はじめに
本記事は、以下の二つの要素を説明する記事です。
- 受託アジャイルの定義:このアドベントカレンダーの趣旨です。読み飛ばしてもらっても良いです。
- アジャイルを学ぶための情報源:アジャイルを理解するのに役立つ情報源です。(最初の一歩として好ましい研修・資料の紹介です。)
受託アジャイルとは
受託開発(ユーザー企業が開発ベンダーにシステム開発を委託して行われるケース)におけるアジャイル開発を受託アジャイルと表現します。
(このアドベントカレンダー一連の記事においては、特にスクラム開発を対象とします。)
個人的な観測範囲として、アジャイルは「ユーザー企業自身の内製によって行われるプロダクト開発」をベースにしていることが多いように感じています。
具体的には、ベンチャー企業やテック企業(楽天やyahoo)などで事例公開されているケースが多い印象。
受託開発の現場でアジャイルをやろうとすると、公表されている事例とは異なる問題が出てきます。
このアドベントカレンダーではそういった一連の課題をどのように対処していったのかを紹介していけたらと思っています。
アジャイルを学ぶための情報源
一番最初の課題は「どこから情報を得ていいかわからない問題」です。
周りに頼る人がいないと、どこから情報を得て良いかもわからないと思います。(実際ここに苦しんだので)
以下の情報から入っていくのが良いかと思います。
原則的な情報
ここを読まなきゃ始まらない的なものたち。いろんな解説記事もあるので、そういったのも合わせて読んでも良いかも。
- アジャイルソフトウェア開発宣言
- アジャイル宣言の背後にある原則
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スクラムガイド(v2020)(2022/11/27時点)
- 最新バージョンはこちらから確認ください:スクラムガイドのホームページ
お勧めの入門情報
弊社のノウハウ公開サイト。
特に会社から指示されたわけでは無いですが、すごく良い記事あるのでその紹介。
ぶっちゃけ薄いなと感じる記事も中にはあるけど、良い記事はちゃんと良いので見てって!
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Fintan -TISインテックグループのノウハウを集約したサイト-
- スクラム概論:いろんな資料見たけど、受託文化の人がスクラムを理解する最初の資料としてはこれが今のところ一番わかりやすい感覚がある。これ見てから、他の資料見にいくくらいがちょうど良い気がしてる。
- アジャイル・スクラム関連の記事一覧:実際導入する際に参考になるものがあります。実際に始めよう!って話になりそうになってから読むと役に立つと思います。
研修
正直、現場にまだアジャイル文化がないなら、研修でガッツリ学ぶべきだと思います。
まじで考え方が根本から違うので、飛び込まないと頭のスイッチが切り替わらないように感じています。
お願いだからWEB記事だけでわかった気にならないで、ちゃんと研修に参加してくれー!
ちなみに研修団体はいくつかあります。それぞれ若干流派が異なるらしいです。観測範囲内ではScrumaAllianceが多数派のようです。(私もScrumaAllianceで資格取得したので、どれをおすすめするかと問われたらScrumaAllianceです。)
実際の運営は、別の団体がやっています。有名なところだとOdd-eさんとかですね。
ちなみに弊社でもやってます。TIS - アジャイル教育サービス
運営団体を横断で検索できる以下で検索するのが個人的にはお勧めです。
自社ディスるのもあれですけど、弊社のやつ検索性悪いんで、こっちで検索してもらって、自分にとって都合の良い日程を選ぶのが一番良いと思います。
ScrumAllianceの研修コース一覧@日本語
ちなみにコーチによって実際の研修内容は大きく変わる可能性があるので、「前ネットで見た研修参加記事と同じだろう」と思って参加するとズレちゃうと思います。
新人研修におけるアジャイル関連情報
有名企業のエンジニア向け研修資料まとめからアジャイル関連の部分だけ整理しました。
2022年時点では、「アジャイルとは〜」ってやってるのはもうあんまり無いっぽい。アジャイルの背後にある理論(ToC)とかを通して、会社として何を目指しているのか?みたいな説明になってきてる。
そのまま取り入れるには難度が高いものの、理解しておくと圧倒的にアジャイルが加速すると思います。
受託開発にどっぷりな人が最初に見る資料かと言われると少し怪しいので、ある程度学んだらここに戻ってくるくらいでいい気がする。
- サイボウズ:2022年のエンジニア新人研修の講義資料を公開しました
- サイボウズのアジャイル・クオリティ
- リクルート:株式会社リクルート エンジニアコース新人研修の内容を公開します!(2022年度版)
- 事業価値とエンジニアリング・リソース効率性とフロー効率性
- 制約理論(ToC)入門
- TPS(トヨタ生産方式)入門
その他情報
かなり個人的な偏見に塗れた情報集です。
団体
- 経済産業省
- デジタルガバナンス・コード2.0(旧 DX推進ガイドライン):組織レベルの話なので、経営層とかと会話するなら読んでおくと良い
- DX推進指標:こちらも組織レベルの話なので、経営層とかと会話するなら読んでおくと良い
- DXレポート
- DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~(2018/09):大元の資料。DXレポート言われたら基本的にはこれを指す。2.x系は読まなくとも、ここは読んでおくと良いかも。
- 2.0(2020/12):DXレポート発表を受けた各社の変化と課題。
- 2.1(2021/08)
- 2.2(2022/07)
- IPA
- その他団体
- LeSS:大規模アジャイルフレームワークの一つ。シンプルさを売りにしているためわかりやすいが、制約が甘い部分もあり個人の意識が重要。日本語訳も豊富で、スクラムガイドでは薄かった部分も丁寧に説明してくれてる。スクラムガイドで満足できなくなってきた頃にここを見始めた。
- SAFe:大規模アジャイルフレームワークの一つ。開発現場と経営との融合を目指しているため制約やお作法が多い。とっつきづらいが指示が明確なので、形から大規模に入るならこっちを参考にするのは悪くないと思う。今の現場ではこっちをベースに大規模アジャイルやってます。
- スクラムマスターチェックリスト:スクラムマスターを理解するのに役立つ。スクラムガイド上はあんまりスクラムマスターのこと書いてくれてないので。
個人
いずれもtwitterリンク。
アジャイル関連の最新情報って結構個人で受け取り方違ったりするので、一人の人を追いかけるんじゃなくて、複数の人を追いかけるようにしてます。
語彙力がなくてどの人の説明も「アジャイルに強い人」になっちゃったので、細かい説明は割愛しちゃいます・・・
入門にオススメの書籍
-
ScrumBootCamp
- 正直これ読んだの5年くらい前なので、今ならもっといい本出てるかも。
- ただ、お勧めは何か聞かれたら毎回これ答えてる。
- コアな話は薄いんだけど、入門として抑えた方が良い基本的なところをわかりやすく教えてくれるので。
次回予告
よく話題になる契約形態の話をします。(請負か準委任かの考え方)
以上です。