１．はじめに
前回は仮想環境を構築しました。今回はWebサーバ（httpd）のインストールと基本的な設定を行います。
Apacheは最も広く利用されているWebサーバソフトウェアで、HTMLファイルの配信やリバースプロキシなど多用途に使えます。
２．環境構成と前提
| ホスト名 | 役割 | IPアドレス |
|---|---|---|
| webserver | Webサーバ | 192.168.56.10 |
| apserver | APサーバ | 192.168.56.20 |
| dbserver | DBサーバ | 192.168.56.30 |
※ AlmaLinux 9.x 、SELinux無効の状態を前提とします。
３．名前解決設定
3-1.DNS参照順設定（/etc/nsswitch.conf）
/etc/nsswitch.confファイルを編集し、名前解決の参照順を調整します。
| パラメータ | 設定値 |
|---|---|
| passwd: | files |
| shadow: | files |
| group: | files |
| hosts: | files dns myhostname |
| services: | files |
| netgroup: | files |
| automount: | files |
hostsはfiles dns myhostnameの順にして、まず/etc/hostsを優先します。
3-2./etc/hostsに固定IPとホスト名の紐付けを記述
以下のように記述し、名前解決を行います。
192.168.56.11 dbserver
192.168.56.12 apserver
192.168.56.13 webserver
４．ファイアウォール設定
HTTPアクセスを許可します。
firewall-cmd --zone=public --add-service=http --permanent
firewall-cmd --reload
５．NTP設定（時刻同期）
/etc/chrony.confに以下を追記し、時刻の精度と安定性を確保します。
server ntp.nict.jp iburst
server ntp1.jst.mfeed.ad.jp iburst
server time.google.com iburst
allow 192.168.56.0/24
６．Webサーバ構築
5-1.Apacheインストール・起動
dnf install httpd -y
systemctl start httpd
systemctl enable httpd
5-2.動作確認用のHTMLの設置
echo "Hello,World" > /var/www/html/index.html
ブラウザで確認
以下にアクセスして、Hello, Worldが表示されれば成功です。
http://<WebサーバのIPアドレス>/index.html
まとめ
Apache httpdの導入と設定が完了し、Webページの表示確認もできました。
次回はAPサーバであるTomcatを導入し、JSPページの実行環境を構築します。
本記事は「AlmaLinuxで構築するWeb3層構造」シリーズの第2弾です。
前回までの内容はこちらからどうぞ：
- 第1回：仮想環境とAlmaLinux構築
- 第3回：APサーバ（Tomcat）構築
- 第4回：DBサーバ（MySQL + sakila）構築
- 第5回：Web/AP/DB連携編