はじめに
最近、「生成AI」が注目を集めていますよね。2023年には流行語トップ10にもランクインし、業務効率化の救世主として、文章生成ツールやチャットボットが活用され始めています。IT業界にいる方なら、生成AIを絡めたプロジェクトに関わる機会が増えているのではないでしょうか?
私も生成AIを活用したプロジェクトに関わり、ユーザ*とエンジニアの橋渡しをする立場でいろいろと経験しました。その中で、「これはプロジェクトを成功させるうえで欠かせない!」と思ったポイントがいくつか見えてきました。この記事では、それを共有したいと思います。
*ここでいう「ユーザ」は、システムを使うエンドユーザではなく、情シス部門の方々を指しています。
ユーザの課題:知識のギャップ
生成AIプロジェクトでまず直面するのが、「ユーザ」の知識や経験の不足です。
例えば、情シス部門のユーザにはこんな課題があります:
エンドユーザの要件をうまく整理できない
AIに詳しくないと、「できること」と「できないこと」の線引きがあいまいになり、要件がふわっとしてしまうことがあります。これがプロジェクトの方向性を曖昧にしてしまう原因になることも。
社内要件との調整が難しい
セキュリティや既存システムとの連携など、AIを導入するうえで考慮すべきことがたくさんあります。でも、AI特有の課題(例:モデルのデータ活用範囲やリスク)に詳しくないと、後で「ウチの環境では、このやり方できなかった」というような手戻りが発生してしまいます。
UIやUXを具体化しにくい
エンドユーザにとって「使いやすい」と感じられるものを作るには、生成AIの特性を理解しなければいけません。たとえば、「AIにどこまで任せられるか」や「どんな入力を必要とするか」などが想像しにくいと、的外れな設計になることもあります。
ポイント:知識不足はサポートで補える
ユーザがAIに詳しくないのは当然なので、エンジニアがそのギャップを手助けをすることが重要です。
「まずはどこから手を付けるべきか」を具体的に共有することで、プロジェクトのスムーズな進行が可能になります。
エンジニアに求められるのは「プロとしての提案力」
次に重要なのが、エンジニアの「プロとしての提案力」です。
単に「できる」「できない」で終わらせるのではなく、選択肢や解決策を提示できるかどうかが、プロジェクトの成否を分けます。
私が実際にエンジニアに助けられた例をいくつか紹介します:
選択肢を提示してくれる
「こういうUIが欲しい」と言われたとき、1つの案だけでなく、「複数の選択肢」を提示してくれると非常に助かります。例えば、「外出先でも使いやすいUI」という要件に対して、デザインの柔軟性や実装の難易度を比較した資料を作ってもらい、最適な案を選ぶことができました。
実績に基づいたアドバイスをくれる
ユーザが「これで本当にうまくいくのかな?」と不安に思うことはよくあります。そんなとき、過去の成功事例や実績を元にアドバイスをしてもらえると、納得感を持って進められます。例えば、「このデータアクセス方式は、以前のプロジェクトで同規模のシステムに導入されて問題なく動いています」という説明があるだけで安心感が全然違います。
ポイント:リスクを低減し、納得感を与える
エンジニアが選択肢や実績に基づいた提案を行うことで、ユーザは安心して意思決定ができるようになります。この「安心感」はプロジェクト成功に欠かせません。
コミュニケーションで信頼を築く
最後に、プロジェクトを成功させるうえで欠かせないのが「コミュニケーションスキル」です。
知識やスキルがあっても、それを相手に適切に伝えられなければ成果にはつながりません。
以下は、信頼を築くために有効だった具体例です:
選択肢を提示してくれる
例えば、「生成AIの出力精度を上げる」依頼に対し、ただ実装するだけでなく、「データ前処理を工夫することで精度をさらに高める方法」を提案すると、高いAI知識があることがわかり、「この人に任せておけば安心」と思ってもらえます。
前向きな言葉を使う
難しい要望をそのまま否定せず、「こうすれば実現可能です」と前向きな選択肢を示すだけで、ユーザの不安が軽減されます。たとえば、「このモデルでは難しいですが、少し調整すれば実現できますよ」という言い方です。
難しい話を分かりやすく伝える
技術的な内容を分かりやすい例に置き換えることも大切です。たとえば、「生成AIは、大量のデータから『言葉の使い方』を学び、それを応用して新しい文章を作る仕組みです」という説明をすれば、初めての人でもイメージしやすいですよね。
ポイント:信頼は言葉で生まれる
コミュニケーションはプロジェクトの潤滑油です。ユーザとの信頼関係が築ければ、プロジェクト全体がスムーズに進行します。
おわりに
この記事では、生成AIプロジェクトを成功させるために重要なポイントを3つお伝えしました。
• ユーザの知識不足をサポートすること
• エンジニアとして選択肢や実績を活用した提案を行うこと
• 良いコミュニケーションで信頼を築くこと
生成AIに限らず、これらはどんなプロジェクトでも役立つ普遍的なポイントです。この記事が、みなさんのプロジェクトの成功に少しでもお役に立てれば幸いです!
あとがき
ちなみにこの記事も、ベースの文章を考えたうえで生成AIに手直ししてもらいました。
私が指示した内容は
• 構成に矛盾があったり、内容にMECEでないところがないかをチェックしてほしい
• Qiitaの特性にあう文章にしてほしい
などです。
Qiitaの初執筆にあたり非常に役に立ちました。
生成AIは、今や私にとってなくてはならない大事な相棒です。
うまく利用、、、いや、付き合っていきたいなと思います。