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黙読ベンチマーク

Last updated at Posted at 2022-03-03

黙読とは - コトバンク

〘名〙 声に出さないで、目だけで読むこと。目読。

いや、そんなの知ってるよ!!という方、実は黙読にも種類があるというのはご存知でしょうか?

  1. 発声しないだけで、頭の中で音を再現している 「黙読」
  2. 頭の中でも音を再現しない黙読 => 「視読」

この「視読」 は、本を早く読む方法として、よく紹介されているのですが、難しいのです。今までの人生で、本を黙読する時は音読と同じように脳内で音を出して読んできたため、脳内の声を黙らせることができないのです。

しかし2021年、私の読書方法探求の末に「視読」を行う2つの方法を見つけることが出来ました。

① 脳の声を追い越す方法

目を高速で動かして、脳内で再生する音がついてこれない速度を出す方法です。「このスピードにはついてこれまい」という速さで文章を読むことで「視読」を達成します。この方法は自分で編み出しました。

② 脳内で意味のない声を出し続ける方法

独学大全という書籍の十二章で紹介されていた方法です。「レロレロ」とか、「アエイオウ」といった意味を持たない単語を脳内発声しつつ読むことで、「視読」を行います。

黙読ベンチマークとは?

今回の本題です。エンジニアには有名な格言があります。それは

推測するな!計測せよ!

「視読」に注目した元々の動機は "本を速く読みたい" でした。であれば、実際にどの黙読方法が最も速く・効果的に読書できるのかを計測するべきです。計測して結果を考察すれば、どの黙読方法を選択すれば良いのか、数値で具体的に判断することが出来ます。

計測対象は、井上靖の「しろばんば」第一章を読み切るまでの時間です。
※各方法においては、速度の限界を目指して頑張るものとします。

計測結果

黙読方法 速度 理解度
脳内で音読する方法 13分34秒 深い。情景が頭に浮かび、登場人物が映像で浮かび上がる。おぬい婆さんが作る味噌汁の匂いがした気持ちがあった。読んでいて気持ちが良い。
脳の声を追い越す方法 3分54秒 浅い、単語がところどころ消える。非連続的な写真を眺めていくような気持ち。脳が忙しい。ただ、意外なほどに頭には情報が入ってくる。
脳内で意味の無い声を出す方法 4分30秒 理解度は中くらい、今回は「アエイオウ」と唱えながら読んだが、実感としてかなり文書が読めている感じがした。

考察

今回、ベンチマーク対象の書籍に「しろばんば」を選択したのは、小説であれば文章構造から要約することが難しいため、文字を読むという行為の純粋なスピードを測れるのではと思ったためです。また「しろばんば」は、私の好きな小説で、何度も読んでいます。繰り返しのテストでも、事前理解度の違いによる差異が生じにくいと考えました。

個人の感想ではありますが、 「脳内で意味の無い声を出す方法」 が理解度のバランスも良く、またスピードもある程度出せるので良いなという感じがしました。ただし、脳内で「アエイオウ」を言い続けるのは結構しんどいかったです。

新たな発見としては、 「脳内で音読する方法」 を忠実に実行するのは大変だということです。普段の私は、知らず知らずのうちに読み飛ばしをしていたようです。しっかりと脳内音読を行うと、読む速度は遅くなりますが、小説が映像で再生されていくようで、読書体験としては一番素晴らしかったです。

最後に

結局、今回分かったことは、読書速度を下げると理解度が上がるという、直感的に分かるような当たり前の結果ではありました。この結果を踏まえた上で、本の種類や時間的余裕に合わせて読書法を選択すると、効率的で豊かな読書ライフを送れるのではないでしょうか。

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