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受託アジャイルAdvent Calendar 2022

Day 22

個人的なサーバントリーダーシップの解釈と示し方

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はじめに

  • サーバントリーダーシップの定義を簡単にまとめてみた。
  • 自分なりの行動を整理してみた。
  • 参考になればいいなぁ。

定義

サーバントリーダーシップとは

サーバントリーダーシップは、ロバート・グリーンリーフ(1904~1990)が1970年に提唱した「リーダーである人は、まず相手に奉仕し、その後相手を導くものである」というリーダーシップ哲学です。
サーバントリーダーは、奉仕や支援を通じて、周囲から信頼を得て、主体的に協力してもらえる状況を作り出します。

サーバントリーダーシップの10の属性

  • 傾聴 (Listening)
    • 大事な人達の望むことを意図的に聞き出すことに強く関わる。同時に自分の内なる声にも耳を傾け、自分の存在意義をその両面から考えることができる。
  • 共感 (Empathy)
    • 傾聴するためには、相手の立場に立って、何をしてほしいかが共感的にわからなくてはならない。他の人々の気持ちを理解し、共感することができる。
  • 癒し (Healing)
    • 集団や組織を大変革し統合させる大きな力となるのは、人を癒すことを学習する事だ。欠けているもの、傷ついているところを見つけ、全体性(wholeness)を探し求める。
  • 気づき (Awareness)
    • 一般的に意識を高めることが大事だが、とくに自分への気づき(self-awareness)がサーバント・リーダーを強化する。自分と自部門を知ること。このことは、倫理観や価値観とも関わる。
  • 説得 (Persuasion)
    • 職位に付随する権限に依拠することなく、また、服従を強要することなく、他人の人々を説得できる。
  • 概念化 (Conceptualization)
    • 大きな夢を見る(dream great dreams)能力を育てたいと願う。日常の業務上の目標を超えて、自分の志向をストレッチして広げる。制度に対するビジョナリーな概念をもたらす。
  • 先見力、予見力 (Foresight)
    • 概念化の力と関わるが、今の状況がもたらす帰結をあらかじめ見ることができなくても、それを見定めようとする。それが見えたときに、はっきりと気づく。過去の教訓、現在の現実、将来のための決定のありそうな帰結を理解できる。
  • 執事役 (Stewardship)
    • エンパワーメントの著作でも有名なコンサルタントのピーター・ブロック(Peter Block)の著書の書名で知られているが、執事役とは、大切な物を任せても信頼できると思われるような人を指す。より大きな社会のために、制度を、その人になら信託できること。
  • 人々の成長に関わる (Commitment to the Growth of people)
    • 人々には、働き手としての目に見える貢献を超えて、その存在をそのものに内在的価値があると信じる。自分の制度の中のひとりひとりの、そしてみんなの成長に深くコミットできる。
  • コミュニティづくり (Building community)
    • 歴史のなかで、地域のコミュニティから大規模な制度に活動母体が移ったのは最近のことだが、同じ制度の中で仕事をする(奉仕する)人たちの間に、コミュニティを創り出す。

自分なりにやってること

傾聴 (Listening)・共感 (Empathy)

大事な人達の望むことを意図的に聞き出すことに強く関わる。同時に自分の内なる声にも耳を傾け、自分の存在意義をその両面から考えることができる。
傾聴するためには、相手の立場に立って、何をしてほしいかが共感的にわからなくてはならない。他の人々の気持ちを理解し、共感することができる。

価値基準を自分に置かない
価値基準を自分におくと、相手の話に対して「それは良い/悪い」みたいな話をしたくなる。
良し悪しを判断する人は、サーバント(奉仕者)ではなく、上司や偉い人みたいな印象になる。

「自分の感想を述べる以外にどうやってコミュニケーションとるの?」みたいなことを聞かれたりするんですけど、感想なんて聞かれてから答えればいいんすよ。
なので、基本的には以下のようなリアクションを取るようにしています。

