する
- もうちょい具体的なマイルストーン的なものを喋る勉強会を別途開く予定
- 予算
- 参加費 7,480 × 参加日数
- 表紙のデザイン 30,000〜50,000円ほど?
- イラストとデザインではスキルセットが全く異なる
- 表紙で表現したい意匠によって、依頼先に対する要求スキルセットも変わってくる
- 税金について(専門家ではないので正確性は保証しかねるとのこと)
- 発生した利益は雑所得扱いになる。年間の雑所得が20万を超えてくると確定申告が面倒になる
- 技術書典に出ると、それだけで売上20万に到達してしまう場合がある
- なので、経費はしっかりつけておくべき
- 広報について
- 「良いものなら売れる」はある程度真実
- 一方で、どんなに内容が良くても、認知がないものは売れない。これもまた真実
- より多くの人に手にとってもらうためには、認知を広げるための努力もまた重要
- 表紙のデザイン
- 自分は絵心ないんだけど、どうしたら?
- 猫カフェで写真撮って来い(by 登壇者)
- 職場にデザイナーがいるなら相談してみるとか
- イラストのコミッションサイトで募集する手もある
- これやると退路がなくなるので、締め切りを守れるようになる副次効果がある
- 自分は絵心ないんだけど、どうしたら?
- 文章
- 良いタイトル、良い表紙とは?
- 手にとった人が一発で対象読者を想起できること
- 書き方のテクニックとして、先に目次から書いたりするとかの方法がある
- 「書き方」にフォーカスした勉強会は別で開くので、そっちにも参加してみてほしい
- 良いタイトル、良い表紙とは?
- ページ数
- 「16ページ」で出してる方が割と多い
- 多い場合は200ページに到達するサークルもある
- 別の同人誌イベントで、80ページフルカラーを500円で売ってる人がいた
- 1冊売れたら200円赤字です、って言ってた
- 値段
- 500円、1,000円が相場
- 一般同人誌とは違い、技術書典ではページ単価の相場はあまりアテにならない。手にとった人にとって需要あるネタなら値段気にせず買うので
- 1,500円超えると売れ行きがかなり変わってくる(=減る)、というデータがある
- 頒布の形式とか
- 電子書籍形式
- その場でダウンロードしてもらうやりかたは色々と面倒。ブール前で長時間立ち止まることは難しい
- ダウンロード手段を提供して、あとから落としてもらうやり方のが良い
- 名刺サービスの活用
- ダウンロード用QRをつけた名刺を作って配布して後から落としてもらう、という手が割とメジャー
- 不正利用防止したいなら、買ってくれた人専用のリンクを生成してくれるサービスもある
- 対面電書 https://taimen.jp/
- 電子書籍形式
- 入稿について
- 提出可能なファイル形式に指定があったりするので注意
- 入稿後のトラブルを回避するために「予備入稿」のようなことは可能か?
- 発注規模が小さいので、印刷所に手厚いサービスを期待するのは難しい
- 入稿前に、経験者にpdf見てもらうのが一番いい
- 印刷物の輸送
- 印刷自助に宅配搬入を手配して当日完成品とご対面、のパターンが多い
- 宅配便で手配する人もいる。次点で多い
- ハンドキャリー組はかなり少ない
- 複数人でのドキュメント管理
- GitHubが多い、と思う
- 1人ならwordでもOKだと思う
- 複数人だと編集の競合が発生するので、diffが取れるテキストベースのファイルをバージョン管理するのが安牌
- 両替用の現金について
- 両替しやすい金額設定にするべし
- 買う側も両替の手間を知ってるので、半端な値段(例えば600円とか)は敬遠される
- 600円で売るくらいならむしろキリよく1,000円にしてくれた方がマシ、と思う人すらいる
- ブースの見栄えどうするよ問題
- みずぼらしいと「やる気ねーな」って思うけど、とはいえ気合入れすぎる必要もない
- テーブルクロスくらいはあったらいいんじゃないか。同人誌界隈(?)で有名な「あの布」が便利 http://anonuno.shop-pro.jp/
- その他、アドバイス
- 無理に誰かと組む必要はない(発表者の方は1人で出版する派とのこと)
- 1人で店番はクッソつらい、無謀
- トイレ行けない、買い物にも行けない
- 店番の手伝いは誰かに頼るべき
- レビューを誰かに頼むのは非常にGood
- 得てして独り善がり文章になりがち
- 早いことは正義
- 印刷とか、本の配達に関わる手配とか結構トラブル起きる
- 紙の本も電子書籍も用意しておく
- 電子版への対応については、書典側でも対応する機能を提供している(ダウンロード機能(β))。当日になってから利用することも可能、らしい
- 入稿ノウハウ
- 印刷所に送った後電話はかけよう
- 送付後にミスが見つかって泣きながら修正依頼する、とかとか...
- Re:Viewは利用実績が多い。先人の踏み抜いたトラップも結構出尽くしてる
- 例えば、ページ番号の振り忘れとか。この手の、組版関係の基本機能はRe:Viewにあらかじめ備わっているのでそれを活用すべし
- 印刷所に送った後電話はかけよう
- ニッチをひた走るか、オムニバス形式で盛りだくさんにするか
- サークルに関連付けたタグでブースが配置決めされるので、タグの中身がバラバラすぎると近所のサークルが全く別世界になったりすることがある
- 1人でやるなら、ジャンルの幅を気にするよりむしろ「書きたいトピック」を絞ることを考えると良い
- 執筆はめっちゃ時間かかるので欲張りすぎない
- 最初にコアを絞っておけば成果は出しやすい
- 商業誌とは違う
- ほんまに書きたいところだけ書けば、16ページとかになってとりあえずの冊子にはなる
- 「紙を折れば本」「出ない神本より出るクソ本」などなどの格言があるので心の支えにして
感想
複数人で執筆したら売上の分配とかで揉めたりせーへんのかな?みたいな俗っぽいことを考えてました。私が参加したチームの話で言えば、全員儲けることはほぼ期待してないだろうし特にそういうトラブルはなさそうですが...。実際よそのサークルではありそうやなって。
予想はしてたけど、やっぱ色々あるなぁって感じです。コンテンツの準備だけでお腹いっぱいだよお・・・って思いました。多少ね。でも参加してよかったです。私自身も、執筆チームの他のメンバーにとっても、同人誌の執筆は全く未知のプロジェクトですので、やっぱり経験者のノウハウを得て進むのが一番効率良いなと。
素晴らしいイベント、ありがとうございました。