はじめに
社内勉強会でRuby Gemについて勉強しました。その復習を兼ねて自身でGemを作りながら、Gemの作り方について書いていこうと思います。かなりシンプルな実装になるので、だいたい30分ぐらいで作れると思います。※事前準備に必要な時間は入れていないです。
ちなみに私の環境です。
Ruby version 2.6.3
Bundler version 2.0.2
Gemの作り方
事前準備
事前に以下の準備が必要です。
- Githubに今回作るGemのソースコードを置くための新しいリポジトリを作成
- RubyGemsのアカウント登録
- Bundler
- bundle -v をして
Bundler version 1.9.0
未満の場合、gem update bundler
してください。
- bundle -v をして
Gemのベースを作成する
Bundlerを使って作成します。Bundler無しでもGemの作成はできますが、現在はBundlerを使うのがスタンダードのような雰囲気があります。
bundle gem gem_name
で簡単にGemのベースを作成できます。
HelloWorldでも良いのですが、今回は某有名俳優をリスペクトしたGemを作っていこうと思います。
$ bundle gem fujitatsu
# 同じ名前のGemをRubyGemsにアップロードすることはできないので、適宜名前は変えてください。
bundle gem
コマンドを初めて使う場合は、テストをRSpecとminitestどちらで書くか、CODE_OF_CONDUCT.mdとLICENSE.txtを作っていいかを確認されます。
「テストをRSpecとminitestどちらで書くか」は慣れている方を選択すれば良いと思います。私はRSpecを選択しています。
「CODE_OF_CONDUCT.mdとLICENSE.txtを作っていいか」はYESで良いと思います。
- CODE_OF_CONDUCT.md
- gemへのすべての貢献者が従うことを期待する行動規範を提供します。
- LICENSE.txt
- MITライセンスが含まれています。
$ cd fujitatsu
$ tree
.
├── CODE_OF_CONDUCT.md
├── Gemfile
├── Gemfile.lock
├── LICENSE.txt
├── README.md
├── Rakefile
├── bin
│ ├── console
│ └── setup
├── fujitatsu.gemspec
├── lib
│ ├── fujitatsu
│ │ └── version.rb
│ └── fujitatsu.rb
└── spec
├── fujitatsu_spec.rb
└── spec_helper.rb
gemspecを修正する
gem_name.gemspecにはメタデータが定義されています。書き直すべきところは、TODOと書かれているので、これを修正していきます。修正しないとbundle install
をしたときに怒られます。
# 書き直すところを抜粋
# Gemの要約を書きます
spec.summary = %q{TODO: Write a short summary, because RubyGems requires one.}
# Gemの説明を書きます
spec.description = %q{TODO: Write a longer description or delete this line.}
# ホームページURL or GithubのリポジトリURLを書きます。
spec.homepage = "TODO: Put your gem's website or public repo URL here."
# https://rubygems.orgを書きます
spec.metadata["allowed_push_host"] = "TODO: Set to 'http://mygemserver.com'"
# GithubのリポジトリURLを書きます。
spec.metadata["source_code_uri"] = "TODO: Put your gem's public repo URL here."
# CHANGELOG.mdのURLを書きます。
spec.metadata["changelog_uri"] = "TODO: Put your gem's CHANGELOG.md URL here."
このファイルの下部にある次のコードは、依存しているGemが書かれています。
これはGemfileから読み込まれていますので、Gemを追加した場合はここに追記しています。
spec.add_development_dependency "bundler", "~> 2.0"
spec.add_development_dependency "rake", "~> 10.0"
spec.add_development_dependency "rspec", "~> 3.0"
修正が終わったら、依存gemをインストールします。
bundle install
コードを書いていく
libディレクトリにコードを書いていきます!
touch lib/fujitatsu/translator.rb
module Fujitatsu
class Translator
# 渡された文字列に対して、1文字ごとに濁点をつけて返す
def self.shout(word)
word.split('').join('゛') + '゛'
end
end
end
つぎにfujitatsu/translator.rb
を読み込めるようにrequire
します。
require "fujitatsu/version"
require "fujitatsu/translator"
module Fujitatsu
class Error < StandardError; end
# Your code goes here...
end
テストを書いていく
コードの品質を担保するためにテストを書きましょう。
Gemとして公開するなら、なおさら重要ですね。
今回テストはRSpecを使います。
mkdir spec/fujitatsu
touch spec/fujitatsu/translator_spec.rb
RSpec.describe Fujitatsu::Translator do
it "入力した文字に濁点をつけて返す" do
expect(Fujitatsu::Translator.shout("どうしてなんだよぉおお!!うわぁぁあああああああああああ")).to eql("ど゛う゛し゛て゛な゛ん゛だ゛よ゛ぉ゛お゛お゛!゛!゛う゛わ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛")
end
end
# テストを実行してみる
$ bundle exec rspec spec
Fujitatsu::Translator
入力した文字に濁点をつけて返す
Finished in 0.00275 seconds (files took 0.1878 seconds to load)
# テストが通った!
1 example, 0 failures
作ったGemを確認してみる
rake build
コマンドでpkgディレクトリにgemをbuildします。
buildが完了したらgem installをします。
$ rake build
fujitatsu 0.1.0 built to pkg/fujitatsu-0.1.0.gem.
$ gem install pkg/fujitatsu-0.1.0.gem
installができたら、irbを起動して、試してみましょう。
$ irb
irb(main):002:0> require "fujitatsu"
=> true
irb(main):003:0> Fujitatsu::Translator.shout "どうしてなんだよおおおおおおお"
=> "ど゛う゛し゛て゛な゛ん゛だ゛よ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛"
良い感じです!!!
RubyGemsにアップロードする
rake release
コマンドでアップロードできます。
※事前にRubyGemsのアカウントを登録して、プロフィール編集ページから~/.gem/credentials
ファイルを作成してください。
$ rake release
実際にできたもの
最後に
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Gemは簡単に作れることがわかったと思います!私の目標でもありますが、次は他の人にも使ってもらえるようなGemを作っていきたいですね!
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gem fujitatsu
も機能を充実させていきたい。- 濁点をつける実装を丁寧にする。(漢字や数字には濁点をつけないなど)
- 濁点をつけるだけでなく、セリフっぽく言い換えることができるようにする。