大事にしてるリアクション

  • 理解を示す:「なるほど!」「確かに!」
  • 共感を示す:「それは怖い!」「大変だぁ・・・」「ツラいねぇ・・・」

避けてるリアクション

  • 否定する:「それは間違ってるよね」「違うくない?」
  • 自分の感情を主張する:「俺は怖くないけどなぁ」

否定を示さないといけない場面はあるし、自分の感情を主張しないといけない場面もあると思いますが、「傾聴」「共感」を示す上では悪影響かなと思ってます。

癒し (Healing)

集団や組織を大変革し統合させる大きな力となるのは、人を癒すことを学習する事だ。欠けているもの、傷ついているところを見つけ、全体性(wholeness)を探し求める。

癒しとはちょっと違うかもですけど、傷つけるような表現は避けてます。
具体的には以下のようなアプローチを取ってます。

否定が必要な場面だけ行う
例えば「AとBを比較検討しているタイミング」で、「Aが良い」と主張したい時に「Bを否定」したくなるんですけど、その否定が不要な場面って多い。
Aと主張するだけだとなんか足りない気がしてBの否定を足しておく、みたいな無意識な重力があるように感じる。
で、Bの否定が不自然な理屈になってたりして、そこで相手の不興を得ることが多い気がしてる。

相手を尊重する
基本的にどんな人であれ、自分とは違う経験値を持っている存在として扱う。
何か一つの側面だけを切り取って相手を否定しない。
相手は精一杯頑張ってくれたけど、何かやむをえない理由や状況などがあって誤った結果につながったと捉える。

気づき (Awareness)

一般的に意識を高めることが大事だが、とくに自分への気づき(self-awareness)がサーバント・リーダーを強化する。自分と自部門を知ること。このことは、倫理観や価値観とも関わる。

アンコンシャスバイアスに自覚的になる

以下に示すような「人間の習性」を理解しておくと、結構心穏やかでいられる気がする。
「気づき」かなこれ・・・わっかんねぇ。でも意識してることではある。

用語 説明
正常性バイアス 危機的状況になっても、自分にとって都合の悪い情報を無視したり、過小評価したりする
集団同調性バイアス 集団に所属することで、同調傾向・圧力が強まり周囲に合わせてしまう
アインシュテルング効果 慣れ親しんだ考え方やものの見方に固執してしまい、他の視点に気づかないか無視してしまう
コミットメントのエスカレーション 過去の自分の意思決定を正当化し、自分の立場に固執したり、損失が明確でも引けなくなってしまう
集団同調性バイアス 集団に所属することで、同調傾向・圧力が強まり周囲に合わせてしまう
ハロー効果 ある人物に好意を抱くと、その人物に対するすべてのものに対して好意的に考える
ステレオタイプバイアス あるグループに所属するものには特定の特徴があると判断する。
確証バイアス 仮説や信念を検証する際にそれを支持する情報ばかりを集め、反証する情報を無視、または集めようとしない
慈悲的差別 少数派に対する好意的ではあるが勝手な思い込み
インポスター症候群 自分への過小評価・可能性を閉ざしてしまう思い込み

↓引用元↓

説得 (Persuasion)

職位に付随する権限に依拠することなく、また、服従を強要することなく、他人の人々を説得できる。

相手に納得してもらう

「命令でやらせる」みたいなスタンスではなくて、「納得して動いてもらう」というスタンス。
不都合な事実も含めて説明する。
理屈に合わない時も含めて説明する。
「ごめん、むちゃくちゃ言ってるのは分かってるんだけど、〜という状況もあって、やってもらうしかなくて、すまん。」
みたいな時もある。

概念化 (Conceptualization)・先見力、予見力 (Foresight)・執事役 (Stewardship)・人々の成長に関わる (Commitment to the Growth of people)

