はじめに
- 個人的な観測範囲のダークサイド
- 何事もそうだけど、賛否あるもので、この記事はアジャイル・スクラムの「否」の面を集めてるよ。
- 記事書いてる人間はスクラムが好きだよ。
いろんな対立
Don't just Do Agile, Be Agile
「Do Agile」ってのはアジャイルプラクティスを実践することに重きを置いているイメージ。
「Be Agile」ってのはプラクティスの実践に拘るのではなく、アジャイルの本質を目指せという立場。
正直、導入初期などのスクラムがいまいちわかってない内は「Do Agile」になりがち。
そこに対して「それってBe Agileじゃないよね」みたいな批判が飛んでくるケースがある。
これ、自分の中でもいまだに呪いとして残ってるかもしれない。
いまだにバランス見つけられない。
形を変えてはいけない vs 形を変えざるを得ない
「スクラムやアジャイルを自社の都合に合わせて変えるな」という話があります。
でも、何かしら変えないとそもそも導入できないとう状況もある。
「変えないと導入できないなら、何かしらの組織課題があるのだから、その組織課題を解決するまでは導入するべきではない」という理由もわからなくはない。
個人的には形を変えてでも少しずつでも組織内にアジャイルを徐々に浸透させて、徐々に組織課題を解決していくのが良いと思ってる。
よっぽど権限持ってる立場にいない限りは、組織はそんなにすぐ変えられない。
他にも言いたいことは以下に書いてる。
失敗したやつはアジャイルとは呼べない?
[Be Agile]のスタンスに近いんですが、アジャイルプラクティスを導入したとしても、成功に寄与しなかったのであれば、「アジャイルの本質を理解できてなかったから失敗した。だからあれはアジャイルではない。」と主張できなくはない。
みたいな話。
そういう屁理屈があるから嫌だ!みたいな話をたまに聞く。
個人的にはアジャイルかどうかなんてどうでもよくて、成功するかが大事じゃない?とは思う。
アジャイルじゃなくても成功すれば成功だし、アジャイルでも失敗すれば失敗じゃない?
まぁ、成功をアジャイルだけの功績にするのは少し違うとも思ってるので、この言説に共感する部分はある。
現場の状況全然違うのに「アジャイル」という一言で同じ扱いになる
ベンチャー開発文脈でのアジャイルと、受託開発文脈でのアジャイルって話が違うと思ってる。
というか、現場ごとに形が大きく変わってくるのがアジャイルだと思ってる。
現場ごとに個別最適化していく印象。
なので「アジャイルは〜だ!」みたいな言い切り系の記事はいつも違和感持って読んでる。
そっちで効果あったことが、こっちで効果あるとは限らんべ。
見積もりはすべき?
(ちょっと古いかもですけど)海外では「no estimates」と言って見積もらないムーブメントみたいなのもあったりしました。
当然これ賛否ありました。
詳しくはググってもらうのが良いと思いますが、こういった言説もやっぱり現場ごとに判断すべきで、「アジャイルなら一律で見積もり不要」みたいな言い切りはなんか違うよなぁ、という印象。
アジャイルは「開発者体験を上げる手段」なのか「事業成功の手段」なのか
開発者体験というキーワードが最近よく見かけるんですが、大事だとは思うんですが、違和感あるのよね。
「事業ないしはPJの成功が重要で、そのために開発者体験をあげていこう」はわかる。
「PJの成功を見ずに、開発者体験だけ上げていこう」は違うと思ってる。
「PJさえ成功すれば開発者体験は不要」というのが昔の考え方だとは思うけど、PJの成功がなければ開発者は雇えない事実もあるので、一概に否定しきれないなぁ・・・とも思ってる。
スクラム 嫌い
「スクラム 嫌い」とかで検索すると出てくる。
抜粋
- マイクロマネジメントな形になる:確かにスプリントといった感じで、チームに毎回全力を求めるスタンスはあるし、管理単位も小さくなるので、指摘されてる側面はあるように感じる。
- POとDEVの線引きが強くなりやすい:確かに。特に契約関係や権力の差などもあって、発生しやすい気がする。
- SMが悪影響:学習をリードするという役割もあれど、SMがいないと学習できないみたいな空気にもなり得る。
- なんちゃってスクラム:これが意味するところは人によって異なりすぎるので総括はできないんだけど、きっと何も解決しない形ばかりのスクラム何だろうなとは思う。
- うさんくさい:わかる。
まとめ
- 都合の良い情報だけに包まれていると偏りやすいので、反対派の意見にもたまには耳を傾けた方が良い。
- ここにあげてる話はどれも一理あると個人的には思ってる。
- とはいえ、最終的には現場ごとに筋道立ててやってけばいいんじゃないかな、と思ってる。
次回予告
本記事は、2022アドベントカレンダー「受託アジャイル」の記事です!他にも興味あれば見てってください。
次回は、受託アジャイルな現場で個人的に取り組んでいることです。