2週間の勉強でネットワークスペシャリスト試験に合格できました!
今回はその勉強ログを共有します。
また、合格ギリギリだったので反省を踏まえて 「過去に戻れるならこうやって勉強する!」 という後から思いついた 参考書1冊で出来る攻略法 も共有したいと思います!
1. 筆者のスペック
2. 試験の説明
3. 実際の勉強ログ
4. 反省点
5. 反省点を踏まえた攻略法
1. 筆者のスペック
- 情報系学科の大学院生で修士1年
- ネットワークの知識は、授業では扱ったが理解があいまい
- ぶっちゃけ OSI 参照モデルがちゃんと書けるか怪しいレベル
- AWS は雰囲気で構築している
- 応用情報持ってないどころか、そもそもIPAの試験受けたことない
2. 試験の説明
まず何ができれば合格できるのかをしっかり把握しておきましょう。
試験は以下の4つに分かれており、すべてで6割以上取れれば合格となります。
出題形式 | 試験時間 | 合格基準 | |
---|---|---|---|
午前Ⅰ | 4択 | 9:30~10:20 (50分) | 30問中18問以上 |
午前Ⅱ | 4択 | 10:50~11:30 (40分) | 25問中15問以上 |
午後Ⅰ | 記述 | 12:30~14:00 (90分) | 100点満点中60点以上 |
午後Ⅱ | 記述 | 14:30~16:30 (120分) | 100点満点中60点以上 |
午前Ⅰ
その年の応用情報の午前問題から抽出された30問の4択問題が出題されます。
とにかく応用情報の過去問解いて対策すればいい感じです。
※ 過去2年以内に他の高度試験や応用情報などに受かっていれば免除されます。
午前Ⅱ
ネスペの受験範囲で4択問題が25問出ます。
午後問題のためにネットワーク勉強してれば勝手にできるようになります。一番ぬるい。
午後Ⅰ
長い文章問題が3問あり、そのうち2問選んで90分で解答します。
テキスト使ってネットワークの勉強をちゃんとして、過去問解いて対策するしかないです。
午後Ⅱ
めちゃ長い文章問題が2問あり、そのうち1問選んで120分で解答します。
テキスト使ってネットワークの勉強をちゃんとして、過去問解いて対策するしかないです。
3. 実際の勉強ログ
自分が実際にやった勉強スケジュールは、以下となります。
1. 午前Ⅰ対策【4/8~4/11 の 4日間】
- 応用情報テキストを理解する
- 応用情報の過去問道場を回す
最初は午前Ⅰの対策を行いました。
その年の応用情報の午前問題から抽出された30問の4択問題が出題されます。
とのことなので、「応用情報の勉強すればいいんでしょ?」と思って 情報処理教科書 応用情報技術者 テキスト&問題集 2024年版 を完全理解することにしました。
250ページ/日のペースで3日間。おそらく合計20時間くらいだと思われます。
知らん単語をひたすら書き出して説明できるようにする、というのを繰り返して仕上げました。ちなみに反省で挙げますがこんなに必死で勉強しなくていいです。
次に、応用情報の過去問道場を1日中回し続けました。
おすすめを押した状態で出てくる800問くらいをひたすら回し続け、2,3週目くらいに8割程度取れるようになったらやめました。
2. ネットワークの勉強【4/12~4/17 の 6日間】
- ネスペイージスを完璧に理解する
次に、ネットワークを勉強しないと始まらないので、ネスペイージスを理解することにしました。結局勉強で使ったテキストはこれだけでした。
3,4章/日のペースで6日間。おそらく合計50時間くらいだと思われます。
こちらのサイトは細かい粒度でページが分かれているので、ページごとに説明できるくらいまで仕上げました。また、新出単語もノートにまとめ、説明できるくらいまで仕上げました。
ちなみに、このネスペイージスの勉強で新出単語や理解すべき概念がノートに600個くらいまとまりました。
3. 午前Ⅰ,午前Ⅱ仕上げ【4/18】
- 午前Ⅱの過去問道場を回す
- 午前Ⅰ対策として応用情報の過去問道場を回し直し
ここで、午前Ⅱ対策としてネスペの過去問道場をやりました。
初見で250問解いて77.2%取れたので午前Ⅱ対策は完了としました。
また、午前Ⅰ対策として応用の過去問道場も回し直し、正答率7割くらいだったのでこちらも完了としました。
4. 午後Ⅰ,午後Ⅱ仕上げ【4/19~4/20 の 2日間】
- 午後の過去問を解く
最後に、午後問題の過去問を解いて仕上げに入ります。
情報処理教科書 ネットワークスペシャリスト 2024年版に過去問題13年分の解説PDFと午前Ⅰ・午前Ⅱ問題のWebアプリがついており、それを利用しました。
体調が悪くてR5,4の午後Ⅰ,Ⅱの過去問を解いて解説を読むことしかできませんでした...
