はじめに:USキーボードとiPad、そしてmacOSのIMEに関する困りごと
USキーボードを愛用しているのですが、iPadでの使用に際し、IMEの切り替えがきわめて不便と感じていました。もちろん、地球儀キーやctrl+spaceでIMEのオン/オフをトグルする方法はありますが、もっと明確に操作したかったのです。具体的には、「特定のキーでIMEオフ、別のキーでIMEオン」という操作です。最適なのは、macOSと同様に、左cmd短押しでIMEオフ、右cmd短押しでIMEオンになること。これまで様々な手法を試してきましたが、AppleのiPad入力システムの制限により、願い通りの設定を実現することができませんでした。
一方、macOSでも別の問題がありました。Karabiner-Elementsという神ユーティリティを使っていますが、キーのタイミングによっては、誤ってcmdキーと認識される事態がしばしば。たとえば、短く左cmdキーを押し、IME OFFにしたつもりが、実際にはcmd+wと解釈されてしまい、ウィンドウが閉じるなどの誤操作が頻発していました。
しかし最近、NuPhy Air60 V2を導入したことで、これらの長年の悩みが一挙に解決しました。VIAというツールでキーマップをカスタマイズすることで、長年の悩みを払拭できたのです。この解決策に大変満足しており、その手順を皆さんにも紹介したいと思います。
環境
- NuPhy Air60 V2
- macOS Sonoma 14.1.2(23B92)
- MacBook Pro (14-inch, 2021)
今回はNuPhy Air60 V2ですが、VIAが使えるなら同じことができるはずです(未検証)。
VIAを使えるようにする
VIA Usage Guide for NuPhy Keyboardsページに沿って準備します。
- JSONファイルを取得:JSON files for NuPhy keyboards
- usevia.appページをブラウザで開く
- Settingsタブで、
Show Design Tab
をON
にする - DesignタブでJSONファイルを読ませる
- キーボードをUSBで接続し、Configureタブで、キーボードを選ぶ
キーを設定する
- Layer 0で、左Commandキーを選択(ゆっくり点滅する)。
- Keymap > Special > Any を押下
-
MT(MOD_LGUI,KC_HANJ)
と入力 - 同様に、右Commandキーに対して
MT(MOD_RGUI,KC_HAEN)
と入力- なぜか勝手に
MT(MOD_LGUI | MOD_RGUI,KC_HAEN)
に書き換えられてしまいます
- なぜか勝手に
MTとはMod-Tapのことで、QMKのタップダンス機能を使っているとのこと。MT(A,B)で、長押しならA、短押しならBと判定されます。
KC_HANJは漢字キー、KC_HAENはハングルキーです。ほんとうはキーコードを直接指定したほうが明確なのだろうと思いますが、動いているので追究していません。
おわりに:VIAによるIMEトラブル解消
この記事では、USキーボードとiPad、あるいはUSキーボードとmacOSにおける、IMEの困りごとについて、対応策を紹介しました。NuPhy Air60 V2の導入とVIAツールを活用することで、長年の悩みを解決することができました。
わたしが困っていたのは、iPadでのIMEの不便な切り替えと、macOSでの誤操作の多発でした。これらの問題を解決するために、NuPhy Air60 V2のカスタマイズ機能を利用しました。VIAを用いることで、左右のCommandキーの短押しをそれぞれIMEのON/OFFに割り当てることが可能になり、スムーズな操作を実現しました。これにより、iPadはもちろん、macOSにおいても快適なキーボード操作が可能になりました。
この記事ではNuPhy Air60 V2を扱っていますが、VIA対応のキーボードなら同じことができるはずです。また、Mod-Tap機能で、キーの長押しと短押しで異なるキーを割り当てることは、多くのケースで役立つテクニックではないでしょうか。
謝辞
@taroleoさんの下記ツイートが突破口となりました。深く感謝申し上げます。
NuPhy Air60 v2の短い右シフトキーの誤爆を防ぐには、VIAで↑キーをMT(MOD_RSFT, KC_UP) に設定すると安心。押している間だけシフトキーとして動作し、単体で押すと↑キーになるようにできる。 pic.twitter.com/miSxG5Y3dQ
— Taro L. Saito (@taroleo) December 6, 2023