この記事では、Webシステムの基礎である「3層構成(Web/AP/DB)」を学ぶための仮想環境構築手順を紹介します。
✅ 対象読者
- Linux初学者
- Web3層構成をローカル環境で試したい人
- 仮想化ツール VirtualBox を使いたい人
📌 このシリーズで作るもの
- Webサーバ:Apache (httpd)
- APサーバ:Tomcat
- DBサーバ:MySQL (sakilaサンプルDB使用)
最終的な成果物
映画一覧の表示、映画や俳優の検索ができるWebページ
ファイル構成
/var/www/html/index.html
/usr/share/tomcat/webapps/sakila/
├── film_list.jsp
├── film_search.jsp
└── actor_search.jsp
VirtualBoxのインストール
公式サイト(https://www.virtualbox.org/)から最新版をダウンロードし、インストールしてください。
OS | 手順 |
---|---|
Windows | ダウンロード → インストーラ起動 → 画面の指示に従うだけ |
Mac |
.dmg を開いてアプリをApplicationsにドラッグ&ドロップ |
AlmaLinux ISOのダウンロード
AlmaLinuxはRed Hat Enterprise Linux互換の無料ディストリビューションです。
公式:https://almalinux.orgからISOを取得します。
※ 今回は AlmaLinux-9.5-x86_64-dvd.iso
をダウンロードしました。
仮想マシンを3台作成する
今回は3層構成に合わせて、以下の構成で仮想マシン(VM)を作成します。
役割 | ホスト名 | 仮想マシン名 | IPアドレス |
---|---|---|---|
Webサーバ | webserver | web | 192.168.56.10 |
APサーバ | appserver | ap | 192.168.56.20 |
DBサーバ | dbserver | db | 192.168.56.30 |
※「仮想マシン名」はVirtualBox上での名前です。ホスト名はAlmaLinuxインストール時に設定します。 |
❗ VirtualBoxの設定
- メモリ:1024MB
- プロセッサ:2
- ネットワーク:アダプター1:NAT、アダプター2:ホストオンリーアダプタ
- その他:デフォルト設定
AlmaLinuxのインストールと初期設定
- VM起動 → Install AlmaLinux9.5 を選択
- AlmaLinuxのインストーラー画面で次を設定
- 言語:日本語
- インストール先:自動
- ネットワークとホスト名
- 画面下のホスト名にホスト名を入力し、適用をクリック
- enp0s8を選択→「IPv4設定」→メソッドを「自動」に変更
- 「アドレスの追加」から、各VMに対応する静的IPアドレスを設定し、「保存」
- ソフトウェアの選択
- ベース環境:最小限のインストール
- 選択した環境用のその他のソフトウェア:ネットワークサーバ
- ユーザの設定
- root パスワード設定
- ユーザの作成
- インストール後、再起動
次回予告
次回は「Apacheをインストールして、Webサーバを構築する」ステップに進みます。
→ 第2回:「ApacheでWebサーバを構築!3層構成の“入口”をつくろう【Web層編】」
まとめ
今回は3層構成に必要な仮想環境(VirtualBox + AlmaLinux)の構築方法を解説しました。
今後はそれぞれの層に必要なソフトウェアを設定し、実際に動作するシステムを構築していきます。