4. 反省点
午前Ⅰ対策は過去問を回すだけでいい
午前Ⅰ対策ではわざわざ応用のテキストを勉強していましたがコスパが悪いと感じました。
なぜなら、午前Ⅰは過去からの流用あるいはほぼ同じ内容の問題が多いためです。
さらに、新出のものは応用のテキストを勉強してたとしても取れるかどうか微妙なラインでした。
結論として、午前Ⅰは過去問を回して完璧に仕上げれば良かったです。
午後問題の過去問めちゃくちゃ大事
午後問題は文章問題だし、理解度を試すためには使えるけど、流用などは少なく直接的な試験対策にならないと思っていました。
しかし、問われ方は違うけど、共通で使える考え方がたくさんあることに気づきました。
例えば、R5 午後Ⅱ 問1 設問1 (2)
のような、「ping だとアプリケーションレイヤーは監視できないから、TCPが死んでても気づけないよね」という考え方は鉄板で、形を変えて様々な場所に出てきます。
また、ほぼ同じような問いも存在していました。
例えば、R5 午後Ⅱ 問1 設問2 (1)
と R6 午後Ⅰ 問1 設問2 (1)
の問題は、どちらも「BGP の経路選択では LOCAL_PREF 属性の値が大きいほうを優先する」という知識で解答できます。
結論として、午後問題の過去問は全て解いて解説を読み込んでおくべきでした。
5. 反省点を踏まえた攻略法
以下が反省点を踏まえたうえで、安定して合格できる(かもしれない)スケジュールです!
応用テキストの勉強をカットし、空いた時間を午後問題の過去問演習にした感じですね。
これは1日6,7時間くらいを想定しているので、皆さんにフィットするように引き延ばしたりすると良いでしょう。
また、購入する参考書は 情報処理教科書 ネットワークスペシャリスト版 だけです。ちなみに付録の午後問題の解説を使うだけで、テキストは使いません。(だからネットで転がってる解説とか使うなら実質0冊でもいける)
1. 午前Ⅰ対策【1日】
- 応用情報の過去問道場を回す
まずは、応用情報の過去問道場を回して完璧にしましょう。
やり方は前述したログと同じで、おすすめから800問を2,3周して仕上げる感じで大丈夫だと思います。
2. ネットワークの勉強【6日】
- ネスペイージスを完璧に理解する
次に、ネスペイージスを完璧に理解しましょう。人に説明できるレベルです。
ネスペイージスだけで大丈夫なのか?と思うかもしれませんが、いくつか過去問を解いたところ個人的にはこれを完璧にしておけば問題ないと感じました。
さっさとある程度のレベルまで上げて、あとは過去問解いて実践的な知識を手に入れることが重要だと思います。
3. 午前Ⅰ,午前Ⅱ仕上げ【1日】
- 午前Ⅱの過去問道場を回す
- 午前Ⅰ対策として応用情報の過去問道場を回し直し
ここで、午前Ⅱ対策のため過去問道場をやりましょう。
午前Ⅰも復習しておくと良いです。
そもそも6割超えればいいだけなので、完璧は目指さなくていいはずです。
初見で7割以上取れれば安心だろうし、もし取れなければ回し倒しましょう。
4. 午後Ⅰ,午後Ⅱ仕上げ【5日】
- 午後の過去問を解く
最後に午後の過去問を解いて仕上げましょう!
午後の過去問は解くのにとても時間がかかるので、たっぷり時間を設けておくとよいでしょう。ちゃんと解いて解説を読む、これを繰り返していきます。
情報処理教科書 ネットワークスペシャリスト版の付録としてある過去問題の解説PDFを使用します。
解説を読み込んでがっつり理解するのが大事です!
なぜなら、問われ方は違うけど、共通で使える考え方がたくさんあるからです!
もちろん、そのまま使いまわされるわけではありません。回答に直接使われることもあれば、考えのプロセスとして使うこともあるでしょう。別レイヤーで応用的な使われ方をするかもしれないです。
ですので、自分の中で血肉にして使えるレベルに理解するのが大切というわけです。
あとネスペイージスだけだと初見の知識も出てきて「やべー」となるかもしれませんが、ネスペイージスに無いレベルのやつは初見でもある程度戦えるように設計されているはずです。また、そもそも6割取ればいいということを心にとどめておくと安心です。ある程度は妥協しましょう。
最後に: ネスペ最高!
正直試験なんて適当に試験用の対策すれば、サクッと受かるものだと思ってました。
しかし、ネスペは試験用の対策を適当にすれば受かるというものではなく、がっつりネットワークの知識をつけてそれらを応用しなければ解けませんでした。
このおかげで、ネットワークの知識が血肉となり、解像度が非常に上がりました!
ネットワークスペシャリスト試験、とても素晴らしいです!
ぜひみなさんも受けましょう!そして私と同じ苦しみを味わいましょう!