概要
IaaS、PaaS、SaaS、
クラウドストレージに各種フォームサービス、などなど。
クラウドサービスって便利ですよね。
これらの浸透により、
フルスクラッチでサービスを自作するよりも、
手軽なサービスを利用した方が、開発・運用コストは安く済むでしょう。
しかし、、、
自動車や飛行機がそうであるように、
絶対安全なサービスはまずないと思います。
この記事では、
そんなクラウドサービス利用時のトラブル事例について紹介します。
対象とする読者
- クラウドサービスに興味がある方
- クラウドサービスを利用中の方
- その中で、トラブルに対して備えたい方
よくあるトラブル事例
以下は、私が有償のクラウドサービスを利用していた際に発生した、トラブルの事例です。
ライセンス切れに気づかない
有償サービスには基本、ライセンス(使用許可証)が存在します。
ライセンスには有効期間があり、それを更新しなければサービスは使えなくなります。
サービス自体のライセンスは、事前の通知などで気付きやすいのですが、
サービスによっては、
個々の製品 や API に個別のライセンスが設定されていて、
しかも、有効期間がサービス自体のそれと違う なんてこともあります。
サービス自体は使えるのに API が動かない、
そんなこともありました。
この辺りはサービスを使う前に
「どの製品(API)にいつまでのライセンスがあるのか」を確認、管理しておく必要があります。
もしくは、自動更新の仕組みや通知を、サポート経由で相談しても良いでしょう。
サポート対応がいまいち
有償サービスには大体サポートが付きます。
ただ、これがどこも同じレベルかというと、そうではありません。
大きなサービスでも、ダメな所はダメです。
特に海外のサービスでは、
返答がなかなか返って来なかったり、
そもそも英語なので会話し辛い、ということもあるでしょう。
とはいえ、お金を払っているので、
前者は、担当者を変えてもらうなど、文句を言っても良いと思います。
後者は、大きな企業なら大体日本の窓口がありますので、
そこを通してもらうと良いでしょう。
もしお金があるのであれば、中継企業※の力を借りるのも手です。
※中継企業:海外の企業との連絡の橋渡しとなる企業
製品の不具合
クラウドサービスでも当然不具合は発生します。
サービス側が報告してくるケースもあれば、
利用者が偶然発見することもあるでしょう。
サービスを使う我々エンジニアからしてみれば、サービス側の不具合ですが、
エンドユーザからみれば、どちらも同じ不具合です。
自前で改修できない分、スケジュールを立てにくいので、
前述のサポートとの連携を密にしておく必要があるでしょう。
改修されるまでは、以下の点の考慮が必要です。
- サービス側への改修見込みの確認
- エンドユーザへの復旧までのアナウンス
- サービスの不具合を回避する迂回策
- 該当機能の使用を抑止する、不具合が出る手順をエンドユーザに明示する など
サービスの譲渡
サービスは継続するが、違う会社に譲渡されてしまうケースです。
サービスの内容が変わることもあれば、
利用条件や契約内容が変わる可能性があります。
サポートなども停止してしまう可能性が高いので、
譲渡先の担当者と密に話をしておく必要があります。
ざっと確認するとしたらこんな所。
- 今まで通りに機能が使えるか
- 契約面の確認(期間や金額はどうなるのか)
-
新しい担当者の確認
- 今までの担当がそのまま引き継ぐとは限らない
- 知らないうちに自社との担当がいなくなる、ということも
サービスの停止(サ終)
サービス自体が終了してしまうケース。
こうなると移行先の別サービスを探すか、自作するしか手が無いでしょう。
以前、急にサービス終了通告を受け、
他に同様のサービスが無いため、フルスクラッチで自作する、
という事態に遭遇しました。
幸い、アナウンスと同時に即時終了することはまずないので、
終了までの猶予期間で、他サービスへの移行や自作の道筋を立てましょう。
まとめ
いかがでしょうか。
クラウドサービスは、サービスを仮想的に提供してくれますが、
反面、サポート対応やサービス終了などの物理的な欠点もあります。
全体的に、クラウドサービス側と連携を密にすることで、
ある程度のトラブルは防げると思います。
教訓
クラウドサービスは、
契約したら何も考えずに使っていればOK!
ではなく、
サービスの状況(ライセンスなど)を都度確認したり、
サポート担当と連絡を密にすることも大事、
ということを覚えておきましょう。
クラウドサービスごとにチーム内で担当者を決めておき、
契約周りやライセンス、サポートとの会話の記録を整理しておくと
チーム内での連携や引継ぎもできて便利です。