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操作ログ分析の重要性と効果的な実践方法

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操作ログ分析の重要性と効果的な実践方法

組織のセキュリティ強化と内部不正防止において、PC操作ログの分析は非常に重要な役割を果たしています。正確なログの収集と分析によって、機密情報への不正アクセスなどを早期に発見し、内部不正を防止することが可能になります。

この記事では、操作ログの効果的な管理・分析方法について詳しく解説し、内部不正防止のための対策についてもご紹介します。

操作ログの定義と種類

操作ログとは

操作ログとは、ユーザーが端末上で実行したファイル操作・ログイン履歴・デバイス接続記録などを記録したデータのことです。アクセスログ(接続履歴)と異なり、具体的な操作内容を時系列で追跡できる点が特徴的です。

項目 操作ログ アクセスログ
内容 ファイル改ざん/コピー・USB接続・印刷履歴 IPアドレス・接続時間・使用ブラウザ
用途 内部不正検知・証跡調査 ネットワーク監視・攻撃経路特定

操作ログの種類

PCの操作ログには、アプリの操作履歴やファイルアクセス履歴、デバイス接続履歴など、多岐にわたる情報が含まれています。基本的なログ収集はツールを使わなくても可能ですが、専用の監視ツールを利用することで、より多様なログを収集し、不審な操作を可視化することができます。

例えば、CWATのような内部不正対策ツールでは、1000種類以上の操作ログを収集し、ファイルの改ざんやクラウドストレージへのアップロード、深夜のログオン、USBへの書き込みなど、不審な操作のみを記録する「警告ログ」も作成します。さらに、禁止されている操作が検知された場合は操作を即座に中断させる機能も備えています。

IWIが提供するCWATは、ユーザの疑わしい操作を検出します

操作ログ分析が重要な理由

内部不正の早期発見

ユーザーの様々な操作ログを記録・分析する取り組みは、内部不正の早期発見につながるため、内部不正対策の一環として広く実施されています。操作ログを適切に分析することで、通常とは異なる操作パターンや不審な行動を検知し、問題が大きくなる前に対処することが可能になります。

法的証拠の確保

操作ログの詳細な履歴を保持することは、万が一内部不正による情報漏えい事故が発生した際に、事後の調査や原因分析を迅速かつ正確に行うためにも重要です。これらのログは、誰が、いつ、どのような操作を行ったのかを特定する手がかりとなります。

経済安全保障推進法への対応

2024年5月から施行された経済安全保障推進法では、特定社会基盤事業者に対して特定重要設備の導入や重要維持管理等の委託の際に厳格な審査を受けることが義務付けられました。特定社会基盤事業者が特定重要設備の管理を委託する際は、操作ログの適切な管理が求められています。

操作ログを効率的に分析・管理するツール

OS標準の機能でも操作ログの管理や分析は可能ですが、従業員全員分の操作ログを効率的かつ詳細に収集・分析するためには、専用のツールを利用することが効果的です。専用ツールを用いることで、大規模な組織でも迅速かつ正確にログを収集・管理できるため、運用やセキュリティ対策の面で大きな利点があります。

ツール名 主な機能 メリット
ログ統合・管理ツール ログの一元管理、リアルタイム分析、異常検知アラート 複数のシステムログを統合的に監視可能、迅速な問題特定
SIEMツール 脅威検出、インシデント対応、ログ分析 高度な脅威分析、リアルタイムでのインシデント検知
DLPツール 機密データ監視、不正操作防止、操作ログ管理 情報漏えい防止に特化、データ持ち出し制御
CWAT 1000種類以上のログ収集、カスタムルール設定、リアルタイム監視・制御、情報漏洩4大経路制御、キーワードチェック、暗号化 詳細なログ収集、柔軟なルール設定、リアルタイム制御による不正防止、多様な内部不正対策機能

ログ統合・管理ツール

統合ログ管理ツールは、複数の異なるシステムから収集したログデータを統合して管理することができ、システム全体の状況を把握しやすくします。サーバー、ネットワーク、アプリケーションなどからのログを一元管理し、リアルタイムで分析する機能を持っています。

さらに、特定のログ情報を迅速に検索できる機能や、異常を検知すると自動的に通知するアラート機能も備えているため、セキュリティリスクを迅速に検出することができます。

SIEMツール

SIEM(Security Information and Event Management:セキュリティ情報とイベント管理)ツールは、セキュリティイベントの監視に特化しており、リアルタイムで脅威を検出します。特にインシデントの調査に有効です。

SIEMツールの主な機能には脅威の検出があり、サイバー攻撃や内部不正などのセキュリティリスクをリアルタイムで検出します。また、インシデント対応機能では、ログデータを元に詳細なインシデント分析が行われ、対策を講じるための情報を提供することが可能です。

DLPツール

DLP(Data Leak Prevention:情報漏えい対策)ツールは、ログの記録だけでなく、機密データの監視と保護を通じて、データ漏えいや不正な持ち出しを防ぐための重要な役割を果たします。

DLPツールの主な機能は、「データ監視」「アラート機能」「操作ログ管理や分析」の3つに大別されます。データ監視機能では機密データへのアクセスをリアルタイムで監視し、アラート機能では不正なデータ操作が検知された際に即座に警告を発します。操作ログ管理や分析機能では、ユーザーが行ったデータ操作を記録し、「誰が」「いつ」「どのような操作」を行ったかを特定することができます。

