1.はじめに
この記事は、毎年自分がWWDCの情報をキャッチアップする上で、広く情報を手に入れるのに意識していること、役立っていることをまとめてみました。
今回のこの記事を書いてみようと思った経緯はこんな感じです。
- 会社で若手社員から「どうやって幅広く情報を集めているのか?」と聞かれることがあったので、自分のやり方を振り返っていた。
- 他の方のキャッチアップ方法も聞いてみたいと思っていたため、まず自分のキャッチアップ方法を外部に発信してみようと考えた。
- iOSDCに申し込んでみていたが、落選してしまった。だが、このままにするのももったいないのと、あまりQiita記事のようなアウトプットを出してこなかったので、良い機会なのでアウトプットしてみよう。
2. イメージする対象者の方
本記事の対象者は下記のような方をイメージしています。
- まだiOS App開発者としてあまり経験のない方
- 毎年業務で必要なのでWWDC情報を追っているが、毎年苦労している方
多分、皆さんすでに行われていたり、当たり前なことを書いてしまっているかとは思うのですが、少しでも誰かの役に立てたら嬉しいです。
3.目次
自分のキャッチアップ方法
- 前年の復習
- セッション動画を視聴する
- beta版OS、サンプルコード・Appを触る
- 勉強会に参加する
- キャッチアップ内容をまとめる
4.自分のキャッチアップ方法
4.1 前年の復習
当たり前な話なのですが、前年の知識を有しているかどうかで、Keynoteやセッションの内容の理解度は大幅に変わります。
できるのであれば、前年のKeynote・セッション動画を見直したりして復習をするのが良いと思います。
ただ、動画の数と量は多く、なかなか全部を見直すのは大変だと思います。
そのため、最近自分は下記のような本も読んでいます。
「iOS 12 Programming」
こちらの本は、PEAKSでクラウドファンディング成立して出版されております。
iOS 11から出版されているのですが、網羅的に内容がカバーされており、これを読むだけで大体の内容は把握できるのではないかと思います。
実際、この本を読み返すと、色々と思い出せるだけではなく、前年のWWDCからの約1年間で得てきた知見・知識と相まって、当時よりもさらに理解が深まったりもします。
4.2 セッション動画を視聴する
何はともあれ、Keynoteを見ないことには始まりません。
まずはKeynote、そのあとPlatforms State of the Unionを見て、自分の興味のあるもの、業務に関わりが深そうなものをピックアップしておきます。
セッション動画は大量にあるのでどれから見るか迷うと思うのですが、まずはピックアップした内容の「What's New ~」や「Introduction ~」を見るようにしています。
WWDC 2019 - Videos
動画を見るときに大事にしていることは、英語が得意ではなくとも頑張って見てみることです。
Appleの資料は非常に理解がしやすいものになっており、スライドの絵を見ているだけでも、iOS App開発者であればある程度理解ができる内容となっております。
また聞き取りやすいようにはっきりと話されるので、ヒアリングが苦手でも聞き取れたりする単語はあります。頑張って見てみてください。(自分も英語は得意ではありませんが、大体の内容は理解はできます。)
セッション動画を見ていると、下記のような単語が羅列されたスライドが出てくることがあります。
What's New in Machine Learning
ここに書かれている物は重要な内容の場合が多いです。スライドで紹介ができていないアップデート内容も含んでいます。
自分はこのスライドを一時停止して内容を確認するようにしています。
また、最近はリアルタイムでKeynoteを見よう!というイベントも開催されています。
【同時通訳あり】WWDC Extended Tokyo 2019
同時通訳もあり、また参加者とKeynoteが終わった後に議論できるのは魅力的です。
このようなイベントが開催されていたら、ぜひ参加してみてください。(自分は上記イベントに2年連続で参加させていただきました。)
4.3 beta版OS、サンプルコード・Appを触る
