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メールをLINEグループに転送するGoogle Apps Script(改良版)

Last updated at Posted at 2021-08-10

背景

以前にメーリングリストの投稿をLINEグループに転送するGoogle Apps Script(GAS)について書いた。

特定のメールをLINEグループに転送できると(相変わらず)便利だし、知人からの問い合わせからもいただいている。ところが、スクリプトにバグがあって、期待通りに動いていなかったので修正した。

「GASで特定のメールを抽出して処理する」ことができれば、LINEグループへの転送だけじゃなくて、いろいろ応用範囲が広いとおもわれる。(他のメッセージアプリへの転送、スプレッドシートへの転記など)

環境

ここで書いていることは、下記のバージョンで実施しました。

  • Gmail(フリー版)
  • Safari バージョン14.1.2 (16611.3.10.1.3)
  • macOS BigSur 11.5.1

この記事の記述範囲

大まかな手順は下記の通り。

  • LINE Notifyのトークンを取得する
  • Google Apps Script(GAS)を調製する ★
  • Google Apps Script(GAS)のトリガーを設定する
  • LINEグループにLINE Notyfyを招待する

今回は★部分についての記事。その他の箇所に関しては下記リンクご参照。

Google Apps Script(改良版)


var lineToken = "xxxxxxxx";  // LINE Notifyのトークン
var intervalMinute = 5; //●分前~現在の新着メールを取得 #--トリガーの時間間隔をこれに合わせる

/**
 * 取得したメッセージをLINEに転送します
 */
function main() {

  // 転送するメッセージを取得
  var newMessages = fetchMail();

  // 取得したメッセージをLINEに転送
  newMessages.forEach( msg => {
    console.log("msg: " + msg);
    forwardLine(msg);
  })

}

/**
 * 転送するメッセージを取得します
 */
function fetchMail() {

  // 取得の基準時刻をセット
  var nowTime       = Math.floor( new Date().getTime() / 1000 );  // 現在時刻
  var referenceTime = nowTime - ( ( intervalMinute * 60 ) + 3 );  // 秒に変換し、さらに3秒前に

  // 検索条件を指定
  // NOTE: 「転送用」ラベルをGmailで指定しておくこと
  var strSearch = '(label:11_xxxx転送用 after:' + referenceTime + ')';

  // スレッドを検索して取得
  // NOTE: 念の為10スレッドに制限
  var arrThreads = GmailApp.search(strSearch, 0, 10);

  // スレッドからメッセージを取得
  // NOTE: 二次元配列で、[[スレッドのインデックス][メッセージのインデックス]]で参照できる
  var arrMsgs = GmailApp.getMessagesForThreads(arrThreads);

  // ①基準時刻より後で、②エラーメッセージではないもの(正常メール)を抽出し配列に格納
  var newMsgs = [];

  arrMsgs.forEach( thread => {
    thread.forEach( msg => {

      // ①秒換算し、基準時刻より後かを判定(boolean)
      var isAfter = ( (msg.getDate() / 1000 - referenceTime ) > 0 );

      // ②正常かを判定(boolean)
      var isFine  = msg.getSubject().startsWith('[');

      // log for debug //
      // console.log('isAfter: ' + isAfter);
      // console.log('isFine:  ' + isFine);
      // console.log('msg.getDate(): ' + msg.getDate());
      // console.log('msg.getSubject(): ' + msg.getSubject());

      if (isAfter && isFine) {
        // メッセージ文字列を生成
        var strMsg = " "
          + Utilities.formatDate(msg.getDate() , 'Asia/Tokyo', 'MM/dd HH:mm')
          + "\n\n[送信者]" + msg.getFrom()
          + "\n\n[件名]"   + msg.getSubject()
          + "\n\n[本文]\n" + msg.getPlainBody();
        // 配列に追加
        newMsgs.push(strMsg);
      }