操作ログの管理や分析のほかに必要な対策

操作ログの管理や分析以外にも、不正防止の観点で実施すべき取り組みが多数あります。IPAが公開している「組織における内部不正防止ガイドライン」では、内部不正防止の基本5原則として以下の項目が挙げられています。

対策 内容
アクセス権管理 最小権限の原則に基づき、重要情報へのアクセスを制限する
持ち出し困難化 コピー制限、メールやWebの制限などを実施し、情報の持ち出しを制限する
ログの記録と定期的な確認 システムの操作ログを記録し、定期的に確認することで不正行為を検知する
ルール化と周知徹底 情報セキュリティに関する基本的なガイドラインや、機密情報を扱う際のルールなどを明確化し、周知する
職場環境の整備 信頼関係の維持・向上や罰則規程の整備を行い、不正行為を許さない環境を作る

内部不正防止の基本5原則は、不正行為の実行を困難にするとともに、不正への動機を抑制する効果や、不正行為の正当化理由を排除する効果があり、内部不正の防止に多面的に作用します。

さらに、IPAのガイドラインでは、効果的な内部不正対策として、実践すべき具体的な33項目の取り組みが紹介されています。その中でも、内部不正の未然防止対策として特に重要な対策を以下に示します。

未然防止策 説明
基本方針の策定と周知 経営者が内部不正対策の責任を示し、組織全体に周知
管理体制の構築 総括責任者の任命と組織横断的な管理体制の確立
重要情報の格付け 情報の重要度に応じた区分と取扱範囲の設定
機密情報の表示 重要情報の取扱範囲決定及び機密マーク等の明示
アクセス権限の管理 重要情報の取扱範囲に応じた利用者IDとアクセス権の適切な設定および運用
システム管理者の監視 管理者権限の適切な割当てと相互監視の実施
個別認証の徹底 ユーザーごとの個別ID割当と個別認証の実施
情報機器の管理 PCやUSBメモリ等の安全な管理と廃棄時の情報消去
モバイル機器の管理 情報機器及び記録媒体を外部に持ち出す際の承認手続き確立と記録管理
個人機器の制限 個人所有のモバイル機器や記録媒体の業務利用制限
ファイル共有ソフトやクラウドストレージ等の利用制限 不正な情報持ち出しが可能なサービスの使用制限
アクセス履歴及び操作履歴等のログ記録と保存 重要情報へのアクセス履歴等の安全な保護
システム管理者の監査 管理者のアクセス履歴や操作履歴等のログ記録と第三者による確認

徹底した内部不正対策を実践するためには、これらの対策を組み合わせ、定期的に見直しを行うことが不可欠です。

内部不正を発生させない仕組み:CWATの事例

CWATは、1000種類以上のログや15種類のカスタム可能なルール(セキュリティポリシー)によって、リアルタイム監視および制御を実現する内部情報漏えい対策ソリューションです。

IWIが提供するCWATは、リアルタイム監視および制御を実現する内部情報漏洩対策ソリューションです

CWATは、PCの操作内容を詳細に記録し、操作内容がセキュリティポリシーに反している場合、それをリアルタイムで検知し、即座に中止させることが可能です。さらに、収集したログはセキュリティ監査やインシデント調査にも活用できます。

重要データを強固に保護する機能

内部不正対策に特化したCWATは、情報漏えいの4大経路(印刷、外部記憶媒体、メール、Webの利用)を制御できるだけでなく、カスタマイズ可能なルールを部署やグループごと、ユーザーの権限やPCの利用目的に合わせて設定することができるため、業務実態に応じて内部不正を柔軟に制御することが可能です。

また、データ保護の面では、ファイル内のキーワードをチェックして持ち出しを制御する機能や、CWAT独自の暗号化機能によって重要な情報を強力に保護します。これらの機能によって、内部不正を「させない」組織の実現を支援します。

操作ログの分析についてよくある質問

操作ログとは何ですか?

ユーザーが端末上で実行したファイル操作、ログイン履歴、デバイス接続記録などを記録したデータです。具体的な操作内容を時系列で追跡可能であり、内部不正の検知や証跡調査に役立ちます。

操作ログの分析が重要な理由は何ですか?

操作ログを分析することで内部不正の早期発見や情報漏洩事故の原因特定が可能になります。経済安全保障推進法でも特定重要設備の管理に操作ログの適切な管理が求められ、法的証拠としても活用できます。

効率的なログ管理方法は?

ログ統合管理ツールやSIEMツールの導入が効果的です。CWATの場合、1000種以上の操作ログを収集し、リアルタイム監視と不正操作の即時中断機能を備えています。

ログ管理以外の対策は?

IPAガイドラインに基づく5原則(アクセス権管理/持ち出し困難化/ログ確認/ルール周知/職場環境整備)の実施が重要です。特に情報の格付けとアクセス権限の最小化が効果的です。

CWATの特徴は?

リアルタイム操作制御・情報漏洩4大経路(印刷/外部媒体/メール/Web)のブロック・キーワード検知機能を備え、ログ管理と暗号化機能で包括的な内部不正対策を実現します。

出典 (参考文献一覧)

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