WWDCのKeynoteが終わるとすぐにbeta OSがリリースされます。こちらはできるだけ早く触って見てみることをお勧めします。
やはりセッション動画を見るだけでは細いところはわかりませんし、実際に触ることで動きを見れるので、セッションの内容がよりイメージがしやすくなるのではないかなと思います。
またApple Developer Documentationなどの公式資料も更新されるので、こちらも読んでみることはもちろん重要ですが、Siri Shortcuts, Sign in with AppleなどではサンプルコードやAppが配布されています。こちらも触って見ることを強くおすすめします。
サンプルコードを見た方が実装がイメージしやすいですし、新機能を自分のAppに組み込むかどうか、実際に触りながら話せるので、アイディアを検討する際により具体的にイメージができます。
(キャプチャ等はNDAに触れる可能性があるため、割愛します)
サンプルコードはWWDC Sessionのページにリンクがあったりします。動画を見る際に確認してみてください。
「Introducing Parameters for Shortcuts」のSoup Chefを参照ください
ただ、beta OS等を触るにはApple Developer Programへの登録が必要となり、お金もかかります(年間299米ドル相当の現地通貨額)のでご注意ください。
(最近はパブリックベータも出ていますが、beta 1のリリースからだいぶ遅れて登場します。)
4.4 勉強会に参加する
WWDC期間が終了すると、国内で数多くの報告会イベントが開催されます。
ぜひ複数のイベントに参加してみてください。自分は今年は2つ参加しました。
ZOZO Technologies【WWDC19 参加報告会】
参加してなくてもついていけるもん!WWDCゴリゴリキャッチアップ会
勉強会に参加すること、複数参加することのメリットは以下のように考えています。
- 自分のキャッチアップした内容の確認・深掘りができる
- 発表者の考えを聞くことができ、自分が思いつかなかったような新たな知見を得ることができる
- 勉強会によってお話しする内容が違うため、WWDCアップデート内容を網羅的に聞くことができる
- 参加者と意見を交換できる
もし勉強会に参加できなかったとしても、Twitterで勉強会のタグを追って見るだけでも良いかと思います。
発表資料が展開されたり、参加者の声を聞くこともできるのでオススメです。
ただ個人的には自分で少しでもキャッチアップをした状態で参加した方が得られるものが多いと思っています。
理由は、キャッチアップする事で各新機能に対してそれぞれ自分の考えを持つ事ができ、その状態で発表を聞く事で、自分の考えをよりブラッシュアップできると考えているからです。
ぜひ個人でもキャッチアップをしつつ、参加をしてみてください。
4.5 キャッチアップ内容をまとめる
自分の頭の整理のために、自分がキャッチアップした&勉強会で得た情報をまとめたりしています。(例えばKeynote)
これは今年から始めて見たんですが個人的にはこんな感じで結構役に立っています。
- 見返すことで思い出せたりする。(たくさんキャッチアップしていると忘れてしまうこともあるので・・)
- Slackのtimesでコメントしたような、一時メモとして書いた内容を1つにまとめられるので散らからない
- 作成した内容を事業に展開したら喜ばれた(これは自分だけかもですが・・・)
思った以上に良い事があり、これは来年以降も続けていこうと思っています。
ちなみにARKit 3やCore MLなど幅広くまとめていますが、現在70Pほどの資料になっています。
(参考に数枚、資料のスクショを載せておきます。)
5.おわりに
いかがでしたでしょうか。ここに書かれていることはやるのが当たり前だろう、というご意見もあるかと思います。そういったご意見もぜひコメントいただけましたら嬉しいです。
また、こんな良い方法、ツールがあるよ!とかもあればぜひ教えてください。
特に今年は発表内容が多くてキャッチアップが大変だったと思います。
でもやはり基本的にはWWDCのセッションを見て、beta OS・サンプルコードやAppを触ってみるのが、一番の近道なのかな、と思います。
本記事に不備等ございましたら、お手数ですがご連絡いただけると幸いです。