当確を出すための統計
当確を出す技術のうちの一つが区間推定である。
無作為抽出を仮定した場合、ある段階の得票率から母集団の誤差範囲を算出することができる。もし誤差範囲が他の候補と被らない場合、それらの候補との順位は覆らないと考えてよい。定数の範囲の順位になると推定できた時、当確を打てるということになる。
なお実際の開票は無作為抽出とはならない。人口の少ない地方部は早く開票が終わり、人口の多い都市部の開票は時間がかかる。地方部と都市部で各候補者の得票率に違いがある場合、地方部の開票だけで順位推定を行うのは危険である。
そのため、区間推定をそのまま使っているわけではない。出口調査で予め各地域の得票率推定を行うなどしている。
また、ある程度開票が進んで無作為抽出に近い状況となった場合でも、信頼係数を95%にするか、99%にするか等、報道機関によって微妙な調整をしているようである(以前は度々当確外しがあったが、この信頼係数の取り方も一因と見られている)。
区間推定の解説記事をいくつか挙げる。
上記の計算式に基づいて、信頼係数95%と99%で区間推定するGoogleスプレッドシートを作成した。
「閲覧のみ」で公開しているため、使用の際は自身のGoogleドライブに保存を。
入力すべき部分は黒枠で囲ったセルのみ。定数を設定し、得票数を入れる。
すると、まず得票合計(開票数)がG1のセルに入る。
得票率と開票数を元に標準偏差が求められ、これらを基に下限・上限が算出される。
当確を出す仕組みだが、定数2の場合、3番目の候補の上限値が基準となる。
ある候補の下限がそれを上回っている場合、その候補は3番目より上位ということが確実になるため、A列の当確セルが緑色に塗られる仕組みである。
枠は15人分用意したので東京選挙区であっても概ね対応できると思う(どうしても全候補でやりたい方は適宜改良を)。
色々試してみてほしい。
比例代表の議席の決め方
比例代表の議席の決め方はドント方式と呼ばれるもので行われる。
以下のサイトで解説されている通り、「各政党の総得票数をそれぞれ1,2,3,4・・・と自然数で割っていき、得られた商(得票数)の大きい順に議席を配分する方式」になる。
自分でこのドント方式のしくみを見てみたいという方に、ドント方式のGoogleスプレッドシートを作成した。
「閲覧のみ」で公開しているため、使用の際は自身のGoogleドライブに保存を。
2022結果のタブに2022年の例を入れておいたので、それを参考に。
2行目に各党の得票数を入れると、自動的に上位50となるセルが緑色に塗られる。
開票途中の得票数を入れながら、次にどの政党が議席を取りそうか推測してみてはいかがだろうか。