皆さんこんにちは.ハシュマルです.
今回は番外編の阪大の石川・南研究室を見学し,増田先生のお話を聞くことで得られることができた情報のまとめです.メモを基にこの記事を書いているため,間違えている場所があるかもしれません(特にリンク先).お気づきの点がありましたらご指摘ください.
3Dプリンター
- 光造形3Dプリンター
- ロボコンを5年やっていて初めて知ったのですが,光造形3Dプリンターでやわらかい樹脂を印刷することが可能だそうです.使用しているのはresion社のTH72など(ABSの代わり)
- ANTI-IMPACTという耐衝撃のレジンも使用しているそうです.
- Markforged Mark Two という,カーボン入りフィラメントを使って印刷することができる3Dプリンターも使用しているそうです.印刷したものを触らせていただいたのですが,非常に硬かったです.カーボン繊維ってすごい(小並感).
レジン
- ロボットの足裏などに使用しているレジンは,SMOOTH-ON社という,レジンの販売専門店?の国内の正規代理店であるサツク株式会社から購入しているそうです.約40分で固まるそうです.ケチャップをいれるような容器で保存しているそうです.
生物の解剖
- 生物を解剖することで生物の筋骨格系について学ぶことができます.しかし,倫理関係が厳しく,申請が必要だそうです.そこで,食用のジビエを使用しているそうです.
- 解剖する際は食品用のクールプレートを使用しているそうです.肉は時間が経つと臭くなるそう.そこで冷やして腐敗を遅らせています.
人工筋について
-
人工筋の長さの微調整は,人工筋を作り直してやるそうです(1本あたりの単価が安いため).多くの研究室が困っているそうです.人工筋を挟んで調整することもできますが,難しいとのこと.
-
スリーブは,切った後にホットボンドで固めると強くなります.スリーブの穴にホットボンドが浸透して固まるからです.逆に言うと,分解しにくくなります.
-
人工筋の収縮速度はチューブを太くすれば速くなります.また,印加圧力を上げることでも早くなると考えられます.
-
強制〇〇(〇内は解読不能)を使用することで,エアコネクターで流量を調整することができるそうです.名前がわからないと検索できないので教えていただきたいです...
-
人工筋は束ねて太くしなければ動きにくいそうです.束ねたものを使用したロボットが下のリンクのロボットです.
-
新さんのラバーレス人工筋のエアバックは,現在TPU-ナイロン袋を使用しているらしいです(2024/12/23時点).私が紹介しているものは高圧に耐えられないのですが,TPU-ナイロンはどうなのでしょう?
-
動物の筋肉の収縮率は約30%らしいです.
-
筋肉は関節の近くに配置すればたくさん動くため,関節の可動範囲を大きくしたければモーメントアームを小さくするべし,とのことです.人工筋はパワフルなので力も足りるそう.
-
大きいエアタンクがあった方がいいそうです.私自身も研究で作った脚を動かしてみると,エアコン内蔵のタンクのみでは一瞬で空気圧が下がります.
-
空気圧計(PPA100)で気圧を計測しているそうです.また,圧力センサ(PSE540)も使用しているそうです.
-
人工筋の引張力はロードセルで計測しているそうです.私はなんちゃって引張力計測装置を作って引張力を計測しているため,正確性はないため,きちんと測りたければ買うべきですね(だが金がない).
-
ワンタッチコネクタはプリンターで製作可能だそうです.人工筋の中でコネクターが一番高い部品であるため,作ることができれば大きくコストを削減することができます.
ロボットについて
-
「ノンホロノミック系のロボット」というキーワードがでました.興味があれば検索してみてください.
-
無脳ロボット(下のリンク)の関節はスラストベアリングを角パイプで挟んで回転できるようになっているそうです.
-
人工筋を用いたヘビロボット(でかくて長い)の関節にバネを使用することで,壊れにくいロボットを作ることができたそうです.また,そのロボットは部品の固定を全て結束バンドで行っており,整備性が非常によくなっています.
-
リンク機構の計算サイトがあるため,リンクを設計したくなったら利用すればいいかも?
-
細田研の論文で,ロボットに乗せる人工筋を長くとる方法が書かれています(ロボットに這わせる).人工筋は長くすればするほど収縮量が増えるため,このような方法をとることで収縮率が小さい問題を解決しているそうです.その発想はなかった...すごい.
-
清水正宏先生が人工筋を使用したロボットの研究をしています.参考になるかも?
- DYNAMICSモーター(何かわからない)
次回予告
この場を借りて,お忙しい中研究室を見学させていただいた増田先生に感謝を伝えさせていただきます.誠にありがとうございました.
記事の更新が遅くなり申し訳ないです.次回の内容はまだ決めていないのですが,試作したロボットハンドについてか自作エアコネクターについて書こうかなと考えています.どうぞお楽しみに~
あまりにも記事の更新が遅いようでしたらTwittarに尻を蹴りに来てください.
また,ご意見・ご質問などありましたらQiitaのコメントやTwitterのDMなどに送ってください.よろしくお願いします.