購入前に使用感を確認できる
関数電卓・グラフ電卓メーカー各社はPCやスマホで動くエミュレータを用意している。商品を購入したり別途契約しないと使えない・体験版としてしか使えないものもあるが、一部のエミュレータは無料で使用することが可能である。
ここではメーカー公式のエミュレータのみを取り上げるが、メーカーが公開している ROM 等を利用してフリーソフトのエミュレータが多数作られている。
カシオ
PC
インストール形式のものは教育向けグローバルサイトにある。継続利用はサブスク加入が必要だが、未加入でも90日無料試用が可能。
Web 形式のものは ClassPad.net の1機能として用意されている。
日本からアクセス可能な ClassPad.net は、サブスク加入者、もしくは2代目Classwiz(fx-JP500CW/fx-JP700CW/fx-JP900CW)購入登録者に4年間与えられる利用権が無いとエミュレータ機能を利用できない。
対応機種は ClassWiz Calc App Plus に含まれているものに加え、イギリス・ロシア語圏・シンガポール・ベトナムの機種が追加されている。
一方、アメリカ向けに提供されている ClassPad Workspace は無料登録でも3種類のエミュレータ(fx-991EX,fx-991CW,fx-9750GIII)を利用できる。
ClassPad Workspace の fx-9750GIII はWeb上で動作するグラフ電卓としては貴重だが、一部機能が制限されている。残念ながらPythonも使用不可。
日本からのアクセスは遮断されているため、日本からの利用は VPN を通さないと不可。
スマホ
かつては ClassWiz Calc App が公開されており(Android版跡地)、日本からはこちらしか利用できなかった。広告が出るものの無料でエミュレータを利用できた。
現在は ClassWiz Calc App Plus のみ公開されているようで、日本からも利用できるようになった反面、契約もしくは購入登録者利用権が無い限り使用できなくなってしまった。
どちらのアプリも、各国の初代 ClassWiz や2代目 ClassWiz を体験することができる。
ClassWiz Calc App の対応機種は日本・北米グローバル(EX/CW)・アラビア圏(AR X)のみ。
ClassWiz Calc App Plus は ClassWiz Calc App 対応機種に加え、ドイツ・フランス・オランダ・スペイン・ラテンアメリカ・オーストラリアのモデルも入っている。
シャープ
国内向けにエミュレータは用意されていないが、海外では教育向けにエミュレータが用意されている(最近 URL が変わったようだ)。
多くの機種が無料で利用可能。
インストーラではなく、EXEファイルがそのまま実行ファイルとなっている。
キヤノン
香港市場向けに f-789SGA のエミュレータが用意されているが、シリアル番号が必要。日本の f-789SG にはシリアル番号が見当たらないので利用できない。
TI
テキサス・インスツルメンツの関数電卓・グラフ電卓は、日本では代理店経由や輸入販売でしか入手できない。
TI の教育向けサイトからエミュレータを入手できる(未契約でも90日体験版として動作する)。
欧州向けモデルである TI-30X Pro MathPrint のエミュレータは欧州の教育向けサイトにある。
hp
かつて日本でも公式に販売されていたが、現在は本国アメリカでも hp prime や金融電卓を除いて新製品がほとんど出ていない。
オフィシャルライセンシーの hpcalcs.com が hp prime のエミュレータを公開している。