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AWSとGoogleCloudを抽象的な概念から比較

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今までほぼAWSしか触ったことがない

現在私が所属する開発部署で採用しているクラウドサービスがAWSであるということもあり、私は今までバックエンドはAWSだけを使ってきました。
基本的にはAWSと決めたならそれ以外のクラウドリソースを使うケースはないのですが、部署のメンバーからの要望と単なる興味本位で他のクラウドプロバイダとの違いを調べてみたのでまとめます。

クラウドプロバイダはいくつかありますが、唯一案件でほんの少しだけ使用したことのある、AWS以外のクラウドサービスということでGoogleCloud(以下GC)を選びました。
数年前まではGCPと呼ばれていましたが、現在はGoogleCloudになっていますので、GCと表記させていただきます。

比較するもの

よくあるのが、「AWS・GC・Azureのサービス対応表」なるものです。
しかし、対応表で同じ行にあるからといって全く同じサービスというわけではありません。
そのサービスが生まれた経緯や目的などが少し違うことで、いざ実装するときにできることが違う可能性があります。
全てのサービスについてその違いをみていくのは大変ですが、今回は以下の抽象的な視点からAWSとGoogleCloudの違いについて簡単にまとめました。

  • 起源
  • 理念
  • 普及度
  • AIサービス

起源

GC

GCで一番最初に誕生したサービスは2006年に発表された App Engine です。

App EngineはPaasとしてアプリケーションのサーバー管理やデプロイなどのインフラのフルマネージドを実現します。いわゆるサーバーレス開発のためのプラットフォームです。

Googleのブログによると、このApp Engineがいかにして生まれ、進化してきたかが綴られています。
誕生から 10 年、App Engine の歩みを振り返って

このブログによると、
「開発者の生産性向上を後押しすることを目標に掲げて App Engine を導入」
とあります。
世界一の検索エンジンとして成長し、一般消費者向けにプラットフォームを提供してきたGoogleですが、開発者に対しても同じようにアプリケーション開発のプラットフォームを提供しました。
開発者のプラットフォームを実現するためにGCが誕生したと言えるでしょう。

AWS

AWSの起源は、その特徴的なストーリー性から知っている方も多いかもしれませんが、こちらの記事がわかりやすくておもしろいです。
AWSが生まれたのは、Amazonが経費削減のためにSunのサーバからHP/Linuxサーバへ切り替えたことがきっかけ。当時の社員が振り返る

インターネットバブルの崩壊とともに将来性が不安視されたAmazonで、当時Amazon.comのデジタルメディア部門ディレクターであったDan Rose氏が当時を振り返ったツイートが記載されています。

困難を乗り越えるその過程が面白いのですが、本記事の目的に逸れるので省略します。
要はコスト削減のためにより安価なサーバに大規模移行し、そこで余ったサーバの能力を貸し出すビジネスを思いついたというものです。

GCが最初からプラットフォームの提供を目指したのに対して、AWSは余ったサーバをデータセンターとして副業的に貸し出したのが始まりでした。

理念

もしこれから利用するクラウドプラバイダを選ぶのであれば、各プロバイダの理念を理解することも重要だと思います。
AWSを利用していると、AWSがとてつもない早さでサービスが生まれたり改修されたりするのを体感しますが、おそらくAWSが実現したい目的、つまり理念がその内容や方向性を決めていそうです。
企業またはサービスの理念によってサービスの開発優先度は変わるはずです。

ここはAIの出番だと思ったのでAI(Claude Sonnet)に聞き、それを表に整形してまとめました。

プロンプト:「AWSとGCの理念の違いを教えてください。」

Claude:「AWSとGCPの理念の主な違いを比較します:

