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Ruby エイリアスメソッド

Last updated at Posted at 2024-06-17

エイリアスメソッドについて

Rubyには全く同じ機能でありながら異なる名前のメソッドが複数存在します。これらのメソッドのことをエイリアスメソッドと呼びます。
可読性向上やプログラマーの好みによって使い分けられています。(メソッドによっては派閥がわかれているとか…)

以下にエイリアスメソッドの一例を記載します。

エイリアスメソッド一覧

Array クラス

  • mapcollect
  • sizelength
  • slice[]
  • appendpush
  • prependunshift

Hash クラス

  • store[]=
  • sizelength
  • keyindex
  • to_sinspect

String クラス

  • sizelength
  • slice[]
  • to_sto_str

Enumerable モジュール

  • collectmap
  • find_allselect
  • reduceinject
  • member?include?
  • detectfind

File クラス

  • exists?exist?

Math モジュール

  • atan2atan

IO クラス

  • getsreadline
  • printwrite

Kernel モジュール

  • failraise
  • sprintfformat
  • Arrayto_a

使い分けの例

Array#map と Array#collect

Array クラスには、mapcollectというエイリアスメソッドがあります。どちらも、配列の各要素に対してブロックを評価し、新しい配列を返すメソッドです。

array = [1, 2, 3, 4]
mapped_array = array.map { |num| num * 2 }
# => [2, 4, 6, 8]

collected_array = array.collect { |num| num * 2 }
# => [2, 4, 6, 8]

mapはより短く、広く一般的に使用されています。一方、collectは自然言語に近い表現で、読みやすさを重視するプログラマに好まれることがあります。

Hash#key と Hash#index

Hash クラスには、keyindexというエイリアスメソッドがあります。どちらも、指定した値に対応するキーを返します。

hash = {a: 1, b: 2, c: 3}
key_for_value = hash.key(2)
# => :b

index_for_value = hash.index(2)
# => :b

keyは直感的であり、indexはより技術的な背景を持つ表現です。

歴史的背景

Rubyは日本で生まれたプログラミング言語であり、設計者のまつもとゆきひろ氏(Matz)は、プログラマが自然で直感的なコードを書けるような言語を目指しました。その中で、異なるバックグラウンドやプログラミングスタイルを持つプログラマがより快適かつ直感的にコーディングできるようにするため、エイリアスメソッドが多く存在します。

エイリアスメソッドのメリット

  1. 可読性の向上: プログラムの意図が明確になる。
  2. 柔軟性の提供: 異なる表現を使うことで、プログラマが慣れ親しんだスタイルでコーディングできる。
  3. 互換性の確保: 古いコードベースとの互換性を保ちながら、新しい表現を導入できる。

エイリアスメソッドのデメリット

エイリアスメソッドは便利な反面、異なるメソッドを混在させるとコードの可読性が損なわれ、思わぬエラーやバグが発生する可能性があります。
それを避けるためにも、プロジェクトやチーム内で使用するメソッド名は統一することが重要です。

まとめ

エイリアスメソッドは、Rubyの柔軟性と使いやすさを象徴する機能の一つです。プログラマは、自分の好みやチームのコーディングスタイルに合わせてメソッドを選ぶことができます。


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