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YMF825

micro:bitでYMF825を鳴らす

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イギリス発のSTEM教育向けマイコンボードmicro:bitに、FM音源のYMF825Boardを接続して音を鳴らしてみました。

回路の準備

YMF825Boardの3.3V対応

micro:bitは3V動作(3.3Vも可)なので、YMF825と接続するSPIが3Vになります。
そのため、このページを参考に、YMF825BoardのIFを3.3V化します。
チップ抵抗の取り外しと、ハンダでパッドをショートする必要がありますが、かなり極小箇所の修正なので、多少の苦労は覚悟してください。

YMF825Boardへの5V供給

YMF825Boardは、IFを3.3v化しても、5Vの電源は必要です。
やり方はいろいろ考えられますが、私はUSBを利用して5Vを得るために、以下のようなサブ基板を作成しました。

IMG_3395.jpg

USB microB端子から、5Vを取り出し、三端子レギュレータで3.3Vを作って、micro:bitおよびYMF825Boardに電源を供給します。
micro:bitには、専用のコネクタで3.3Vを供給します。
YMF825Boardには、5Vと3.3Vを供給するピンを立てておきます。

micro:bitとYMF825の接続

micro:bitの回路を拡張するために、micro:bit専用のこのコネクタ変換基板を利用します。
先ほどの電源供給基板と合わせると、全体は以下のようになります。

IMG_3396.jpg

コネクタ変換基板とYMF825Boardを、下の写真で示されたように接続します。
IMG_3397.jpg

なお、上記の接続をすべて一枚の中に納めた、以下のような基板を製作しました。
(興味のある方は kigakudoh@gmail.com まで問い合わせください)

IMG_3450.jpg

mbed環境作成

今回はmicro:bitをmbed環境で開発します。
以下の説明では、mbed開発環境にある程度親しんでいることを前提に進めますのでご了承ください。

Platformにmicro:bitを足す

以下の画面から、自分のmbed環境のPlatformに、micro:bitを追加します。

platform.png

mbed用ライブラリのインポート

mbed環境上でまず新しいプログラムを作成します。
その後、プログラムにmicro:bitのライブラリをインポートします。まず、インポートスイッチを押して、検索窓で「microbit」と書くと、以下のような画面が現れるので、一番上にあるライブラリをインポートしてください。

library.jpg

これでmbed環境でプログラムする準備が出来ました。

YMF825のsample2を取り込む

Githubからダウンロード

今回はYMF825のこのサンプルプログラムを利用して音を出します。
Githubにある上記のプログラムをまずダウンロードしてください。
今回は /common フォルダと /arduino フォルダ内のファイルを利用します。/common 内にあるファイルはそのまま利用出来ます。/arduino 内のファイルは、micro:bitに合わせる必要があります。

fmsd1_ino.cppを修正

まず、fmsd1_ino.cppを、micro:bit用に修正します。ファイル名も fmsd1_micro.cpp のように書き換えておきましょう。
ファイルの冒頭の部分を以下のように変更します。

fmsd1_micro.cpp
#include "MicroBit.h"

SPI ymf825(MOSI, MISO, SCK);
MicroBitPin ss(MICROBIT_ID_IO_P16,MICROBIT_PIN_P16,PIN_CAPABILITY_DIGITAL);
MicroBitPin rst(MICROBIT_ID_IO_P8,MICROBIT_PIN_P8,PIN_CAPABILITY_DIGITAL);

次にポート書き込みの修正です。
fmsd1_ino.cppでは

fmsd1_ino.cpp
digitalWrite(10, LOW);

と書いていたところを

fmsd1_micro.cpp
ss.setDigitalValue(0);

と書き換えます。"digitalWrite"が使われているのが7箇所ありますので、同様に書き換えてください。

それからSPIの修正です。
fmsd1_ino.cppでは

fmsd1_ino.cpp
// init
SPI.setBitOrder(MSBFIRST);
SPI.setClockDivider(SPI_CLOCK_DIV4);
SPI.setDataMode(SPI_MODE0);
SPI.begin();
// write
SPI.transfer(adrs);

と書いていたところを

fmsd1_micro.cpp
// init
ymf825.format(8);
ymf825.frequency(4000000);
// write
ymf825.write(adrs);

と書き換えます。"SPI"で検索して、該当する箇所を上のように書き換えてください。

main.cppを作成

main.cppは好きなように書いていただいていいのですが、とりあえずサンプルソースの
/arduino/ymf825board_sample2.ino に合わせて、以下のようなコードを書いてみました。
YMF825で音を鳴らすだけでなく、micro:bitのLEDにテーブル tone_name[] の文字を表示させています。

main.cpp
#include "MicroBit.h"

extern "C" {
#include    "fmif.h"
};
#include    "fmsd1.h"

MicroBitDisplay mbd;

const ManagedString tone_name[12] = {
    "C","c","D","d","E","F","f","G","g","A","a","B"
};

int main( void )
{
    int i=60;

    initSPI();
    initSD1();
    Fmdriver_init();

    while(1){
        mbd.print(tone_name[i-60]);
        Fmdriver_sendMidi(0x90);
        Fmdriver_sendMidi(i);
        Fmdriver_sendMidi(0x7f);
        wait_ms(200);
        Fmdriver_sendMidi(0x90);
        Fmdriver_sendMidi(i);
        Fmdriver_sendMidi(0);
        wait_ms(200);
        i++;
        if ( i>72 ){ i=60;}
    }

    return 0;
}

最後に

日本においてもmicro:bitはSTEM教育用に大きな可能性を秘めていると思います。
このボードにYMF825Boardを接続することで、FM音源を使った面白いガジェットを容易に作ることが出来るようになります。micro:bitとYMF825Boardの組み合わせを、子供向けワークショップなどで利用してみてはいかがでしょうか。