大きな夢を見る(dream great dreams)能力を育てたいと願う。日常の業務上の目標を超えて、自分の志向をストレッチして広げる。制度に対するビジョナリーな概念をもたらす。
概念化の力と関わるが、今の状況がもたらす帰結をあらかじめ見ることができなくても、それを見定めようとする。それが見えたときに、はっきりと気づく。過去の教訓、現在の現実、将来のための決定のありそうな帰結を理解できる。
エンパワーメントの著作でも有名なコンサルタントのピーター・ブロック(Peter Block)の著書の書名で知られているが、執事役とは、大切な物を任せても信頼できると思われるような人を指す。より大きな社会のために、制度を、その人になら信託できること。
人々には、働き手としての目に見える貢献を超えて、その存在をそのものに内在的価値があると信じる。自分の制度の中のひとりひとりの、そしてみんなの成長に深くコミットできる。

いっきに4つ処理しちゃう。

ビジョンを伝える
イソップ童話の「3人の職人」がよく使われますけど、そのイメージ。
「レンガを積んでる」「壁を作っている」「教会を作ることで人々の安心を作っている」みたいな。
3人目の目標意識をみんなが持てるようにビジョンを伝える。

ミッションを任せる
ビジョンの中で重要な部分を実現するミッションを任せます。
任せたからといって、こちらから何もしないのはダメ。
相手がミッションを達成できるように1on1などで支援をしていく。

本人のモチベーションに紐付ける
任せたミッションが相手の成長にどう寄与するのか伝える。
押し付けるというよりは、自分はこういうふうにあなたのためになる部分があると考えているよ、みたいに伝える。
伝え慣れてないと、変な空気になることは多い。いまだにたまに変な空気になる。

コミュニティづくり (Building community)

歴史のなかで、地域のコミュニティから大規模な制度に活動母体が移ったのは最近のことだが、同じ制度の中で仕事をする(奉仕する)人たちの間に、コミュニティを創り出す。

場づくり

自分と相手の関係性だけを目指すのではなく、「場づくり」を意識する。
自分がいれば成り立つけど、自分がいなくなるとダメになっちゃうだとちょっともったいない。
みんなにもサーバントリーダーシップな振る舞いができるように伝達していく。

サーバントリーダーシップに対する反論

厳しく言わないと相手は変わらない
「感情が動いたことの方が記憶に残る」ってのは脳の仕組みとしてはあると思うので、全部は否定できないよなぁと思ってる。
ただ、「伝えたい内容」よりも「厳しい言い方・怖い顔」とかが記憶に強く残る方が大きくて、悪影響もあるよな、とも思う。
とはいえ「本番環境壊した!」とかを怒らずに処理できるほど冷静ではいられない時もあるし、難しい。

意思決定の遅れ
そう思う。
場面によって使い分けられるとベストなんだろうけど、サーバントリーダーシップってその結果生まれるチームの文化みたいな要素もあるので、使い分けみたいなのむずいなぁと思ってる。

すごく能力が高い人がリーダーに立ってバシバシ決断していくのが一番早いと思う。
悪い言い方をするならサーバントリーダーシップは凡人の戦略だと思う。
自分含め、世の中の大半の人のことを凡人というのだから、多くの人に合う戦略だと思ってる。

もうっちょ詳しく知りたいなら

理解できない考え方って、研修とか行った方が良いと思う。
全然違う文化とかは外から仕入れるしかないので、WEB情報だけでやるのはやめた方が良いと思う。

日本サーバントリーダーシップ教会

  • 冒頭に紹介したけど、研修とかやってるっぽいので、ご興味あれば。

書籍:サーバントリーダーシップ

  • 日本サーバントリーダーシップ教会の輪読会でも使われてる。

書籍:サーバントであれ

  • 書籍:サーバントリーダーシップの8年後(2016年)に出た本。
  • 読めてないけど、説明からするに追加情報っぽいので、深く知りたい人向けだと受け止めてる。

まとめ

  • サーバントリーダーシップは「相手を尊重する」ことが大事。
  • 何年か継続してるけど、いまだにうまくいかないケースはある。身につけ続けるものな気がしてる。
  • いまいち理解できないけど必要性は感じているというなら研修に行こう。

次回予告

本記事は、2022アドベントカレンダー「受託アジャイル」の記事です!他にも興味あれば見てってください。
次回は、受託アジャイルでの設計書(ドキュメント)です。

以上です。

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