実用的かは別として、deliのCWクローンなら答え一発
今回はBaidu Tiebaから。
ある積分がdeliのCWクローンでは解け、カシオ機では解けないという話。
以下の式を[RAD]で解くというものである。
$$ \int_0^{1000}e^{\sin x \cos x} dx $$
WolframAlphaで解くと…あれ?解けない???
何と、deliはWolframAlphaにすら勝ってしまった!!!
といっても、deliのCWクローン(deli D992CN Pro)でも約9分50秒(10秒単位で丸め、以下長時間のものは同様)かかるので実用的とは言い難いが、途中で諦めてしまうカシオより優れているのは否定できない。
もちろん、カシオ機でこの積分が全く解けないということはなく、区間分割するなどして解くことはできる。掲示板で紹介された2つの方法を見てみよう。
周期性を利用する方法
Desmosでこのグラフを描いてわかる通り、この式は周期πである。
そこで1周期分の積分をして整数倍し、残りの部分を積分して合計する方法が紹介されている。
$$ 318\int_0^πe^{\sin x \cos x} dx + \int_0^{1000-318π}e^{\sin x \cos x} dx $$
これは賢い方法で、カシオ機でもさほど時間をかけずに答を出す。
- D992CN Pro:約4秒
- TI-30X Pro MP:約5秒
- SS-991EX: 約5秒
- fx-JP500CW: 約7秒
- fx-991CEX: 約7秒
- F-789SG: 約25秒
- fx-375ESA: 約37秒
- EL-520T: 約1分55秒
あれ?EXクローン機がCWに勝ってるんですけど…(!!!)
この計算に限ってはカシオCWとカシオEXが全く同じ時間で計算を終えたのも興味深い。
$e$や三角関数を使った積分はCWで最適化できていないのだろうか。
一方、シャープ機は答こそ10桁の範囲で正しく計算できたが、2分近くかかってしまっている。この形に変形しても時間がかかってしまうシャープ機、積分には不向きである。
4分割する方法
もう一つの方法として、区間を4つに区切る方法が紹介されていた。
$$ \int_0^{250}e^{\sin x \cos x} dx + \int_{250}^{500}e^{\sin x \cos x} dx + \int_{500}^{750}e^{\sin x \cos x} dx + \int_{750}^{1000}e^{\sin x \cos x} dx $$
ただしこの方法はdeliの一発計算と同様、恐ろしく時間がかかる。
- SS-991EX: 約20分, 1063.846893
- TI-30X Pro MP: 約23分, 1063.846894
- fx-991CEX: 約23分40秒, 1063.846894
- fx-JP500CW: 約26分, 1063.846894
何と、これに至ってはカシオCWよりカシオEXの方が速く、さらにEXクローンが速いという結果になった。
ただし、EXクローン機の最下桁が間違っているのは気になった。
ちなみにWolframAlphaでも2分割すれば答を導くことは可能。
1063.84689440...となった。