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Reverse DNS(リバースDNS)の設定 - メール到達率の向上に向けて

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はじめに

SendGridでドメインの信頼性を上げる設定の最後の回になります。
これまで、ドメイン認証(SPF,DKIM)、Link brandingとやってきました。
今回は、リバースDNS(Reverse DNS)の設定方法と、実際にどのような場面で役立つのかを具体的にご紹介します。正しく設定することで、送信ドメインとIPアドレスの関連性が証明され、メールが届きやすくなります。

リバースDNSとは?

リバースDNSは、IPアドレスを逆引きしてドメイン名を確認する仕組みです。
受信側のメールサーバはこの逆引きを通じて送信者の正当性をチェックします。
設定をきちんと行うことで、「このIPは本当にこのドメインのものか?」を確認でき、到達率や信頼性の向上につながります。

用語

  • IPアドレス
    インターネット上の住所のようなもの(例:127.0.0.1)。SendGridでは共有IPか専用IPを選べます
  • DNS(ドメインネームシステム)
    ドメインとIPアドレスを結びつける仕組み。GoDaddyやCloudflareなどが有名です
  • Aレコード
    ドメインとIPを関連付けるDNSレコード。リバースDNSの設定ではこれを活用します
  • サブドメイン
    例:marketing.example.com の「marketing」の部分。用途ごとに分けて運用できます

具体的なユースケース

どんな場面でリバースDNSが活きるのか、代表的なシーンを2つご紹介します。

ユースケース1:ECサイトの注文確認メールの確実な配信

シナリオ
自社ECサイトで商品を購入したお客様に、注文確認メールや発送通知を即送信する運用を行っている。

課題
一部の企業ドメインやフリーメールに届かず、問い合わせが増える。

解決
専用IPを取得し、リバースDNSを設定することで送信元の信頼性を高める。
重要な通知の到達率を改善し、顧客満足度向上に貢献できる。


ユースケース2:ブランドニュースレターのスパム回避

シナリオ
ブランドの最新情報やキャンペーンを毎月数万通規模で一斉配信している。

課題
配信量が多いと、GmailやYahoo!メールでスパムフォルダに入るケースが発生する。

解決
リバースDNSでIPとブランドドメインを紐付けることで一貫性を確保。
SPF・DKIMと組み合わせてスパム判定リスクを低減し、ブランドの信頼を守る。

設定に必要な準備

リバースDNSを設定するには、DNS管理権限が必要です。
社内でどの担当者が権限を持っているか、あらかじめ確認しておきましょう。
企業によってはDNSの変更申請から作業完了に1週間ほど時間がかかるケースもあるので、事前に確認しておきましょう。

設定手順

  1. SendGrid管理画面で「Settings」→「Sender Authentication」を開く

  2. 「Reverse DNS」で「Get Started」をクリック
    ※専用IPが必要です(SendgridではProプラン以上で利用可能)
    Pasted image 20250707103523.png

  3. 設定対象のIPアドレスを選択

  4. 紐付けるドメインを入力(wwwやhttp://は不要)

  5. 「Next」をクリックし、Aレコード情報を確認
    Pasted image 20250707103825.png

  6. DNSホストにAレコードを追加(Squarespaceの管理画面)
    Pasted image 20250707104912.png

  7. SendGridのコンソールに戻って、Verifyボタンを押してVerifiedになればOK
    最大48時間ほどかかる場合があるため、しばらく時間を置いてから確認するとスムーズです。
    でも殆どの場合数分以内に確認できることが多いなと感じています。

サブユーザー運用の場合

リバースDNSは親アカウントのみ設定できます。
サブユーザーへIPを割り当てる場合は、親アカウント側で設定を完了してから割り当てましょう。

IPが多い場合の注意点

10個以上のIPを扱う場合、SPFレコードの文字数制限を超えることがあります。
この場合はSendGrid共通のSPFレコードを使うか、複数のレコードに分割して管理しましょう。

まとめ

リバースDNS設定は、メールの到達率やブランドの信用に直結する重要なステップです。
最初は少し複雑に感じるかもしれませんが、手順通りに進めれば問題ありません。
正しい設定で、安心・安全なメール配信を実現しましょう。

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