経緯
2015年4月に「「納品」をなくせばうまくいく」を読んでいくなかで 161 ページに「アジャイルソフトウェア開発宣言」を改めて見たことと、地理空間情報を扱うにあたって、データをRDBMSに取り込むところに労力を消耗してしまう現実を改めて認識したこと、RDBMS取り込みのスキル習得のためにウェブ地図ライブラリーのスキル習得が後回しになっているような状況が見られたことから、つまり地理空間情報の表現を最初に考えて、そこからさかのぼる形でスキル体系を構築し、実践を進めていくべきであると考え、「表現主義」と「未来派宣言」と「アジャイルソフトウェア開発宣言」の意匠を借りて、このような考え方が広がることを支えたいと思い、次のような案文をまとめてみた。
地理空間表現主義宣言 Geospatial Expressionism Manifesto(案文)
私たちは、ウェブ時代の地理空間情報の提供と活用の実践あるいは実践を手助けする活動を通じて、地理空間情報のよりよい提供と活用の方法を見つけ出そうとしている。この活動を通して、私達は以下の価値に至った。
システムの構成や構造の特定よりも 具体的な活用の目的の特定を
データの設計や構造よりも 具体的な活用におけるデータの表現を
データのストア技術よりも データのトランスファーと表現の技術を
計画を定めてそれに従うよりも 技術の進化への対応を
インプットよりも アウトプットを
SQLよりも JavaScriptを
価値とする。すなわち、左記のことがらに価値があることを認めながらも、私たちは右記のことがらにより価値をおく。
署名者募集
「アジャイルソフトウェア開発宣言」では、宣言の下に署名者が続く。署名者を募集したい。また、案文の修正提案も歓迎したい。
HISWIP シンドローム
地理空間方面では、"Here is the solution, what is the probmem?" といったことがある、という言い回しがされることがあった。これは、表現主義が治癒したい問題である。このことを短く表現するために、「HISWIPシンドローム」という言葉を作ってみよう。つまり、個別の問題をあまり見ることなく、汎用だが実際には適用がむずかしいソリューションを考え作ってしまうことを指すことばである。
See Also
Manifesto for Agile Software Development
http://agilemanifesto.org
http://agilemanifesto.org/iso/ja/
Expressionism, especially der Blaue Reiter
http://ja.wikipedia.org/wiki/表現主義
http://ja.wikipedia.org/wiki/青騎士
Futurist Manifesto, or Manifesto del futurismo