1
3

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

More than 3 years have passed since last update.

ATmega328Pに、FT232RLでスケッチを書き込んで、シリアルモニタも使う(Windows)

Posted at

FT232RLって、Amazonで安く売ってるんですよね

FT232RLを使ったUSBシリアル変換アダプタって、Amazonで1個500円前後で売られてたりします。
こんな形のやつ。
image.png

AVR-ISPのライターは3~4千円くらいするし、ArduinoUNOをISPにもできるけどそっちも3千円を超えるし。
なので、FT232RLを搭載した、汎用のUSBシリアル変換アダプタで、ATmega328PやATTiny85に書き込めるようにします。

必要なもの

  • ATmega328PとかATtiny85とか、とにかくAVR系のマイコン
  • FT232RLを使ったUSBシリアル変換アダプタ(CP2102でもいけるかも。)
  • USB miniBケーブル(変換アダプタの口に合わせてご用意ください)
  • ブレッドボード
  • ジャンパ線6本
  • ICソケット。なくてもいいけどブレッドボードが痛むらしい。安いブレッドボードをAVR書き込み専用にしてしまえば、なくてもいいような…
  • Arduinoの開発環境(今回はVSCodeとPlatformIOを例にしています。)
  • FT232-AVR Writer http://jsdiy.webcrow.jp/ft232_ftavrw/ 『昼夜逆転』工作室様
    • うちの環境ではavrdudeが「libftdiかlibusbが無い」って言って動かなかったので、ピン配置さえ変えればavrdudeでも動くんじゃないかと思います。

配線

ブレッドボードなどを使って、USBシリアル変換アダプタとATmega328Pなどを、このように配線します。
重要なのは「SCK」「RESET」「MISO」「MOSI」の4つのピンです。これらのピンの位置を、お使いのマイコンのピン位置に合わせてください。
この図ではATTiny85を例にしています。

image.png

FT232RLをArduinoのISPにする記事ではRTSピンを接続しているものが多いようですが、たいていの安い変換アダプタには、RTSが無くて、CTSのピンが生えているようです。なので、この記事ではCTSピンを接続しています。後述のFT232-AVR Writerの引数にピンを指定しているのでCTSピンできちんと動きます。
VCCとGNDは変換アダプタから取らなくても大丈夫です。

マイコンの情報を読んでみる

動作確認として、fuseの設定を読んでみます。
http://jsdiy.webcrow.jp/ft232_ftavrw/ から、FT232-AVR Writerをダウンロードして解凍してください。
コマンドプロンプトを起動したら、下記のコマンドを実行します。

ftavrw.exe -pa3410 -br9600 -r -rf

こんな風に表示されれば、適切に接続できています。

FT232 open
Target device = ATtiny85

Signature byte = 1E 93 0B
Flash memory size = 8192byte (64byte x 128page)
EEPROM size = 512byte (4byte x 128page)

Read fuse byte.
Low  =  01100010  62
High =  11011111  DF
Ext  =  -------1  FF

OSC Calibration byte : 0x00 0x01 = 136 60 (decimal)

FT232 close
Press any key.

fuseを設定する

ATTiny85とかATmega328とか、どれもこれも、ブートローダーすら書き込まれていない出荷状態のものは、内蔵RCクロックで1MHzで動作するように設定されています。
これを、内蔵RCクロックで8MHzで動作するように変更します。
もちろん、外部クロックで動作するように設定してもかまいません。

内蔵RCクロックの8MHzで動作させる場合、fuseのLowに 11100010(0xE2)を書き込みます。

ftavrw.exe -pa3410 -br9600 -fl11100010
FT232 open
Target device = ATtiny85

Write fuse byte : Low = 11100010 (-FL11100010 0xE2)
->Verify NG : Read =    00000000

FT232 close
Press any key.

