はじめに
当たり前ですがゲームには画像素材が必須です!プレイヤーや背景画像、ほとんど気にすることのない小さなものまで様々です。そこで今回はゲーム制作を通しての画像素材に関する経験をお話していこうと思います。
1.フリー素材に頼りたい
楽に素材を用意するため、真っ先に思いつくのは「フリー素材」です。「描く手間を省ける」「思いつかないようなアイディアを得られる」などメリットだらけです。
しかしフリー素材にもデメリットがあります。それは、「一貫性がなくなる」ということです。フリー素材は量こそ多いですが、サイトによって絵柄はバラバラです。求める種類が多ければ一つのサイトに絞れなくなります。次のサイト、次のサイトと幅を広げていくにつれ画面がごちゃごちゃし、一貫性がなくなってしまうのです。
2.描くしかないけど難しい
フリー素材に頼れないとなったら残された道は一つ、自分で描くしかないのです!!... しかし絵が得意ならまだしも絵が苦手となると絶望的です。※お金があれば全てを解決できますが一旦忘れましょう
なにせ絵は線画の時点で難易度が高いです。思いついた構図をミスなく描き写すのは至難の業です。おまけに膨大な数から適切な一色を選び、塗りきるなんて正気の沙汰ではありません。悩みに悩んだ結果、ある作戦を思いつきました。それは、ドット絵かつ配色をゲームボーイ風の4色に限定するというものです。
その結果、従来の方法に比べかなり楽になりました。絵はドットなので違和感に気づきやすく直しやすい。配色は4色に限定することで色を選ぶ時間を大幅にカットできる。それだけでなく、「ドット・4色」を徹底することでフリー素材では得られなかった一貫性を実現できました。一石二鳥で作るのも簡単!いい事ばかりのようですが、現実はそんなに甘くありません。
3.デメリット
良い事があると悪い事があるもんです。デメリットを二つほど紹介します。
1.色が被ると見えなくなる
4色に限定したことにより、色が被り背景と同化するなんてことが何度もありました。「素材は完成してるのに背景と組み合わせたら見えなくなった」などです。
2.細かい表現ができなくなる
ドット感が欲しかったため荒いドットを使用していたのですが、ドットの荒さに比例して細かい表現が難しくなりました。タコに間違われるなんてことも笑笑
なんだかんだありましたが、これで素材作りは楽勝?... いいえ。本番はここからです。
4.バグといっしょ
素材を作っていると様々な問題に見舞われます。プログラミングにおける「バグ」のようなものです。どんなに完成度の高い素材であっても、ほかとの相性が悪ければ手直しが必要になります。実際どのようなミスがあるのでしょうか?
こんなのが多い
- ゲームに追加して気づくミス
- 周りと比較して大きさを変える
- ゲームの仕様変更で廃止
- アニメーションさせて気づく
ただでさえ描くのが大変な画像素材ですが、ミスに気付くたびに手直しが必要になります。気づけば一つの素材にかなりの時間を要し、一日中素材作りをしていたなんてことも。下の画像はそんな「描く→完成→ミスに気付く→手直し→完成」の流れを表したものです。
このようなサイクルがゲーム完成まで延々と続きます。
5.地獄
素材一つにかかる労力を知ったうえで以前私が作ったゲームの素材数を見てみましょう。
137枚全てを使用しているわけではないのですが、それを踏まえた上でも130枚を超えます。これでも30分あればクリアできるボリュームです。ゲームの規模が大きくなったらいったい何枚になってしまうのでしょうか?何千?何万?考えたくもないです。
まとめ
ゲーム制作に必須な「画像素材」の大変さを分かって頂けましたでしょうか?大変なゲーム制作ですが、それでも続けられるのは楽しいからです。自分の思い描くものを形にできる、やってもらった方に「楽しかった」といってもらえる。そんな経験は他には代えられないと思います。UnityやUnreal Engineに限らずPygameやScratchなどで簡単に始めることもできます。興味ありましたらやってみてはいかがでしょうか??
この記事は IPFactory Advent Calendar 2022 の 7 日目の記事です。
昨日はK5h1n0くんでした!Atcoder入茶素晴らしすぎますね!羨ましいです。