はじめに
私はシステム研究開発センター内のサービスデザイン研究部に所属するUXデザイナーです。
2021年度に入社し、3年目となる今年まで主にデザイン・アジャイルの領域を中心に活動させて頂きました。
本記事の内容は、私が入社してから参画したPJや部内の仕事で得た学びのまとめになります。ソフトスキルにフォーカスしているので、これから入社される学生の方やPJに参画される新入社員の方々の一助となれば幸いです。
目次
1.同期/非同期コミュニケーションの使い分け
2.書き言葉を身につける
3.質問やコメントのレベルは、業務の理解度や思考の量の表れ
4.仕事の進め方も大事
5.信頼は実績の積み重ね
6.仕事とは「価値を届ける」こと
7.おわりに
同期/非同期コミュニケーションの使い分け
今や当たり前となったリモートワークにおいて、TeamsやSlack上でのテキストによる非同期コミュニケーションは不可欠です。もし仮に、会議などの同期的コミュニケーションのみで物事を進めようとすると、以下のような問題が発生します。
- その会議まで会話が始まらないので、問題が発生してから解決するまでのリードタイムが長くなる
- 会議に参加したメンバーしかその内容を知ることができず、情報のサイロ化に繋がる
チャットを用いた非同期コミュニケーションを活用することで、会議を待たずに早期の問題解決やログが残ることによる情報の透明性向上に繋がります。ただし、非同期コミュニケーションにも以下のようなデメリットがあります。
- 口頭でのコミュニケーションと比較して、テキストを入力することのコストが高い
- どうしてもテキストのみでは認識齟齬が解消できないケースがある
こうしたデメリットがあるので、ある程度ラリー回数が必要な質問や、イメージの認識合わせなどは直接会話することが必要なように思います。口頭であれば「そういえば別件で〜」のような偶発的な会話も発生しやすく、そうした会話をきっかけに潜在的な問題やアイデアの発見に繋がることもありました。また、仕事とは関係のない雑談はログが残ることにある種の気持ち悪さを感じるので、揮発性の同期的コミュニケーションの方が合っているとも思います。
書き言葉を身につける
これは地味に大切なスキルだと思っています。自分しか見ないドキュメントであればどう書こうが自由ですが、他人に共有するメモや会話のベースとなる資料に関しては、書き言葉を用いた方が端的に正確な情報を伝えられるからです(ドキュメントで全てを伝えきれる、という意味ではありません)。
前述のチャットを用いた非同期コミュニケーションに関しても、書き言葉を用いることで端的に要件を伝えられます。
また、書き言葉を使うと文章が大人っぽく感じられるので、印象が良くなるとも感じます。
質問やコメントのレベルは、業務の理解度や思考の量の表れ
PJや部内の仕事で諸先輩方とお話していると「たしかに!」と思わされるような質問や、そもそもそのフィーチャは必要なのか?というクリティカルな指摘を頂くことがあります。経験の差もありますが、様々なユースケースを考慮し解像度を高めた結果として、こうした発言にたどり着けるのだと思います。お客様の中にはIT技術者ではない方もいらっしゃいますが、「この人は考えているな」と思って頂けるような良い質問やコメントができると評価して頂けると思います。
仕事の進め方も大事
プログラミングやUIデザインといったハードスキルももちろん大切ですが、メンバーと協働する以上、同じぐらい大事だと思うのが仕事の進め方です。例えば下記のようなものです。
- タスクの洗い出しと見積もり
- 前さばきが必要なタスクの見極め(申請フローを通す/設計など検討に時間を要す/ステークホルダー間の調整が必要など)
- アウトプットイメージの早期共有による手戻り低減
仕事である以上〆切は必ずあるので、このようなマネジメントスキルは誰しも身につけておく必要があると思います。逆にこうしたマネジメントスキルが皆無となると、他のメンバーに自分のことを管理させてしまうことになりかねません。
信頼は実績の積み重ね
たとえチーム内での裁量権が大きかろうとも、初めて協業する別部署のメンバーや、初めて依頼するお客様は自分のことが分からないという不安があります。特に新人となると過去の実績もないので、はじめは議事録の作成や事務系の手続き、細かい部分のバグ修正などしか任せてもらえないケースもあるかもしれません。ここで大事なのは、その時任された仕事をきっちりやり切ること、ないしは相手の期待値以上のクオリティのアウトプットを出すなど任された仕事の中で成果を上げることです。こうした小さな成果の積み重ねができてくると、「次はもう少し重要な仕事もお願いしてみよう」と思って頂けます。
仕事とは「価値を届ける」こと
自分のチームがどれだけバックログを消化できたのか、コードを何万行書いたのかはさほど重要ではありません。大事なのは「プロダクトのユーザ価値をどれだけ高められたか」です。開発のサイクルをきれいに回そうとしたり、自分のスキル向上を図るうちに本質から逸れてしまっていないか、常に考えておきたい所です。個人の技術力向上やチームの成長と、プロダクトのユーザ価値向上は別で評価すべきかと思います。
おわりに
ここに記した内容は至極当たり前のことであり、新しい発見はなかったかもしれません。ですが、こうした当たり前のことを実行するのは実はすごく難しい、と感じています。忙しい時にタスク管理をついおろそかにしてしまったり、タスクを完了させることに囚われてユーザ価値をおろそかにしてしまった、などは誰しも経験があるのではないでしょうか。
「当たり前のことを当たり前に実行できることこそ最強」のマインドでこれからも仕事に励んで行きたいと思います。
ここまで読んで頂き、ありがとうございました。
本記事は、NSSOL Advent Calendar 2023の9日目の投稿になります。