Linux においてマウスホイールの１ラッチが一行に相当するため、 Windows になれているとスクロールが遅く感じます。imwheel を使って１ラッチ、二行に変更する手順を紹介します。
Debian GNU/Linux 9 の場合の手順です。Debian GUN/Linux 10 の場合は、Xorg が Wayland になったため、imwheel で設定しても効果がないようです。
- imwheel をインストールする
$ sudo apt-get install imwheel
- .imwheel を作成する
ホームディレクトリに次の内容の .imwheel を作成します。
"google-chrome"
None, Up, Button4, 3
None, Down, Button5, 3
Control_L, Up, Control_L|Button4
Control_L, Down, Control_L|Button5
Shift_L, Up, Shift_L|Button4
Shift_L, Down, Shift_L|Button5
"Mail"
None, Up, Button4, 3
None, Down, Button5, 3
Control_L, Up, Control_L|Button4
Control_L, Down, Control_L|Button5
Shift_L, Up, Shift_L|Button4
Shift_L, Down, Shift_L|Button5
この内容だと、google chromeとThunderbirdの画面を選択して、マウスホイールを回したときのスクロールが二倍になります。なお、.imwheelに記述するアプリケーションの名前は xprop WM_CLASS | grep -o '"[^"]*"' | head -n 1 コマンドで調べられます。
Control_LやShift_Lから始まる行を記載すると、CtrlキーやShiftキーを押した状態でマウスホイールを動貸した場合の動作が、今までどおりとなります。記載しないと、CtrlキーやShiftキーを押さない場合の動作と同じになります。
/usr/bin/imwheel -k -b "4 5" を実行すると、設定が反映されます。4 と 5 がマウスホイールを表しており、マウスホイールの信号のみ操作することを意味しています。
- ログイン時に設定されるようにする
/etc/X11/imwheel/startup.conf を編集し、次の設定を行います。
- IMWHEEL_START=1 と設定する
- IMWHEEL_BOTTUN="4 5" と設定する
以下は、/etc/X11/imwheel/startup.conf の例:
IMWHEEL_START=1
# IMWHEEL_PARAMS='-b "4 5"'
IMWHEEL_BOTTUN="4 5"
/etc/X11/Xsession.d/60imwheel_start-imwheel を編集し、imwheelの起動コマンドを /usr/bin/imwheel -k -b "${IMWHEEL_BOTTUN}" "${IMWHEEL_PARAMS}" とします。
以下は、/etc/X11/Xsession.d/60imwheel_start-imwheel の例:
# Starts the imwheel process.
. /etc/X11/imwheel/startup.conf
if [ "$IMWHEEL_START" = "1" ]; then
# /usr/bin/imwheel -k "${IMWHEEL_PARAMS}"
/usr/bin/imwheel -k -b "${IMWHEEL_BOTTUN}" "${IMWHEEL_PARAMS}"
fi