0,初めに
1,きっかけ
ビットコインを通じて世間に一気に知られるようになったブロックチェーン技術について、私は詳しい情報をまとめてみました。以下では、ブロックチェーンの基本的な仕組みや特徴について解説しています。
2,そもそもブロックチェーンって？
ブロックチェーンは改ざんが非常に困難で、停止しない、多数の参加者に同一のデータを分散保持させる仕組みです。
簡単に言うとブロックと呼ばれる単位でデータを管理し、それを鎖（チェーン）のように連結してデータを保管する技術になります。
3,代表例のビットコインについて
ブロックチェーンの代表例であるビットコインですが、ビットコインは取引に「ブロックチェーン」と呼ばれる技術を利用しており、ビットコイン取引の記録をまとめた台帳の役割を果たしています。ビットコインは、ブロックチェーンを使用してトランザクションを記録し、管理するために作成された最初の応用です。ビットコインのブロックチェーンは、ビットコインの送金履歴や残高などの情報を保持し、ネットワーク上の参加者が共有して確認することができます。
1,ブロックチェーンのメリットデメリット
一見欠点のない技術のように思われがちですが、それぞれメリットデメリットがあります。
メリット
1,データの改ざんを防げる
ブロックチェーンは、取引データの改ざんを防げます。
ブロックチェーンの基幹技術である「分散型台帳技術」によって、セキュリティ性を担保できます。データを改ざんするためには、ブロックチェーンに記録され同期された取引データを全て改ざんしなければなりません。そのため、個人や企業がブロックに記録した情報が、他人や悪意のある個人によって意図的に改ざんされるリスクは技術的にほぼゼロです。
2,システムがダウンしにくい
ブロックチェーンは複数のノードで構成され、各ノードがデータのコピーを保持しています。したがって、一部のノードがダウンしても、他のノードがネットワークの機能を維持できます。ノードがダウンした場合でも、ネットワーク全体の可用性は維持されます。また、システムがダウンしても世界中のネットワークで情報が同期されているので保存した情報が消えてしまうことがなく、ブロックチェーン上でいつでも確認できるので、突然のシステムトラブルが起きても安心です。
3,高いセキュリティ
ブロックチェーンは、暗号学的な技術を使用してデータの保護を行います。データの改ざんを検知するためのハッシュ関数やデジタル署名、合意形成アルゴリズムなどが使用されます。これにより、不正なトランザクションや攻撃を防ぎ、データの安全性と信頼性を確保します。
デメリット
1,処理速度が遅い
ブロックチェーンの処理速度は、一般的な中央集権型のシステムと比較して相対的に遅いと言われています。これは、ブロックチェーンの性質やセキュリティ上の要件によるものです。
またブロックチェーンは、トランザクションの処理能力に制約があります。一つのブロック内に格納できるトランザクション数には上限があり、ブロックの生成間隔も一定であるため、大量のトランザクションを高速に処理することは難しい場合があります。
2,悪意を持つ参加者が入り込む可能性がある
ブロックチェーンは公開された台帳であり、一部の実装ではトランザクションや参加者の情報が匿名性を欠くことがあります。これは、特定の取引や参加者の行動を追跡することができ、プライバシーの問題を引き起こす可能性があります。ブロックチェーンにアクセスできる方であれば誰でも情報をチェックできるのです。
3,コストとエネルギー消費
ブロックチェーンの一部の実装では、トランザクションの検証に多くの計算リソースが必要となり、高いエネルギー消費を伴います。特に、Proof-of-Work（PoW）という合意形成アルゴリズムを使用する場合、マイニングには高性能なコンピュータと多量の電力が必要となります。またビットコインのマイニングなどの活動には膨大な電力が必要であり、環境への影響や持続可能性の問題が指摘されています。
2,ブロックチェーンは複数の技術の組み合わせ
メリット、デメリットがありましたがそれぞれ技術が使われています。
以下ではブロックチェーンで使われている主な技術についてまとめます。