AWS GC
アプローチ 「お客様の声を聞く」(Customer Obsession)が最優先
市場ニーズに基づく製品開発
幅広いサービスの提供を重視
Googleの技術・知見を外部提供
技術的な完成度を重視
選択と集中(コアサービスの充実)
オープン性 独自技術の開発が中心
AWSエコシステムへの囲い込み傾向
オープンソースへの強いコミットメント
マルチクラウド戦略の推進
ベンダーロックイン回避の重視
サービス展開 先行者としての優位性を活かした幅広いサービス展開
多様なユースケースへの対応
細かな機能の積み重ね
Googleの強みを活かした特定分野への注力
AI/ML、コンテナ、データ分析等
シンプルさと使いやすさの重視
価格戦略 規模の経済を活かした価格競争力
複雑な料金体系
リザーブドインスタンス等の長期契約割引
自動割引の採用
シンプルな料金体系
使用量に応じた柔軟な課金
イノベーション 顧客ニーズドリブン
実用的なソリューション重視
技術ドリブン
最先端技術の実用化に注力
エコシステム 豊富なパートナーネットワーク
成熟したエコシステム
オープンソースコミュニティとの強い結びつき
相互運用性の重視
運用モデル DevOpsの推進
運用の自動化
SRE(Site Reliability Engineering)の実践
運用の自動化と標準化

これらの違いは、両社の企業文化や市場参入のタイミング、ビジネス戦略の違いを反映しています。AWSは市場のパイオニアとして幅広いニーズに応える戦略を、GCPはGoogleの強みを活かした差別化戦略を取っているといえます。」

AWSを普段から利用している私としては、上記の回答のAWS部分は納得のものでした。
特に「AWSエコシステムへの囲い込み傾向」のところはこれまで当たり前のように受け入れていましたが、逆にGCはそうじゃないのかと驚きました。

普及度

普及度というと様々な視点から測ることができそうですが、市場のシェア率とリージョンの数を見てみます。

市場のシェア率

こちらは総務省が出した令和6年版のクラウドサービスに関する報告です。

上記記事より画像抜粋(図表Ⅱ-1-8-4 世界のクラウドインフラサービス市場のシェアの推移)

この内容によると、
1位:Amazon(AWS)約31%
2位:MicroSoft(Azure)約24%
3位:Google(GC)約12%

となっており、やはりAWSが強いことがわかります。
しかし、私が思っていたより2位との差は小さいですし、AWSはここ5年でほぼ横ばいなのに対してAzureとGCは右肩上がりで上昇していることがわかります。
シェア率が高いサービスは技術者が多く、情報も豊富であるため、選択するメリットも大きいと思います。

リージョン

リージョンの数と配置からも、データセンターが世界にどのように分布しているかがわかるので見てみます。

AWS

AWSの最新の情報は以下の公式のページを参照しました。

2025年2月現在、リージョンは34箇所存在するみたいです。
また、それらの中に存在するアベイラビリティーゾーン(AZ)は3つ以上、多いところだとバージニア北部が6つあります。
つまりデータセンターの数は軽く100を超えているということです。

GC

GCはこちらから最新情報を参照しました。

2025年2月現在、GCのリージョンは41個、ゾーンは124個あります。
なんと、GCの方がリージョンが多いのは意外でした。(あれ、GCはロケーションが少ないのがデメリットという記事も見かけましたが、情報が古いんでしょうか…?)
確かに検索エンジンGoogleを提供する会社としての世界進出はもともと圧倒的っぽいので、ここはGoogleが強そうです。

しかし日本でサービスを開発・運用する者からするとAWSもGCも、東京と大阪にリージョンがあるのであまり関係のない話かもしれませんね。

AIサービス

近年はどの企業もAIサービスの展開が熱いです。
AWSならBedrockやAmazon Q、GCならVertex AIなどが個人的に印象強いです。

AIサービスの展開についてもAIに聞いてみたところ、以下のような違いがありました。(本人に聞いているようなものなので間違い無いでしょう。)

  • AWS
    • エンタープライズ向けの傾向
    • セキュリティ&コンプライアンスに強い
    • あらゆる事業や業界のユースケースにも対応
  • GC
    • 一般利用者も意識
    • シンプルで使いやすいプラットフォーム
    • パートナーエコシステム

これを見ると、先ほどの理念ともかなり一致します。

感想

アメリカが強すぎる

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