Verifyに失敗していますが、うちではよくあることです。ノイズが多いのでしょうか…
確認のために読み取っておきましょう。

ftavrw.exe -pa3410 -br9600 -rf
FT232 open
Target device = ATtiny85

Read fuse byte.
Low  =  11100010  E2
High =  11011111  DF
Ext  =  -------1  FF

OSC Calibration byte : 0x00 0x01 = 136 60 (decimal)

FT232 close
Press any key.

大丈夫なようです。
MISOとMOSIをプルアップしたりすれば、もっと高速に通信できると思います。わたしの回路は手抜きです。
-br9600 の部分がbaudrateなので、変えて試してみてください。

スケッチを書く

なんでもいいんですが、今回はLチカとソフトウェアシリアルのスケッチを書きました。
ソフトウェアシリアルの容量が大きいので、Flashが2KBしかないマイコンには書き込めません。そういう場合はシリアルモニタを諦めましょう…

#include <Arduino.h>
#include <SoftwareSerial.h>

#ifdef PIN_RX
    SoftwareSerial SSerial(PIN_RX, PIN_TX);
    #define LOG(str) SSerial.println(str)
#else
    #define LOG(str)
#endif

void setup() {
    #ifdef PIN_RX
    SSerial.begin(9600);
    #endif
    LOG("init");
    pinMode(PIN_LED, OUTPUT);
}

bool on = false;
void loop (){
    char msg[] = "loop:       ms";
    ultoa(millis(), msg + 7, 10);
    LOG(msg);
    on = !on;
    digitalWrite(PIN_LED, on ? HIGH : LOW);
    delay(1000);
}

PlatformIOの準備をする

platformio.ini に設定を書く

後述するPythonスクリプトも必要なのですが、まずはiniの、envに下記のように記入します。
envの名前とbuild_flagsの部分は適宜変更してください。

[env:ATTiny85-20PU]
board = attiny85
platform = atmelavr
extra_scripts = extra_script.py
framework = arduino
upload_protocol = custom
upload_flags = 
	-pa3410
	-w2
	-v-
	-br9600
monitor_speed = 9600
build_flags = 
	-DPIN_LED=4
	-DPIN_RX=0
	-DPIN_TX=1

extra_script.py を設置する

platformio.ini と同じディレクトリに、 extra_script.py を設置します。
UPLOADERの部分は環境に合わせていじってください。この例ではplatformio.iniと同じディレクトリに ftavrw フォルダがあることになっています。

extra_script.py
Import("env")

platform = env.PioPlatform()

env.Prepend(
    UPLOADERFLAGS=[]
)
env.Append(
    UPLOADERFLAGS=[]
)
env.Replace(
    UPLOADER="$PROJECT_DIR/ftavrw/ftavrw.exe",
    UPLOADCMD="$UPLOADER $PLATFORMIO_UPLOAD_FLAGS $UPLOADERFLAGS $BUILD_DIR/firmware.hex"
)

アップロードする

こんな風に、platformioからftavrwが呼び出されます。
Desktop-2020.07.06---15.03.gif

シリアルモニタについて

シリアルモニタに触れてませんが、スケッチでSoftwareSerialを初期化してるので、アップロード出来てればシリアルモニタも使えるはずです。
大切なことは、ATtiny(またはATmega)のMISOとFT232のRXを、MOSIとTXを接続することです。
それで、Flashライターとシリアルモニタの機能を両立できます。

FT232RLって、Amazon以外でも安く売ってるんですよね

AliExpressなんて、ものによっては$2未満です。
JTAGとかが使える上位のチップがあるので、古くて下位なチップは投げ売りされてるんでしょうかね。
とにかく安くて、ブレイクアウトボードから生えてる6ピンをブレッドボードに挿してminiUSBを挿せば、書き込みが出来てシリアルモニタも出来るようになるので、個人的にはArduinoUNOをISPにするよりお手軽かなと思っています。
それではみなさん、世界をLチカで幸せにしましょう~

1
3
11

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
1
3

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?