1,ブロックチェーンは分散台帳を実現する技術
分散台帳は、複数の参加者やノードによって分散的に管理される台帳のことを指します。伝統的な中央集権的なシステムとは異なり、分散台帳では台帳のデータや取引情報がネットワーク上の複数のノードで共有され、一致した状態を維持します。
また、参加者全員によって共有されるため透明性が確保されます。すべての参加者は同じ情報を共有し、取引やイベントの履歴を追跡することができ、情報が改ざんされると、他の参加者がそれを検知することができます。
透明性により信頼性が高いのです。
2,暗号方式
ブロックチェーンでは、ハッシュ関数が多く使用されます。ハッシュ関数は、入力データを固定長の一意の出力（ハッシュ値）に変換します。ブロックチェーンでは、ブロック内のトランザクションやデータの内容がハッシュ関数を通じて計算され、ブロックの一貫性と改ざんの検出に使用されます。一部の一方向性ハッシュ関数は、データの改ざんが困難であることが証明されており、ブロックチェーンのセキュリティに重要な要素となっています。
3,コンセンサスアルゴリズム
Proof of Work（PoW）は、最も広く知られているコンセンサスアルゴリズムの一つで、ビットコインなどの多くのブロックチェーンで使用されています。PoWでは、ノードは問題の解を見つけるために計算作業（マイニング）を行い、最初に解を見つけたノードが新しいブロックを追加できます。
4,スマートコントラクト
スマートコントラクトは、契約や取引の条件をプログラムとして記述することで、自己実行可能な性質を持ちます。契約に関する条件が満たされると、プログラムが自動的に実行され、契約の内容に基づいたアクションやトランザクションが実行されます。そして分散台帳に記録されることで契約の条件やトランザクションの履歴が透明かつ改ざん不能な形で参加者全員によって確認されます。
３,将来性と問題点
多くのメリットがあるブロックチェーンですがあまり日常では見られません。
そこで今後の将来性とこの技術の問題点について調べることにしました。
1,問題点
ブロックチェーンも完全に無故障ではありません。以下の点に注意する必要があります。
51%攻撃: ブロックチェーンの一部の実装では、ネットワークの51%以上の計算力を持つ攻撃者が合意形成に介入し、データの改ざんや不正なトランザクションを行う可能性があります。しかし、攻撃者がこのような攻撃を行うためには膨大なコンピューティングリソースが必要となります。
ネットワーク分断: ブロックチェーンネットワークが分断されることもあります。例えば、ネットワーク上の一部のノードが孤立し、データの同期が妨げられる場合があります。このような場合は、ネットワークの再接続や分断の解消が必要です。
以上が、ブロックチェーンのシステムがダウンしにくい特性と注意点です。一般的に、ブロックチェーンは分散化と合意形成の仕組みにより、高い可用性と耐障害性を持つシステムとされています。
2,将来性
コストとエネルギー消費：PoWは計算作業に高いエネルギー消費や計算リソースの浪費が伴いますが、近年ではエネルギー効率やスケーラビリティの改善を目指した新しいコンセンサスアルゴリズムの研究や開発が進行しており、PoWの代替となるアルゴリズム（例：Proof of Stake）が注目されています。
ＳＣＭへの活用：ブロックチェーンをSCMに組み込むことで、透明性、信頼性、効率性の向上が期待されます。また、製品のサプライチェーン全体を監視し、リアルタイムの情報共有やトレーサビリティを実現することで、サプライチェーンのリスク管理や効率化が可能となります。ですが、技術的な理解とスキルを持つ専門家やコンサルタントの存在であったり、取り扱われるデータやプライバシーに関する法的な問題や契約上の制約などが発生する可能性があるなどの課題があります。
4,まとめ
ブロックチェーンは信頼性と透明性やセキュリティ向上が得られる一方で、さまざまな技術が使われているため日常生活への活用には課題を抱えています。そのためこの課題をどう解決していくかが今後のさらなる期待にもつながると思います。