はじめに
最近、音声入力の便利さに目覚めました。使っていくなかで、macOSでの単語登録方法や音声入力特有の不具合の対処法(シェルコマンドの活用)など、いくつかのハックを発見しました。
3〜4年前より、若い人たちから音声入力を勧められていたものの、聞き流していました。キーボード入力のスピードが速いことについて、まあまあ自信があったからです。しかし音声入力を実際に使ってみて、その便利さに驚きました。
そこで、この記事では、発見した音声入力の便利な使い方や、問題を解決するための方法について、簡潔にまとめてご紹介したいと思います。
音声入力の便利さについて
音声入力を便利に使うためには、多少考え方を変える必要があると思います。
1つ目は、とりあえず話し始めること+遠慮なく途中で止まる(音声入力を待たせる)こと。
2つ目は、音声入力の精度をあまり気にしないことです。音声入力の精度は感覚的には70%〜80%ぐらいです。手直しをせずに使えるほど正確ではありません。でも、変換操作がないのは、想像以上に快適です。とりあえずざくっと入力し、キーボードを使って修正する手順の方が、ストレスが少ない実感があります。
音声入力を開始するショートカットキー
macOSの場合、「システム環境設定」でショートカットキーが設定できます。デフォルトは地球マーク(グローブキー)の2回押しです。Happy Hacking Keyboardにグローブキーがないので、カスタムのショートカットキーの設定が必要になります。どのキーの組み合わせが良いかは、ChatGPTに相談しました。おすすめのなかからoption + S
を選びました。これはとてもいいです。
macOSでの単語登録方法は?
macOSでの音声入力の最大の欠点は、単語登録ができないことです。「システム環境設定」で単語登録をしても反映されません。仕方がないので、連絡先を利用しています。 連絡先に書かれている名前と読み仮名を反映しようとする挙動を利用して、よく使う単語を連絡先に登録しています。
これは本来、macOSで音声入力の単語登録をできるように作るべきところです。あまり筋の良い回避策ではないと思うのですが、単語登録できない事は、あまりにも不便なので、このような暫定的な措置をとっています。将来的には不要になるはずなので、通常の連絡先と混ざらないように「音声入力の単語登録用」とリストを作ってここにまとめています。
ちなみに、macOS用に作っておくとiPhoneでも登録単語が使えるのも、地味に便利です。
音声入力特有の不具合と対処法
macOSの音声入力で困っていることは、しょっちゅうしょっちゅう半角スペースが入ること。「かっこ」と言えば「(」を入力してくれるのですが、半角の「(」になってしまうことです。半角スペースのほうは、英語を想定すると当然そのような挙動になるのですが、日本語にとっては不便でしかありません。「(」が半角であることは納得できませんが、変更方法が見つからないので、どうにもなりません。
これを手で直すのは、毎回毎回100%発生することなので、あまりにもめんどくさいです。そこで簡単なシェルスクリプトを作って、Alfredから shift + command + delete
で起動するようにしました。
# 第1引数から半角スペースを除去し、変数no_space_inputに代入する。
no_space_input="${1// /}"
# 連続する2つの改行を1つにする
single_linebreak=$(echo "$no_space_input" | awk 'NF{print $0"\n"}' | awk -v RS= -v ORS='\n\n' '1')
# 全角文字に変換
fullwidth_open_paren="${single_linebreak//(/(}"
fullwidth_close_paren="${fullwidth_open_paren//)/)}"
# 結果を出力
echo -n "$fullwidth_close_paren"
こういうコードも、ChatGPTの力を借りると簡単に作れました。職業的プログラマではない人間が、カジュアルにコードを書くのは本当に便利になりました。
まとめ:音声入力でストレスフリーな文章入力を手に入れよう!
音声入力を使うことで、キーボード入力よりもストレスが少なく、より快適に文章を入力することができます。しかし、音声入力には精度に関する問題があります。そのため、手直しを減らせるような、使い方の工夫が必要です。
macOSでは、単語登録ができないという欠点がありますが、この問題を解決するために、連絡先に名前と読み仮名を登録することで対応しました。
また、音声入力には半角スペースが入り込んでしまうという問題もありますが、シェルスクリプトを使ってこの問題を解決することができます。Alfredと組み合わせることで、ショートカットキーを利用して簡単にスクリプトを起動することもできます。
今後も、より使いやすい方法を模索していきたいと思っています。音声入力を活用することで、より快適な入力環境を手に入れましょう。
環境
- Alfred 5.0.6
- macOS Venture 13.1
- MacBook Pro (14-inch, 2021)