はじめに
前回の記事では、Vimライクなキーボード操作がたのしいRangerをご紹介しました。macOSでも、Ranger+キーボードはなかなか心地がよいものです。
前回は、ウェブ上にすでにある、素晴らしいリソースのご紹介まででした。今回は、macOSでつかうときに、いい感じになる設定のコツなどをご紹介しようと思っていたのですけれども、かんがえをあらためまして、「困ったときの対処法」のメモにすることにします。
はじめかたと、おわりかた(正常系)
はじめかたは、iTerms2などのターミナルエミュレータで、
$ ranger
です。するとこんな画面でRangerが起動します。
終了するときは、q
です。ただしく言うとq
は「タブを閉じる」コマンドで、すべてのタブを閉じると、Rangerが終了します。
タブを複数ひらいているとき、q
を連打すると、いずれはRangerが終了します。q
を連打したくない場合はQ
です。1キーで、すべてのタブを閉じてRangerを終了します。
おわりかた(異常系)
こまったことに、Rangerは固まったり、q
で終了できないことが、わりとあります。
よくあるのが、q
を押すと、画面の左下にNot Not quitting: Tasks in progress: Use 'quit!' to force quit
と表示されるパターンです。右上に、棒のようなものがクルクル回っているとおもいます。
こういうときは、あわてずさわがずキーボードで:quit!
と打ちます。タブをたくさんひらいているときは:quitall!
がよいでしょう。画面の左下のメッセージどおりに(:
を頭につけて)打てばよいです。
バックグラウンドでタスクが走っているのが原因であることがほとんどです。
w
キーでtaskview画面を開き、カーソルをタスクに合わせてdd
すると、終了を邪魔しているタスクを終了させられます。
おわりかた(もっと異常系)
さらに困ったことに、ごくまれにRangerが固まることがあります。:quit!
と打とうにも、キー入力に反応しません。
そういうときはCtrl-z
です。シェルのプロンプトに戻るので、jobs
で数字を確認して、kill
します。
$ jobs
[1] + suspended ranger /Users/users/Downloads
$ kill %1
[1] + 42198 exit 1 ranger /Users/user/Downloads
$ jobs
これでRangerが終了したので、ふたたびranger
と打てば再起動します。
単に操作がきかなくて困っているだけの場合は、Ctrl-z
でシェルのプロンプトに戻り、そのまますぐにfg
して戻ると、動いていることが多いです。こちらの操作もお勧めです。
そのほか、戻りかた
だいたいesc
を押すか、:q
とタイプすれば戻れます。どんなときでも、Ctrl+z
→kill %1
→ranger
とすれば、Rangerを強制終了させられます。
おわりに
いざというときの終了の仕方のご紹介でした。とにかく「原状復帰」ができれば、トライアル&エラーもやりやすいとおもいます。いろいろさわって探索するのがなによりです。
その3以降では、あらためておすすめのカスタマイズ設定をご紹介したいとおもいます。ハッピーキーボード生活の一助となれば幸いです。
ご参考
一連の記事
- その1:Rangerの魅力的なリソースをウェブからピックアップ
- その2:「終われない問題」への対処法
- その3:標準機能の中から、特に便利な機能の紹介
- その4:カスタマイズして便利な機能の紹介
- おまけ:カラースキームのオススメの組み合わせ
環境
- ranger 1.9.3
- Python 3.11.4
- iTerm Build 3.4.19
- macOS Ventura 13.4.1
- MacBook Pro (14-inch, 2021)