    })
  })

 return newMsgs;
}


/**
 * LINEにメッセージを転送します
 * @param {String} Me メッセージの内容
 */
function forwardLine(Me) {

  var payload = {'message' : Me};
  var options = {
    "method"  : "post",
    "payload" : payload,
    "headers" : {"Authorization" : "Bearer "+ lineToken}  
  };

  UrlFetchApp.fetch("https://notify-api.line.me/api/notify", options);

}


ほとんどコメントに書いてあるが、若干補足。

基準時刻のセット

// 取得の基準時刻をセット
var nowTime       = Math.floor( new Date().getTime() / 1000 );  // 現在時刻
var referenceTime = nowTime - ( ( intervalMinute * 60 ) + 3 );  // 秒に変換し、さらに3秒前に

Google Apps ScriptでGmailの情報を取得する際に、受信日時を細かく指定する方法 - Qiita
にあるとおり、

  • 日時でなく、秒(UNIX時間)で検索条件を設定できる
  • getTime()はミリ秒を返すので、検索のために秒に変換(÷1000)する

ただし、UNIX時間をつかっても、メールの検索はできない(スレッドの検索のみ可能)ので、スレッドに含まれる過去メールを引っ張ってきてしまう。

また、+3秒というのは適当で、GASの実行時間を考慮し、メールの取りこぼしを防ぐため。

// ①秒換算し、基準時刻より後かを判定(boolean)
var isAfter = ( (msg.getDate() / 1000 - referenceTime ) > 0 );

ここも考えかたはおなじで、個々のメッセージの日時がミリ秒で取れるので、秒に変換したのち、基準時刻と比較。

スレッドの検索

// スレッドを検索して取得
// NOTE: 念の為10スレッドに制限
var arrThreads = GmailApp.search(strSearch, 0, 10);
  • GmailApp.search(query, start, max)
    • スレッドを対象に検索(メールを対象に検索はできない)
    • startは開始番号
    • maxは取得スレッドの最大数
    • 返り値はGmailThread[](スレッドの1次元配列)

取得スレッドが大きくなると、実行時間制限にひっかかる。いまの使い方で取得スレッドが多くなることは有り得ないが、万が一の場合のリソース消費を抑えるために最大数を記述しておいた。

改良点

過去記事のスクリプトとの違いは下記。

  • 転送するメールの件数
    • Before: Gmailのスレッドごとに、いちばん新しいメール1通を転送
    • After: Gmailのスレッドに含まれるメールのうち、指定時刻より後のメールをすべて転送
  • 転送するメールの条件
    • Before: エラーメールであっても転送する
    • After: エラーメールは転送しない
  • リファクタリング
    • 変数名の明瞭化、forループをforEachに変えて見通しを良くした

(参考)Gmailのしくみの前提

Gmailの構成は、GmailApp > スレッド > メッセージ(メール)になっている。スレッドに紐付かないメッセージは存在しない。

  • 検索は、スレッドに対して行われる(メッセージに対する検索はGASにない)
  • ラベルは、スレッドに対してつけられる(メッセージに対してではない)
  • 設定でスレッド表示のON/OFFができるが、表示を変えられるだけで、内部機能としてはスレッドが生きている

この前提を理解するのにいちばん時間がかかった。

(参考)過去記事のGASのバグの現象と原因

現象

  • メーリングリストでエラーメッセージが返ってくると、LINEグループにはエラーメッセージしか転送されない

原因

  • エラーメッセージは数秒で返ってくる
  • GASは5分おきにcronしている
  • スクリプトが「5分以内に届いたスレッドのうち、最新のメッセージ1通を転送せよ」という記述になっていた

よって、エラーメッセージが返ってこない場合は、期待通りにメッセージがLINEに転送されるが、エラーメッセージが返ってくると、エラーメッセージだけLINEに転送されていた。

また、続けてメーリングリストへの投稿があると(めったにないが)、最新の1通のみ転送されていた。

リンク

過去記事へのリンク

その他リンク

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