なぜこの記事を書こうと思ったのか
私は29歳の時に未経験からIT業界に転職しました。その際、実際に役立った勉強方法や、逆にあまり効果がなかった学習内容について共有したいと思い、この記事を書きました。振り返ると、無駄が多かった学習や、不安を解消するためだけに行っていた勉強もありました。これからIT業界を目指す方や、転職を検討している方々に少しでも参考になればと思います。
記事の注意点:IT未経験者にとって最高の勉強方法という記事ではありません。あくまでも自分が経験した内容の共有です。
経歴
29歳の時に未経験からIT業界に転職しました。前職ではITとは無縁の車部品の営業をしていました。
開発経験:JAVA、PHP(Laravel)
備考 :実務におけるAWS開発は未経験(趣味でサイトを構築)
現在は開発に集中することが少なくなり、他の業務が増えています。
転職前後に行った勉強一覧
転職を考え始めてから半年間、前職の業務を続けながら勉強を進めました。その際に行った勉強内容は以下の通りです。土日をほぼ勉強に充てていたため、かなりの勉強量でしたが、未経験者の方がここまで勉強する必要はないかもしれません。
転職前に行った勉強
勉強内容 | 所感 |
---|---|
プラグラミングスクール見学 | いくつか見学しましたが、料金が高く、また開発経験1年程度のメンターが多かったため、見学のみで帰りました。 |
プログラミングの勉強 | PaizaかProgateでHTML、CSS、JS、PHPを勉強しました。 |
IT資格取得 | ITパスポートの勉強をし、基本情報技術者試験の取得を目指しましたが、基本情報は取得できませんでした。 |
Wordpressでサイト構築 | YouTubeの動画を見ながら、WordPressでサイトを構築しました。 |
当時は情報の入手方法がわからず、プログラミングスクール見学で「PHP(Laravel)またはRuby(on Rails)をやっておけばいい」と言われたことに影響されたり、一時期はUnityにも手を出し迷走していました。
転職後に行った勉強(転職後1年)
勉強内容 | 所感 |
---|---|
IT資格取得 | AWSのCLF(クラウドプラクティショナー)とSAA(ソリューションアーキテクト アソシエイト)を取得しました。 |
静的なWebサイト構築 | AWS S3上にHTML、CSS、JSを使用して静的なWebサイトを構築しました。コードは拾ったものを改修した程度です。 |
PHPで簡易なサイト構築 | Udemyのコースを見ながら、AWS上にサイトを構築しました。 |
転職時に役に立った事
①サイトの構築
人によって異なるかもしれませんが、私にとって最も役立ったのはWordPressでサイトを構築したことです。実務で実際に触れることはあまりないのですが、一通りの構築経験は、転職当初、IT用語が飛び交う中で、ある程度理解できたのが大きかったです。実際にドメインを購入したり、レコード設定、DBの中身を見たりした経験が、会話を理解する助けになりました。
通常、WordPressはDBを触らなくても運用可能です。SQL文でデータを削除したり、どこのテーブルに何があるのかを探したりと、半日かけて無駄なことをしていましたが、結果的にそれが役立つこともありました。
②資格の勉強
基本情報技術者試験(取得はしませんでしたが)を勉強する中で、たくさんの専門用語を覚えました。その後、サイトを構築したり、AWSを触った際に、ドメインやレコード、CIDRなどの言葉が自然に理解でき、スムーズにサイトを構築できました。資格取得が無駄だという声もありますが、未経験者が開発現場に投入される際、最低限の共通言語やITリテラシーがなければ、会話を理解するのが難しいと思います。
もっとこうしておけばよかった
①プログラミング言語の勉強時間の短縮
HTML、CSS、PHPの勉強に数か月かけましたが、もっと短期間で良かったと思います。当時はプログラミングをきっちり覚える必要があると考え、不安を打ち消すためにPaizaやProgateを何周もしていましたが、2〜3周で十分だったと思います。その後、実際にWordPressやPHPでサイトを構築する際には、サンプルコードを修正して作り上げていくことで、必要なことは勉強できました。PaizaやProgateはもちろん良いサイトですが、開発においてはわからないことを調べる能力が非常に重要です。この能力は実際にサイトを構築する中でしか身につかないと感じています。
②お金をある程度かける
Webサイトを構築する際、無料のYouTube動画を見ていましたが、想像以上に時間がかかりました。現在はYouTubeでも良質な勉強動画が増えていますが、未経験者がどの動画が良いかを判断するのは難しいです。そのため、早い段階でUdemyなどに多少のお金をかけておくべきだと感じました。無料のコンテンツは、コードがうまく動かない時、対処が難しい場合が多く、特に未経験者にとっては、質問ができる環境やサポート体制が重要だと思います。
作りたいものがあれば、作りたいものを作るのがITにおける最高の勉強法です。
多くの人は作りたいものは最初からないので、Udemy等で少しでも興味のあるものがあれば、とりあえず作ってみるのが大事かと思います
転職後の勉強範囲
転職後、半年ほどで実務の範囲で自然と知識が身につくことを感じたため、自学習では実務とは異なる範囲をメインに勉強しています。私の場合、AWSを実務で触る機会がほとんどないため、AWS上にアプリを構築したり、資格試験を受けたりしています。周りの人と差をつける必要はないと思っていますが、できる限り、周りの人が知らない知識を身に着け、職場で役立つ部分を持つことを意識して勉強しています。
人によっては実務で広大な範囲を任せられる場合もあるかと思います。その場合は実務範囲も自学習の範囲に含めるべきかと思います。
さいごに
転職後の実務内容や、転職までにどれくらい時間を費やせるか、前職の経験などによって、取るべき学習の方向性は人それぞれだと思いますが、私の経験を共有しました。最初はわからないことだらけで、一日何をしていたのだろうと思う日もありましたが、そういった経験をしておいて良かったと今では思います。
現在、2024年におけるITやプログラミングを学ぶ環境は昔より充実しており、ハードルは下がっていますが、それでもある程度の勉強は必要です。最初は時間がかかるかもしれませんが、皆さんと共に一歩一歩、ITや周辺知識を学んでいければと思います。