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SendGridのアップグレードについて

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SendGridの新規アカウント作成について「以前よりもハードルが上がっている」という声をよく耳にします。これは、セキュリティや不正利用対策の強化によるもので、実際に以下のような変更が行われています。
• アカウントの新規作成が以前より厳しくなった
• 無料トライアルの利用期限が60日間に制限され、アップグレードしないと自動でアカウントが無効になる

特に、開発者や企業で「ちょっと試してみたい」と思っていた方にとっては、この変更によって導入が難しくなったという印象を持つかもしれません。
そこで今回は、SendGridのアカウントを作成した後の、有償プランにアップグレードするための手順をわかりやすく解説します。アカウント作成については、こちらのページのStart for Freeでボタンから作成してください。


アップグレード前にやるべき3つのステップ

SendGridを継続的に使うためには、以下の3点の設定が必須です:
1. メールアドレスの確認
2. ドメイン認証
3. 支払い方法の設定

それぞれ順を追って説明していきます。

1. メールアドレスの確認

アカウント作成後に以下のメールが届くので本人確認を実施します。
下記のメールを受信して、記載されているOTPを入力すれば、OKです。

SCR-20250609-lkos.png

2.ドメイン認証

ドメイン認証はSendGridから自分のドメインを使ってメールを送る際に必須の設定作業となります。ドメイン認証を行うためには、下記の準備をしてください。
• メール送信に使用するドメイン(例:example.com)を決定
• ドメインのDNS管理画面にアクセスできる権限(例:お名前.com、Route53、Cloudflareなど)

  1. ドメイン認証の設定画面に移動します
    SCR-20250609-llsa.png

  2. 利用中のDNSサーバの会社名を選択します。ない場合には、Otherで良いです
    SCR-20250609-lmcy.png

  3. Link Brandingの設定を行うか決めます。メール内にURLを含みそのリンク先を自社ドメインにしたい場合には、Yesを選択してくください。そうでない場合には、Noを選択してください。、
    SCR-20250609-lmix.png

  4. 使うドメインを指定します。サブドメインでも指定できます。また利用するドメインが始めてSendgridを使う場合には、Advanced Settingは特に修正する必要がありません
     SCR-20250609-lmys.png

  5. DNSへ設定するための情報が一覧で表示されるので、ご自身のDNSサーバへ設定を行います
     SCR-20250609-lnqp.png

    DNS Records

    DNS サーバのセクションに追加するレコード一覧:

    TYPE HOST VALUE 用途
    CNAME urlxxxx.examples.com sendgrid.net Link Brading (注1)
    CNAME 5341xxxxx.examples.com sendgrid.net Link Brading (注1)
    CNAME em8xxx.examples.com u534xxxxx.wl087.sendgrid.net SPF (注2)
    CNAME s1._domainkey.examples.com s1.domainkey.u534xxxxx.wl0xx.sendgrid.net DKIM (注3)
    CNAME s2._domainkey.examples.com s2.domainkey.u534xxxxx.wl0xx.sendgrid.net DKIM (注3)
    TXT _dmarc.examples.com v=DMARC1; p=none; rua=mailto:dmarc_agg@vail.email DMARC (注4)

    メール認証技術の説明

    注1: Link Branding(リンクブランディング)

    Click Tracking機能でメール本文内のURLを独自ドメインに変更する設定で、SendGridのデフォルトドメインではなく自社ドメインでリンクを表示してブランドの一貫性と信頼性を向上させる機能です。

    注2: SPF(Sender Policy Framework)

    送信元IPアドレスを使った送信ドメイン認証の手法で、DNSにSPFレコードとして許可されたIPアドレスリストを公開し、受信側がメール送信元のIPアドレスと照合して認証を行います。

    注3: DKIM(DomainKeys Identified Mail)

    電子署名を利用した送信ドメイン認証で、送信側が秘密鍵でメールにデジタル署名を付加し、受信側が公開鍵で署名を検証することで、メールの改ざんやなりすましを検知する仕組みです。

    注4: DMARC(Domain-based Message Authentication, Reporting & Conformance)

    SPFとDKIMの認証結果を利用して、なりすましメールの処理方法(ブロック、迷惑メール振り分けなど)を受信サーバに指示し、認証失敗に関するレポートを送信者に提供するプロトコルです。

  6. DNSへの反映を行ったら、Verifyボタンで確認し、OKであれば完了です
    SCR-20250609-kamw.png

支払い方法の登録

SendGridではクレジットカードによる支払い登録が必要です(現時点ではカードのみ対応)。
カード情報をフォームに入力して「Submit」することで、支払い方法の登録が完了します。

SCR-20250609-kjlv.png

3.プランの選択

your productから利用したいSendGridのプランを選択すれば完了です。
プランの詳細はこちら

SCR-20250609-kjuf.png

終わりに

SendGridは非常に強力なメール配信プラットフォームですが、昨今のセキュリティ強化により初期設定が以前と比べて、やや複雑になったのも事実です。

しかし、今回ご紹介した3つのステップ(メールアドレス確認・ドメイン認証・支払い登録)をしっかり押さえておけば、スムーズに有償環境へ移行できます。

これからSendGridを利用したい方や、お客様に提案する予定のある方の参考になれば幸いです。

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